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れすぃむり るーずなーめむ

一個研究現代東北回民史之人的日常記録。

「清真先賢古墓」附属礼拝殿。

2010-10-11 17:47:46 | Gunlerimden
こんにちは。
久方振りの寄稿となります(毎回こんなことを書いてばかりですが…)。

第16回アジア競技大会が11月12日から広州で行われるよしにて、
先のオリンピック程の規模ではないにしろ、開催に向けて、
大陸であれやこれやと準備をしている、との話を、折に触れて耳にしていたのですが。
その一環として、「国外からの来賓に礼拝の場を」という趣旨から、
市内の「清真先賢古墓」に礼拝殿を造成したそうで。

市内に礼拝殿を造ろうという提案は、2004年から出ていたそうなのですが、
今年の1月になって国家文物局の批准を得て、現在地に今の形で建設することが決まったとのこと。
「預言者に派遣されて教えを伝えた教友サアド=イブン=アビー=ワッカースが眠る」
との言い伝えを持つ墓廟を中心とする墓苑に礼拝殿を立てることで、
外国への宣伝効果も大きくなるだろうと、当局側も踏んでのことなのでしょうね。
(もっとも、墓苑内に拝殿を置くことについては、教義的に問題視する立場の人もあるでしょうし、
アビー=ワッカースの埋葬場所も、マディーナにあるというのが凡そ一般的な説のようですけれど)

で、造成工事が2月から開始、9月10日に完成し、
同月13日には落成記念式典が行われたとのことです。
当日は当局者以外にも結構参加者がいたようですね。
ただ、受付のおねいさん方(写真)等々につき、「なんかなぁ」と感じていた人も居たみたいではありますが…。


この墓廟、私も過去に一度(確か2002年の春先)参観したことがありまして。
その時は、参道で夫婦と思しき外国人2人とすれ違った以外には、参観者には遇わず。
中にいた老人もランニングで石のベンチに寝っ転がったままで、
こちらの「参観させて貰いたいのだが…」にも、
「わかったわかった…」と何ともやる気のない返事をくれただけでした。
そんな人気の全く感じられない空間だからこそ、
墓中に眠っているであろう人にまつわるアレコレに思いを馳せつつ、
ゆっくり参観出来たワケでして。
「都会の喧騒の中にもこんな場所がねぇ」などと感じたものでした。

次に行く機会が出来た時には、どんな感じなっているのでしょうね。
随分ときらびやかになっているのでしょうか。
見てみたいような、見てみたくないような…。

それでは。

『回族研究』2010年第1期。

2010-08-04 22:42:35 | Gunlerimden
こんにちは。
随分と久し振りの投稿となります。

昨年度より東方書店を通じ、『回族研究』を購読していたのですが、
年度末に更新手続きを忘れていた為、
結局今年度は3期までバックナンバー扱いで個別に取り寄せることとなってしまい…。
結局先日になって漸く今年度第1期を入手しました(『回族研究』總號77期、2010年)。
御世話になった方によれば、
今次の申請による定期購読扱いは第4期から始まるらしく(-来年度第4期)、
続いて第2期・第3期の方も別個取り寄せになりそうです。あうう…。

気を取り直して、取得した雑誌の目次を以下ご案内。

【專稿】
王正偉「養育之恩 報恩之情-《中華回族愛國英才》序言」
【“慶祝寧夏伊斯蘭協會成立50周年大會”專輯】
余振貴「建設寧夏 兩世吉慶」
馬力「在自治區伊斯蘭協會成立50周年大會上的講話」
「橋梁與紐帯-熱烈慶祝寧夏伊協成立50周年」
【杜文秀“賣國説”辯誣】
林荃「杜文秀大理政權是“封建割拠政權”嗎?」
羅爾綱「杜文秀」
馬頴生「杜文秀大理農民革命政權的歴史貢献」
【杜文秀“賣國説”欄目點評】
林荃「杜文秀起義研究的新篇章」
李有智「編輯杜文秀“賣國説”欄目綴言」
王瑞康「杜文秀研究的新開端」
羌南「略評羅爾綱先生《杜文秀“賣國”説辟謬》一文」
李健彪「歴史愈辦愈明-“杜文秀‘賣國説’辯誣”有感」
馬強「從對杜文秀的汚名談歴史研究中的幾個問題」
王正儒「恢復歴史眞相 彰顕學術公心」
姚繼「杜文秀“賣國”説可以休矣-《回族研究》“杜文秀‘賣國説’辯誣” 欄目讀後」
王國傑「回族應加強研究與宣傳自己的民族英雄-讀《回族研究》“杜文秀‘賣國説’辯誣”系列論文有感」
馬經「歴史殷鑑不能忘記-讀《回族研究》“杜文秀‘賣國説’辯誣”欄目的意義」
【紀念白壽彛先生】
瞿林東「讀書、一個歴史学家的眞誠嘱咐-再談白壽彛先生談讀書」
【回族歴史】
馬明達「説劍齋回回史札二則」
翁乾麟「南寧回族源流考」
路偉東「清代陝甘回民峰値人口數分析」
【明清回族進士攷】
楊大業「明清回族進士攷略(十九)」
【中國名城名鎭伊斯蘭研究】
李興華「西安伊斯蘭研究(下)」
【了解伊斯蘭文化】
穆宏燕「伊斯蘭文化中關於詩歌與詩人地位的論爭」
賽義・候賽因・納斯爾著、任軍譯「十九世紀以來西方學界伊斯蘭哲學研究回顧」
載嘉艶「伊斯蘭施濟的人類學思考」
馬少彪、李娟「論伊斯蘭孝理念的當代価値」
張進海「在“祝賀楊懷中先生從事學術活動50周年大會”上的講話」
「賀信、賀詞、來賓發言、答謝詞、墨宝」
【回族伊斯蘭研究】
伍貽業、馬義「“金陵學派”及其他-關於“金陵學派”檢討會的召開」
王東平「北京東四眞寺“勅賜眞寺碑”考」
王建平「改和海内外孤本《先賢譜圖》考」
白草「人道主義和歴史大義-讀張承志《敬重與惜別-致日本》」
馮瑜、虎李平「西部少數民族農村傳統文化與工業化-雲南納古鎭個案研究」
哈正利「建構家族意識 拯救民族認同-急議雲南回族譜牒中的文化認同」
【書評】
楊懷中「發揚回族医學的優秀傳統-勉爲楊華祥先生《湯瓶八診療法》前綴」
朱威烈「彌足珍奇的歴史記憶-《尼羅河畔》序」
馬明賢、李青「心靈食粮的源泉 永恒不朽的傑作-馬效佩《心靈的良丹》譯者評介」

