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ムツゴロウさん 書類送検

2008-05-18 10:03:29 | ビジネス実用
神戸三宮 経営管理労務事務所
所長 社会保険労務士 小河美里 (登録番号第28080030号)
Presents

ニュースを見たので、今日は、予定を変えて、ムツゴロウ(畑正憲)さんの書類送検事件について、書かせて頂きます。

この事件は、詳しく内容を見ないと、勘違いをされる方がおられると思います。

要するに3ヶ月分の従業員給与を期限までに支払わなかったということで、労働基準法違反として、書類送検されたのですが、期限の1ヶ月後には、全額支払われています。

給与の遅配が慢性的におこなわれていたので、従業員が労基署(労働基準監督署)に相談に行かれて、是正勧告が出されていたのに、結局、その際の期限までに支払わなかったので、書類送検されたのです。

現時点でも支払われていなかったら、労働基準法には、懲役刑の罰則規定がありますので、逮捕されて勾留されている可能性がかなり高いでしょう。

代理人弁護士は「従業員への賃金を既に支払い終えており、労基署の見解とは相違がある。畑さんが有名人だから見せしめ的に書類送検されたのではないか。」とコメントとしておられます。

私は、確かに弁護士の仰る部分があるかと思います。行政機関がよくやることですからね。

ただ、見せしめだから、自分は大丈夫と考えられる経営者がおられたら、大変な考え違いです。
労基署は、今後、賃金の未払いに対しては、不払いだけでなく、遅配についても厳しく取り締まるぞということを世間にはっきりと示したことになります。

何回も書かせて頂いていますが、サービス残業をさせて残業代を払わないことは、純粋に給料の未払いですから、是正勧告がきた時に、「そんな大金があるわけないでしょ。」と言っても、全く交渉の余地がなくなる可能性が高いということです。

そして、「是正勧告を無視したら、刑事事件にするぞ。」と、労基署は、かなり強い姿勢を示しているのです。

民事裁判になっても、無い袖は振れぬなどと、たかをくくっておられた経営者の方も、刑事事件で、逮捕されるとなれば、話が変わってくるでしょう。

経営者の方は、サービス残業の問題について、いよいよ本気で取り組まなければいけない時代が来たようです。

-つづく-

-社会保険労務士は、サービス残業などの労務問題専門の法律家です-

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