私のような一般人がコロナ状況など世界各国の出来事をいち早くキャッチするには、NHK-BSのワールド・ニュースが一番いいと思います。
さてベトナムのダナンで、同国としては久しぶりに感染者が確認され国内に緊張が走りました[*1]。そしてついに同国では初めての死者が出てしまいました[*2]。
しかしまあ、これより数桁も多くても「減少してきた」と言えるような多くの国々と比べるとなんというレベルの違いでしょうか。これまでにもコロナとの戦いに高い成果を出している国としてコロナも国により(2)(2020/04/12)では台湾を紹介し、コロナも国により(3):感染者ゼロの国々(2020/05/02)では北朝鮮を?、コロナも国により(4):感染率は高いけど(2020/05/16)ではアイスランドを紹介してきました。WHOのトップから目の上のたんこぶ扱いされた台湾は、今ではその評価は認められ本まで出ています[*3]。
しかし実は、対コロナ戦の成果を示す複数の指標でトップを収めた国家こそ、実はベトナムだったようです[*4]。などということは、もう今日の時点ではよく知られていることかも知れません。新規感染者のピークも既に過ぎたようです。
ところで近年は人々の意識にもあまり登らなくなっていそうですが、ベトナムはれっきとした共産党一党独裁体制の国です。これは現在では、中華人民共和国、北朝鮮、キューバ、ラオス、そしてベトナムの5カ国くらいしか残っていない希少種です。希少種だけれど絶滅危惧種とはとても呼べませんが。
それゆえ強権的なロックダウンが功を奏したのだろうとの推測もありますし、その一面もありそうですが、4-a)などで現地の様子を見るに、必ずしもそう単純なものでもなさそうです。政治体制は共産主義国とはいえ、経済体制はほぼ資本主義に限りなく近くなっているというのは中国と同様で、日本との経済的結びつきも強く、日本に来ているベトナムの人たちも結構多いです。
そしてこのような国家体制にもかかわらず、国内の政治的弾圧への国際的避難がほとんどないという珍しい国でもあります。政治や国民感情ではむしろ反中国、親日、親米だと思いますが、隣接するだけに中国との貿易も多く、米中対立が今後さらに深まった場合にどう舵取りをするのか悩ましいことでしょう。
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Ref-1)
1-a) ベトナム、感染確認のダナンから観光客ら8万人退避へ(2020/07/28)
1-b) ダナンで市中感染の新型コロナ、変異型ウイルスと判明
1-c) ベトナム、3カ月ぶり市中感染 対中国境の管理強化
Ref-2) Viet JO「新型コロナ、ベトナムで初の死者 ホイアン在住の70歳男性」(2020/07/31)
Ref-3)
3-a) 野嶋剛『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか(扶桑社新書)』扶桑社(2020/07/02)
3-b) 藤重太『国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦』産経新聞出版(2020/07/31)
3-c) ニューズウィーク日本版 2020/07/21号「特集:台湾の力量」
Ref-4)
4-a) 週刊ダイヤモンドのレポート(2020/06/03)「新型コロナ対策優等生といわれるベトナム。在住日本人から見たベトナム政府の対応はどうだったか?」
4-b) Yahoo-News(「週刊新潮」2020/06/11号から)「コロナで未だ「死者ゼロ」のベトナム、感染爆発なしのアフリカ 驚きの理由とは?」
4-c) 日経ビジネス(2020/05/19)続・新型コロナ対応の優等生「ベトナム・イスラエル・コスタリカ」
4-d) 日経ビジネス(2020/04/21)新型コロナ対応の「優等生」は「台湾・韓国・ドイツ」
さてベトナムのダナンで、同国としては久しぶりに感染者が確認され国内に緊張が走りました[*1]。そしてついに同国では初めての死者が出てしまいました[*2]。
しかしまあ、これより数桁も多くても「減少してきた」と言えるような多くの国々と比べるとなんというレベルの違いでしょうか。これまでにもコロナとの戦いに高い成果を出している国としてコロナも国により(2)(2020/04/12)では台湾を紹介し、コロナも国により(3):感染者ゼロの国々(2020/05/02)では北朝鮮を?、コロナも国により(4):感染率は高いけど(2020/05/16)ではアイスランドを紹介してきました。WHOのトップから目の上のたんこぶ扱いされた台湾は、今ではその評価は認められ本まで出ています[*3]。