昨年に引き続き杜文秀特集が組まれていますが、
半分くらいは正直なところ、「うーん…」な感じです。
(論考というよりも論説といった方がよいモノもありますし…そもタイトルからして…)
個人的には、参加させて頂いている研究会の関係もありますけれど、
伍貽業・馬義両氏、王東平氏、王建平氏の論考は興味深く読ませて頂きました。
あと、ナスルの翻訳が掲載されているのには、一寸吃驚な半面、何か納得。
確かに中国でも受けそうな感じがしますし、同氏の研究。

私は大分遅れて入手した本期分ですが、
定期購入している機関・大学であれば、もう既に配架済みだと思いますし、
興味を持たれた方は、御覧になられてみては。

それでは。

「のーむす」?

2010-07-06 21:45:50 | Gunlerimden
こんにちは。
先の研究会参加より帰洛後、以下の本の一部を複写し、目を通しています。
千種達夫編『満洲家族制度の慣習(1)』一粒社、1954年。

同文献は「満洲国」における親族相続法立法の資料を求むべく、
同国政府司法部参事官であった著者が、1939年から45年にかけて、
数度国内の各民族の家族制度につき行った調査の結果を、
戦後に纏め、出版されたモノなのですが、
「第二部」が「回教徒の家族制度の慣習」(pp.355-542)と、
新京での回民の家族制度調査の報告に割かれておりまして。
(調査地:新京特別市長通路清真寺、調査年月日:1941年6・7月)
学部時代に一度斜め読みしたものの、「要らね」と早合点し放置していたところ、
研究会参加者の方から頂いた抜刷に文献として挙がっていたのを目にし、
改めて複写し、読み始めると、色々面白いコトが書いてあったワケで。
で、親族間の呼称や財産分与の形態といった普段余り意識しない分野のハナシを、
メモを取りつつ読んでおります。

で。
文献中当該部分は、「家」に関する記述が大分を占めているのですけれど、
「附録」として、当地回民の信仰概況についても触れられておりまして。
最初の項目「入教と出教」(入信と離教)を読んでいると、次の様な箇所が。

「…新入教者のことを「ノムスリマニー」または略して「ノムス」という。ノは新、「ムスリマニー」は回徒の意である」(p.533)

…蓋し「ノ」はnauنو、「ムスリマニー」はmusalmānمسلمانに該当し、
ペルシア語由来の言葉がトルコ語的にくっ付いたモノ、
とでも理解すべきなのでしょうが。
ホントにこんな呼称ってあったのでしょうか?
少なくとも漢字音写による事例に限るならば、寡聞にして知らないのですが…。
まあ、当時彼の地にはタタール人も可也おりましたから、
そういう呼び方が一部通行していたのかもしれませんが。
(もっとも、タタールにしたって、「新」を表す語ならyañaを使うでしょうけど。
そもそも、「改宗者」に当たる語なら他に色々ありそうだし)
そして、略称の「ノムス」となると、愈々判りません…。

次回当地へ渡る機会があれば、折に触れ向こうの方に聞いてみたいコトではありますが。
こちらを御覧になっておられる方で、当該案件につき御存知の方にも、
御教示頂けたら幸甚です。


それでは。

なわでいず…。

2010-06-16 23:41:09 | Gunlerimden
こんにちは。
備忘録代わりにというわけでもありませんが、
ここ数日の活動概況です。

〔史料のまとめ・論文〕
先日京大で複写して来た文献所載情報を纏めてデータ・文字に。
現在書いている論文に自分で課しているリミットが来月半ばなので(初稿がね)、
結構詰まっているといえば詰まっている状態ですが、
色々面白いこともわかってムフフですので、OKです♪

〔引き籠り〕
「何事も140字で論じます」的な某コミュニケーションツールには、
先月末以降ずっと自己規制で自分のアクセス制限中。
理由は上の事案。書くもの書かないと。
初稿が纏り次第、宣伝も兼ねてちょこちょこやるかも知れませんが、
当分は中途半端なhalvetを決め込む予定。

〔台湾回教〕
「終戦」後の東北回民の状況如何、という点から、
最近台湾のムスリム組織についても関心がありまして。
何とか、あちらに一度お邪魔して色々御話伺えないかとも思っているのですが。
今のところ、時間も懐も懐もままならぬ身としては、ムリであろうかと。
何とかならぬものでしょうか…。

〔教学相長〕
例によってM1の後輩1人用漢文講座を週1でやっているのですが、
教える側であるべき人間にも存外読み間違いが多いような。
(殊に初見であると)
でも、現在使っているのは高校生用のてくすとであるので、
私が高校時代使っていたモノの増補版
余りヘンな読みはして欲しくないのよ…。

と、最後は愚痴めきましたが、
ここ数日、私Divaneは、以上の様に思ったり動いたりしておりました。
報告終わり。

それでは。