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韓国企業,営業利益よりも純利益が大きくなる仕組み

2007-03-15 | 経済(特に韓国)


韓国大企業の不思議 

●営業利益よりも純利益が大きくなる仕組み●


韓国の大企業は,営業利益よりも純利益の方が大きくなります。営業利益が赤字でも純利益だと黒字である,という不思議なことが起こります。

これについて,ネットではみんな不思議がるのですが,その理由についての解説を私は目にしたことがありませんでした。

日本では,営業利益よりも純利益が大きくなる場合,営業外利益が入ってきたと理解されると思います。つまり,土地を売ったとか,株で儲けたとか本業以外のところで儲けた場合ですね。

韓国人にそのような財テクの才覚があるのではなく,からくりはこのように推測されています。


①政府から補助金が入ってくる


日本では,企業は黒字を出せばがっぽり国に税金を納めなくてはなりません。ところが,韓国では税金どころか国から補助金が入ってくるというのです。本当ならおそろしく巨額な額になります。

韓国企業は,国内ではぼったくりのような値段をつけて製品を売っています。

例えば,車ですと,アメリカに輸出した車を韓国に逆輸入したほうが,韓国で売り出されている同形式の車より安くなります。サムソン製品でも日本の価格は韓国の価格の半分近いまるでバッタモン商品のような値段がついていたりします。

韓国企業は自国民から搾取して,その利益で外国にダンピングした穴埋めをしているわけです。これに加えて,国民が国に払った税金から各企業に補助金がばら撒かれるわけです。

韓国民は二重に企業により搾取されていることになります。

ただ,韓国製品の搾取価格ははっきりしていますが,政府からの補助金についてはソースを目にしたことはありません。あくまで噂です。

いくらなんでも,それはないだろうとは思うのですが,一方で韓国だから,の一言で納得する自分もいます。ネットでは「戻り税金」という名がつけられ,ほとんど事実のように語られています。


②循環出資の仕組みをつかった配当金(利益)の水増 


韓国はやたら財閥が多い。その理由は,系列間の債務保証と循環出資です。

系列間の債務保証は,系列内の信用のある会社が信用のない会社の債務を保証するシステム。別段,悪いシステムとは思いません。

しかし,相互債務保証をどんどん重ねていった結果,借金⇒投資⇒借金⇒投資のループがとまらなくなり,それが通貨危機につながったという痛い反省がありました。そこで,系列企業間の債務保証は禁止されました。

しかし,財閥のもう一つの支配構造である循環出資はそのまま存続しました。循環出資とは,系列各社が株の持合をすること。少ない資金で経営権を確保できるメリットがあります。

通貨危機以降創業者の持ち株比率がどんどん低下しているにも関わらず,財閥支配を維持できる秘密がここにあります(でも,多分彼等は既に支配権を相当外国に売り渡していると私は感じています)。

循環出資は世界各地で見られる支配形式です。日本でもバブル以前は多くのグループ企業が循環出資によって支配権を確保していたといいます。

しかし,どうしても系列が内向きになり,秘密主義に陥りがちです。また,株を系列間で持ち合えば,配当のことをあまり考えなくてすみますので,外部の株主に対する配慮がかけるようになります。そこで日本では循環出資をやめて持ち株会社制度に移行しました。

この循環出資には,上記以外にこのような欠点があります。

①中核企業の破綻はそのまま系列の破綻につながる
②そうでなくても,系列内のある会社の経営危機がそのまま系列間の株価に影響する
③株の持ち合いによる子会社からの配当金で帳簿を操作できる
④一般的にM&Aに強いとされる循環出資だが,中核企業のM&Aに成功すれば,数少ない資金でグループを支配できる。03年のモナコのヘッジファンドによるS&K買収計画はその点をついたとされる。

この3番目の問題点が,純利益が営業利益を上回る理由の一つになっているようです。



●おかしな政府の思惑●


なお,現在韓国政府は循環出資を廃止して持ち株会社制度に移行したいようです。この政策は,財閥の支配構造を打破するためのものです。各財閥は引き続き支配権を確保したいならば莫大な資金を追加しなくてはなりません。財閥を維持することが難しくなるわけです。(上記の表及び下記記事参照)。

表向きは前近代的な企業環境をアメリカ型のもっとドライなものにしたいという政府の思惑があるのでしょう。もともと,財閥解体は金大中の悲願。金大中を受け継いだノムヒョンは自分の信念に基づいて政策を実行しようとしているつもりなのでしょう。多分。私はノムヒョンに財閥=金持ちに対する憎しみがある,と想像していますが。

しかし,この人の特に経済政策はまるで方向違いのことが多い。この政策は誰が立案したかわかりません。単純に日本に右ならえしたのかもしれません。しかし,財閥解体⇒株価低迷⇒ハゲのあさり場,という流れになるのではないでしょうか。しかも,この大変な時期にするべき政策ではないでしょう。まさしく売国の政策

もっとも,韓国人も韓国企業も脱韓国の流れにあります。みんな韓国を見捨てつつあるのですから,韓国がどうなろうと知ったこっちゃないのかもしれません。



●創業者一族と外資の関係●


S&Kの買収騒動を見れば明らかなように,必ずしも循環出資はM&Aに強いわけではありません(多分)。やっぱり,金を持っているのが強い,という当たり前の原則に行き着くと思うのです。従って,循環出資による支配構造とか言われても,既に創業者はかなりの支配権を外資に譲り渡しているのではないか,と想像しています。

それでも,韓国企業は創業者の発言がすごく全面に出ています。これは,半分は彼等は単なるスポークスマンとしてのポジションにいるのではないか+外資が全面に出るデメリットを勘案しているからではないか,という想像を私はしています。

そもそも外資にとっては韓国は本丸ではありませんし,基本的には儲かればいいというスタンスだと思いますので。外資は経営に興味はないし,全面に出るとやっかいだ,とでも思っているのでしょう。

全面に出ると,ローンスター問題のように,「国民感情」が火を噴きます。そうすると,まるで前近代のような光景が繰り広げられるのです。この国民感情という言葉,私には大変気持ち悪い言葉です。

いずれにしても,外資に長期的な視野はありません。そうじゃなければ,20%などというほとんどジャンク債のような配当はしません。まあ,ていのいい植民地です。韓国の銀行や多くの大企業は過半数の株式を外資に握られています。

ここからは,本当に邪推ですが,持ち株会社というのは戦前の日本の財閥支配構造。日本の場合は企業が成熟してきたので大丈夫だろうということで持ち株会社制度を導入しました。しかし,韓国の場合は,新植民地ステージ2に移行しようとしているのかもしれません。



http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/11/07/20061107000059.html


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3 コメント

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Unknown (北の荒ぶる蝦夷(えみし))
2007-03-15 13:09:48
 IMF危機から立ち直った頃の韓国の事を、日本の経済誌などは「韓国を見習え」「サムソンに見る日本経済立ち直りのヒント」などと賑やかしく書き捲くっていた頃が懐かしいですね。

しかし、国内企業の為に奴隷経済やって、次に待っているのが禿げによる経済植民地ですか・・・・あーヤダヤダ。
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Unknown (DEBUO)
2007-03-16 04:36:38
いま,サムスンの変な点に関して投稿準備中です。
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Unknown (Unknown)
2007-03-16 10:57:48
たしか韓国の財閥は海外子会社の利益を配当、パテントなどである特定の会社に集中させていると聞きました。
当然損失は別会社に飛ばしは当たり前です。

ソースはネットでみたでケチャンナヨ。
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