2016年末に、中国・韓国のトップ棋士に60連勝した、アルファ碁の進化バージョン「マスター」、
この碁をLZ(LeelaZero)はどう評価するのか疑問が出てきたので、早速してみました。
※初めてこのブログを見る方は7月26日の記事をご覧ください
参考図1
この碁が注目されたのは、この25の切りを打ったからです。LZの評価は黒の勝率は50%
を越えており、切りが入ったらサバキ形という判断です。
参考図2
しかしこの図のように、(総譜にもあるように)2線を這うことが確定することもあり、
こんな打ち方をしていいのか、の声があがった局面でもあります。
LZに計る前は、AI的には黒が打ちやすいかも、と説明するつもりでした。AIの判断基準として、
石が生きるまでの手数があると書きましたが、その基準でいくと、生きる手を考えないと
いけない白石は上辺の1子・左下の3子・右辺の壁の石と3カ所に対して、黒は左下の1間
トビの2子だけで、白は差し引き2カ所分、2手は生きるための手を黒より余分に考えないと
いけないので、黒が有利だと判断しました。その考えでいくと、25の切りは、右上の黒の
生きが確定する・生きなければいけない白石を作ることが出来る、ということでAIとしては
当然の手になるのでしょう。マスターもLZもこの切りがいい手と判断しているのですから。
一段落した段階で、右上の黒が1子を取った時点でもう勝率はなんと70%にもなっています。
AIレベルでは、ここで勝負は決まった、ということになります。
参考図3
白は、26の這いが悪手だったようです。参考図3のようにケイマが形のようです。
参考図4
2のノビを先に打つと、7・9と捨てにいくということです。なるほど。
総譜で、この後黒がどのようにして勝ったか見てみてください。白は、下辺に打ち込まなければ
ならず、結局白4カ所の石が生きるだけの手を打たされるようになって、負けが確定します。
AI恐るべし。
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