日経ビジネスオンラインに次のような記事が載っていました。
日本のこと、好きですか?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070227/119823/?P=2
●いい評論じゃないけど●
この評論,話のもってきかたに若干の強引さを感じます。ピントがずれている気がする。結論部分もなんだかとってつけたような感があるし,言葉のすり替えも気になる。
全体としては,結論ありき,というか最近の「日本ブーム」というテーマで無理やり話をつなげていったという感じがします。一言でいって,いい評論ではないと思います。
(もともと日経ビジネスオンラインの評論は,なんだかなあ,というのが多い)
それでも,テーマである「日本ブーム」が起きているということと,02年あたりから日本が変わり始めた,という指摘にはうなずけるものがあります。
例えば,このところ毎年「さくら」の歌がヒットしています。雑誌か何かで桜をテーマにした楽曲が昔はあまりないことを知ってちょっとひっかりを感じたことがありました。
●日本ブームー日本の変化●
評者は02年に風が変わり始めた,と指摘しています。
おそらく,多くの人がこの頃日本の変化に気付き始めたのではないでしょうか。
私が最初に日本の変化に気付いたのは,98年の北朝鮮ミサイル発射。北朝鮮非難決議に国会の全議員が賛成したことです。それから,江沢民の来日時の反日発言への反発。そして何よりも,小泉氏を国民の多くが支持したことでしょう。
あの当時,日本人の多くは大変な焦りを感じていました。多くの人がこのままでは日本は駄目になる,と感じていました。日本の将来のために日本が変化する必要を感じていました。そのためには目先の苦労は厭わない,と考える人が多く存在しました。
ベースとしてバブルが引き起こした大不況や,神戸震災,オウム,政治の駄目さ加減(村山政権とか,河野談話とか)は国民に強い閉塞感を与えていました。年金がもらえないかもしれない,子供を産んでも満足に育てられない等,強い不安が日本中に充満していました。
また,02年WCは日本人の特に若い人たちにマスコミの欺まん性を教えた,という点で有意義なイベントでした。もちろん,日本の隣にありえない程醜い人たちが存在する,という驚きを日本人に教えたことも,日本再発見のためになったのかもしれません。
さらに大きく見れば,冷戦の崩壊は我々に歴史は変わる,ということを教えてくれました。更に,21世紀に入った途端に2001年同時テロ。大きなうねりが世界中に起きていることを我々は否が応でも知らざるを得ませんでした。冷戦崩壊後,世界はグローバリズムとともにローカライズドされる,といわれていました。冷戦の名のもとに,宗教とか地方とか民族とかが押さえられていたからです。くびきがとれたので,そうした問題が噴出してくるのは自明のことでした。
自分たちの周りにある不安・不満・危険・・・そうしたネガティブなことが私たちに主体性を与えたのでしょう。あの頃イチローがテレビで言ってました。「変わらなきゃ」。
そうした中での「日本ブーム」です。これをどういう風に捉えればいいのでしょうか。主体的に問題解決を図ろうと足元を見直したら,そこに日本があったということなのでしょうか。或いは,ある種の防衛本能として,日本回帰がおこった,ということなのでしょうか。
いずれにせよ,日本ブームが起こったその背景に時代の波があると私は感じています。
●日本と欧米のポジションチェンジ●
ただ,私のこじつけのような分析でなくても,日本のポジションが相対的にも絶対的にも向上しているのは確かです。
例えば,私はゴロワーズというタバコを80年頃に初めて吸いました。先輩のヨーロッパ旅行土産としてです。ただの1箱でしたが,それだけで私は強くフランスを感じました。舶来品信仰が色濃く残っていました。
あの当時ですと,車はゴルフがステータスでした。赤いゴルフにBBKのメッシュホィールを付け,サーフボードをのっける,というのが大変カッコのいいファッションでした。
私の友人のお父さんがシトローエンを買う,と聞いた時はまるで宇宙人の話のように感じました。
それが,バブル全盛期にはBM3シリーズは六本木カローラとまでいわれ,190ベンツは小ベンツ。円高の影響もあり,舶来品の多くがその実際の価格も,ブランド価値もものすごく値崩れしていきました。
※85年頃は1年で1ドル250円程度が150円くらいにまで円高になる。その後,円高は80円まで進行する。
1970年代は洋楽の時代です。邦楽との差は圧倒的でした。しかし,現在は洋楽との差はあまりあるとはいえません。場合によっては邦楽のほうがレベルが高いときもあります。
野茂が大リーグに挑戦したときは,まるでアポロ計画のようでした。大リーグは多くの日本人にとっては月か火星での出来事でした。ところが野茂が大活躍。その後,日本人プレイヤーの活躍は皆さん知るところ。
他にもこのような例はたくさん挙げることができます。かつて圧倒的な差があると思っていた欧米との差がいつの間にかなくなっていたか,或いは逆転していました。
しかも,日本には隣近所に反面教師のお手本のような国がいくつかあります。私たちは彼らの日常に接し,彼らの醜さに驚く毎日です。
