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経済破綻②97年タイ

2006-10-11 | 経済(特に韓国)


経済破綻シリーズ②タイ

 

通貨危機の構造

http://www2.e.u-tokyo.ac.jp/~miyazemi/tajiri_20010629.pdf#search='%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E9%80%9A%E8%B2%A8%E5%8D%B1%E6%A9%9F%20%E6%A7%8B%E9%80%A0'  

 

タイにおける通貨危機の発生

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タイ通貨危機発生のメカニズム

  ①「経常収支悪化」

⇒②「外資流入と不動産バブル崩壊」

⇒③「銀行一部破綻,短期資本流出」

⇒④「不安蔓延,先物市場でバーツ売り」

⇒⑤「実質的な外貨準備高不足,バーツ変動相場制へ」

⇒⑥「バーツ売り,急激な短期資本流出」

⇒⑦「IMF」

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①経常(貿易)収支悪化

<原因>

1.バーツの過大評価

  バーツは通過バスケット制をとっていたため,

  ドル高(95年)によるバーツの過大評価が発生

2.タイ経済の競争力の低下

  労働賃金上昇

  近隣諸国との競争

  産業構造転換の遅延

 

⇒貿易収支の悪化

巨額な経常収支赤字(96年,対GDP比約8%)



 

②短期外資資金の流入と

        不動産バブル崩壊

<背景>

恒常的な経常収支赤字および外資依存

⇒高金利政策(経常収支赤字を埋めるための外資導入)

⇒短期外貨資金の流入

⇒不動産バブル

⇒崩壊

⇒金融機関の不良債権問題が顕在化

⇒金融機関の一部破綻

 

③短期資本流出

①,②によりタイ経済の信頼が低下。

外貨貸出規制が引き金となって短期資本の流出が起きた。

 

※外貨短期借入残高は当時GDPの20%以上に達していたといわれている。

 

④バーツ売り

銀行破綻や短期証券流出,各種指標の悪化が海外投資家の不安をあおる。

 

⑤フロート制への移行

<原因> 

1.市場介入による外貨準備金不足

タイ中央銀行によるバーツ防衛策として,市場介入を行った。この市場介入のために、外貨準備高の1割以上となる40億バーツを失った。

2.苦しい金融政策

資金流入減少による国内マーケット金利の上昇,バーツ価値維持のための高金利政策など苦しい金融政策を続けざるを得なかった。

さらに,一時的なバーツの買い支えでは内外投資家の信用を取り戻す事はできなかった。

手詰まりになった金融政策・大きく失った外貨準備によってタイはバーツの買い支えを断念し、ついにバーツの管理フロート制への為替制度の移行へと踏み切る。

↓ 

⑥タイバーツ下落

⑦IMF


 

タイ寺院

タイの危機から得られた教訓

そして銀行部門のバランスシートの資産にぜい弱な現地通貨建ての長期債権があり、負債にドル建ての短期債務があると、ドル建て債務の返済能力への不信から急激に資本が流出する新型(21世紀型という)の通貨危機の可能性が高まる。

 

 

※メキシコ通貨危機との類似

タイにおいては,金融機関の破綻や投機資金の動きも要因となったが,基本的にはマクロ経済状況の悪化が主因となって通貨危機を呼んだ。この点,メキシコの94年末の通貨危機との類似性を指摘できる。ただし,メキシコで政府が外国から多く借金をしたのに対し、タイでは民間の銀行の対外債務が多かった点で両者は異なる。 

メキシコ通貨危機

1994年12月20日、ドルに対する固定性をとっていたメキシコは、通貨ペソを約15%切り下げた

切り下げが予想外だった分、市場の驚きは大きく、外国への急激な資本流出を招いた。

2日後には、早くも新レベルを維持できなくなって変動制に移行した。

1週間でペソの価値は半減した。

 

これがメキシコ通貨危機である。

同国は危機発生前の10ヶ月間、外貨準備高を発表せず、慌てた投資家が推計してみると、ドルの価値に連動している政府短期証券を償還するだけの外貨準備がなさそうだということが、わかった。

外貨準備が枯渇する前にペソ資産を売ってドルに換金しようという動きが一気に広がった。

92~93年に、メキシコの経常収支赤字はGDP (国内総生産)の8%に達していたが、それを上回る資本流入があったので外貨準備は逆に増えていた。

ところが、94年初めから資本流入が減り始め、外貨準備も減少に転じていた。

同国の危機の原因は、ドル連動(ペッグ)制でドル高時に自国通貨も高くなって貿易赤字が拡大したうえ、財政赤字の多くを逃げ足の早い外国投資家の資金で穴埋めしていたことだった。

 

 

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