しかし実は、対コロナ戦の成果を示す複数の指標でトップを収めた国家こそ、実はベトナムだったようです[*4]。などということは、もう今日の時点ではよく知られていることかも知れません。新規感染者のピークも既に過ぎたようです。
ところで近年は人々の意識にもあまり登らなくなっていそうですが、ベトナムはれっきとした共産党一党独裁体制の国です。これは現在では、中華人民共和国、北朝鮮、キューバ、ラオス、そしてベトナムの5カ国くらいしか残っていない希少種です。希少種だけれど絶滅危惧種とはとても呼べませんが。
それゆえ強権的なロックダウンが功を奏したのだろうとの推測もありますし、その一面もありそうですが、4-a)などで現地の様子を見るに、必ずしもそう単純なものでもなさそうです。政治体制は共産主義国とはいえ、経済体制はほぼ資本主義に限りなく近くなっているというのは中国と同様で、日本との経済的結びつきも強く、日本に来ているベトナムの人たちも結構多いです。
そしてこのような国家体制にもかかわらず、国内の政治的弾圧への国際的避難がほとんどないという珍しい国でもあります。政治や国民感情ではむしろ反中国、親日、親米だと思いますが、隣接するだけに中国との貿易も多く、米中対立が今後さらに深まった場合にどう舵取りをするのか悩ましいことでしょう。
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Ref-1)
1-a) ベトナム、感染確認のダナンから観光客ら8万人退避へ(2020/07/28)
1-b) ダナンで市中感染の新型コロナ、変異型ウイルスと判明
1-c) ベトナム、3カ月ぶり市中感染 対中国境の管理強化
Ref-2) Viet JO「新型コロナ、ベトナムで初の死者 ホイアン在住の70歳男性」(2020/07/31)
Ref-3)
3-a) 野嶋剛『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか(扶桑社新書)』扶桑社(2020/07/02)
3-b) 藤重太『国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦』産経新聞出版(2020/07/31)
3-c) ニューズウィーク日本版 2020/07/21号「特集:台湾の力量」
Ref-4)
4-a) 週刊ダイヤモンドのレポート(2020/06/03)「新型コロナ対策優等生といわれるベトナム。在住日本人から見たベトナム政府の対応はどうだったか?」
4-b) Yahoo-News(「週刊新潮」2020/06/11号から)「コロナで未だ「死者ゼロ」のベトナム、感染爆発なしのアフリカ 驚きの理由とは?」
4-c) 日経ビジネス(2020/05/19)続・新型コロナ対応の優等生「ベトナム・イスラエル・コスタリカ」
4-d) 日経ビジネス(2020/04/21)新型コロナ対応の「優等生」は「台湾・韓国・ドイツ」
うーん、「共産主義」というと「マルクス=レーニン主義」とイコールみたいな印象があるので、「社会主義」のほうが、おそらくはしっくりくると思います。
「ベトナム」は、漢字で書くと「越南」なので、中国共産党とは距離を置いているようです。旧ソビエト連邦関連の話でいうと、ゴルバチョフさんが「日本は、世界で一番成功した社会主義国家だ」と言ったとか。
その流れでいうと、かつての日本社会党にいちばん近いのが自由民主党だったりもするのですが、日本人はバランス感覚が優れているので「一党独裁体制」をうまく避けています。
自由主義圏で、新型コロナウィルス感染症対策をうまくやっている国というと、日本がけっこう上位にきそうに思います。
だけど日本のコロナ対策もいまひとつ芯が通っていないんですよねぇ。これはアメリカとの関係があるのでしょうか、それとも国内に反対勢力がいるせいでしょうか。
ついでながら、占領下における用字制限によって、「希少」という表記が定着しているようですが、「希」を「まれ」と訓(よ)む人は少ないように思います。「まれ」は「稀少」(「まれで、すくない」)と書いてほしいと思っているんですが、そのあたりの教育改革に反対する方も多かったりするようです。
このあたり、なんとかならないのかなぁ、と思っています。