私たちは,実は結構日本はやる,ということを知り始めています。そして,欧米を含めて,外国はむしろネガティブな印象をもたらす場合が多い,ということも目の当たりにしています。
日本は絶対的にも相対的にも位相を上げているのは確かです。だから,日本ブームというよりは,いいものを探せば自然と日本に行き着く,ということがあるのかもしれません。
●平成維新●
それにしても,お隣の国と比べるとなんたる格差。我々は危機に際して日本ブームが起こる。お隣は,国を捨てる。私が日本人を誇りに感じる瞬間です。このあたりが日本の不思議なところかもしれません。もっと言えば,日本の厚みを感じるところです。
かつて,金美麗氏が「日本は遅々として変わる」という表現をしたことがあります。日本という国は太古から現在に至るまでリニアに変化してきました。それは,お隣の国々がつい最近まで1000年変わらない風であったこととは対照的です。
日本は改良が得意な国であることは自他ともに認めています。それは工業製品だけではありません。日本自体が改良を重ねてきた国なのです。
ただ,日本は非常に高度で複雑な国になっていますので,目先の改良ではなかなか効果があらわれません。急激なスクラップ&ビルドを好む国でもありません。しかし,地道に改良を続けているのでしょう。それが,何かのきっかけで劇的に効果が表れます。今まで何の脈略も無かったことが急に有機的に結びつき始めるのです。時代精神といってもいいのかもしれません。
例えば,明治維新。各国が日本の明治維新を研究します。そのとおりに施策をしたとしても,まず日本のような成功を得られるわけではありません。彼らには江戸時代がないからです。
しかも,日本人の特徴として,危機にかなり強い。危機感をばねに日本を大きく作り変えてきました。
90年代,いろいろな人が第2の明治維新を,と説いていました。私はその頃よく大前研一氏の著作を読んでいました。彼の本に「平成維新」というのがあります。私は90年代,日本に相当な苛立ちを感じていました。平成維新を望んでいました。それは多くの人に共通する感覚だったと思います。確かに,90年代は敗戦以来の国体の危機だったかもしれません。
それがここにきて急速に日本の至るところで変化の兆しが表に出始めています。憲法改正論議などその典型でしょう。ちょっと前ならまるで考えられません。
インターネットの影響も見逃せません。ネットは日本人の意識の変化を加速させています。5年前までは韓国のことを人前でどうこういうと変な目で見られました。中国はすごく反日らしいぞ,と言っても納得してもらえませんでした。サピオは極右雑誌(笑)でした。
日本ブームが起きた,というよりもその背景にある日本人の考え方に劇的な変化がおきているのだと思います。明治維新,敗戦に匹敵するような波が今日本を覆っていると私は感じています。
不況の中、イチローの「変わらなきゃ。」
何をどういう風にかはわからないけど、そういう圧迫感にとらわれていた時期がありました。
たぶん主に「日本式じゃ駄目だ。欧米式だ」みたいな感じではないでしょうか。終身雇用制が悪のように言われてたし、政治の混乱もすごかったっですよね。何人総理が短期間に変わったことか・・。
経済は色んな要因がありますが、思想・風潮がかわった主な要因はネットだと思います。
今まで信頼していたマスコミが実は・・とばれたのも大きいですね。もう今までのような「盲目の子羊」ではなくなったため、マスコミその他の扇動が効かなくなってます。未だにそれに気づかず「プレイバック90年代」の調子で煽ってるマスコミも多々ありますが・・。
結局自分なのだ・・とわかったような気がします。国でいえば「結局日本だ」と。
自分を助けるのは親でも先生でもなく自分しかいないし、日本を助けるのはアメリカではなく日本人しかありえない、という基本に気づいたのだと思います。
特に最近、慰安婦関連でつくづく「自分の安保は自分で考えるってことか」と思います。そういう意味で米はとんでもないミスを犯したなあと思うのです。
・・まとまらない長文、すみません。
さひろ様>いいことおっしゃいますね。ピンポンて感じです。まさしく,このところの日本や日本人の動きは「自分で」ということなんでしょう。
それを加速させるネットの存在は大きいですよね。昔なら,新聞読んで図書館かどこかで調べ物をして,という形でしたが,今はほとんどネットで事が足ります。
情報を独占していたマスコミはもう古い媒体になっていて,凋落が激しいのですが,中にいる人たちはどの程度実感しているのでしょうか。わかっていてもしがみつくしかない,ということなのでしょうか。
今後もよろしくお願い致します。
ここをお腹の中にしっかり持つようになりました。
軍備は必要です。自分の国を守るのは、自国民であるべきです。
コレでもバリバリの日教組教師に教育されたんですけどね。
例えば、二度に渡って、核を求めていたし、同じ日本人同士で殺し合っていた時期もありました。
自分の事は棚に上げて、どの面下げて同盟国や近隣諸国を批判する資格があるのでしょうか?
人の振り見て、我が振り直せとは私達自身の事を言うのではないのでしょうか?