DAWN BREAKER weblog~from Dusk till Dawnbreak~

ジャンル不問の音楽にまつわる独白集。
いわば「音楽百物語」。

三津田信三「厭魅の如き憑くもの」

2006-12-29 02:11:05 | book
今年の話題作だったのに、いままで買ったまま読んでいなくて、ようやくここ数日の電車通勤中に読み終えた。

本格ミステリーとホラーの融合みたいなことを謳っているが、確かにその通り。
安直な表現だが、まさしく「一粒で二度美味しい」作品であり、とても楽しめた。

全編にわたって維持されるホラー特有の緊張感は見事。
そして、最終章における推理の波状攻撃はなかなかスリリングだった。
ネタバレはまずいので詳しくは書かないが、当該箇所を今の時節のもので喩えるなら、ベートーヴェン「第九」の第4楽章における「主題の回想と否定」やね。

トリックそのものには新味はないけど、意味わからんマスターベーション的な本格ものよりも、はるかに良いと思った次第。
ということで、少し前に書いた今年のベストを訂正しておきます。


毎日仕事で、年の瀬の実感ゼロ。
今日が何曜日かもわからない。
少しでも年の瀬の雰囲気を味わうべく、第九でも聴きますか…。
ちょうどケーゲルの第九ライヴが届いたところだし♪







最新の画像もっと見る