通貨安定証券
おそらく，韓国財政の最大の欺瞞が通貨安定証券です。韓国ウォッチャーにはお馴染みです。
通貨安定証券は形をかえた国債。韓国銀行が発行します。政府以外に国債を発行するわけですから，韓国には政府が二つあることになります。
また，この国債は対外債務に繰り込まれません。その額２０兆円。現在の対外債務とあわせると５０兆円の対外債務があることになり，ほぼ韓国のGDPの半分に匹敵することになります。
対外債務に組み込んだ瞬間に純債務国に転落，政府が破綻すると言われています。
しかし，通貨安定証券の利子だけでも８０００億円程度毎年支払うことになり，そのせいで中央銀行のくせに赤字を計上しています。これは世界で唯一とされています。
通貨安定証券のような仕組みは世界各地の中央銀行に見られるかもしれません。しかし，少なくとも先進国ではありえないし，ましてや中央銀行が赤字になるまでの運用はどこの中央銀行でもできなかったのでしょう。
仮に中央銀行世界サミットがあれば，韓国の当局者は恥ずかしくて出席できないほどです。もっとも，これで恥ずかしさを感じるようでしたら，立派な韓国人にはなれないのでしょうが（なりたくありませんが）。
上の表は多分，通貨安定証券の増減。韓国銀行のHPから拾ってきましたが，何せ難しい経済用語，しかも英語。間違ってたらどうかお許しの程を。
通貨安定証券はもともとIMFがらみで国債発行額にしばりがかけられていて，困った政府が使い始めた技だと推測しています。IMFにスルーされたことをいいことに，ノムヒョンになってからより積極的にこの仕組みを使い始めたと。
ところが国会で追求されるようになり，また，中央銀行の赤字につながったため，現在では積極的に使わないようにしているようです。ここ２年ほどさほど額が上昇していません。
この表を見て，私は修正が必要であることに気付きました。過去の投稿で，通貨安定証券で金を借りてそれで返済に充てている，ということを述べたことがあります。ソースは「ネットで見た」。
しかし，昨年度ですと，年始から最高約９０００billｗ程度しか額が上昇していません。約１０億ドルです。昨年借りた短期債務は５００億ドル前後。通貨安定証券はほとんど短期債務借入に影響を与えていないことがわかります。それに，年末にかけて返済してますし。
従って，通貨安定証券を短期債務返済のために使っているという見方は非常に怪しい。韓国に関する物言いには虚実入り混じっていますので気をつけたいものです。
