名前を忘れた罪

―忘れてもいいこと、
 そして忘れてはいけないこと―

歌わない鳥。

2015-02-16 02:23:57 | 
小鳥のさえずりで
目を覚ます朝。
心地よいハーモニー。

その中でたった1羽だけ、
何故か歌わない鳥がいた。
気になった私は尋ねた。

「何故あなたは歌わないの?」と。

小鳥は何も答えない、
彼女は生まれつき喉が悪く
声を出す事が出来ないのを知った。

私は言った、

「小鳥さん、あなたの代わりに
 私が1曲歌いましょうか。」

♪歌わない鳥 何故歌わない
 それは知らない事にしてね
 あなたの代わりに私が
 歌を歌いましょう、何がいい?
 私は歌がとても上手なのよ、
 なんでも歌えるから

 朝は爽やかな調べを
 昼は明るい歌声で
 夜は静かに子守唄

 あなたの代わりに何でも歌うわ
 だからもう泣かないで
 あなたがいてくれる、ただ
 それだけでいいのよ?

出会えない太陽。

2015-02-13 05:36:45 | 
私は三日月、
夜の闇を半分だけ
照らす不完全な存在。

私の力で世界は
照らせない。

私は三日月、
夜の闇にしか咲けない
悲しい路傍の花。

私が眠る頃に
太陽は目を覚ます。
人々もそれに
合わせるかのように
みなが目を覚ます。

私は太陽に出会えない、
不完全な不完全な
情けない悲しい存在。

もう半分あればもっと
世界を照らせただろうか、
いやどんなにあっても
太陽の眩しさには
かなわない。

私は三日月、
今日も1人で眠りに落ちる。

冬の俳句集。

2015-02-01 10:19:41 | 

『吐く息の 白さに驚く 冬の朝』

『ナフタリン 今の若い子 知らないね』

『靴下の 穴をそのまま 放置した』

『太ったら 自慢のブーツが 入らなく』

『コンビニで 食べる肉まん 美味しいね』

『間違えで 冷たいボタン 押しちゃった』

『向かい合い つつく鍋物 最高ね』

『古ぼけて いても大好き 古コート』

『焼き芋の 屋台が皆を 呼んでるね』

『お歳暮に もらった林檎 食べ切れず』