DAWN BREAKER weblog~from Dusk till Dawnbreak~

ジャンル不問の音楽にまつわる独白集。
いわば「音楽百物語」。

KRUX 「Ⅱ」

2007-01-23 03:14:23 | Weblog
CELTIC FROSTはドゥーミーでヘヴィだった、ということで、今日はこのアルバム。

CANDLEMASSのBaでメインソン・グライターであるLeif Edling率いるエピック・ドゥームメタル・バンドのセカンド。Voは元YNGWIE MALMSTEENとして有名なMats Levin(要はABSTRAKT ALGEBRA人脈だな)、ギターとドラムは元ENTOMBEDと現ENTOMBEDという錚々たる面々。すぐれたソングライターの元に本物の人たちが集まるとかくも凄いものができあがるのだなという見本。率直に言って、KRUXはここ数年での数少ないフェイバリット・バンドの一つだ。

とにかく2002年に出たファーストアルバム「KRUX」がすばらしかった。当然と言えば当然なのだが、CANDLEMASS系のメロディアスでダーク、そしてとてつもなくヘヴィなサウンド。ヘヴィと言っても、鈍重な感じではなく、ロックとしてのパワーやインパクトも発散している。さすがLeif Edling!いかにもLeif Edling!と思わせる佳曲がテンションを落とすことなく最後まで続き、クオリティは超高い。Mats LevinのVoもすばらしい。私のi Podに常に入っていた数少ないアルバムだった。

で、今回のセカンドもさらにすばらしい出来だ。メロディアス度ではファーストに僅差で軍配が上がるものの、セカンドではより緊張感と凄みが増している。本物のみが放ちうる凄みが伝わってきて、聴いていて鳥肌が立つところが何回もある。私はこんな音楽に出会いたくて日々音楽を追い求めているのだ、と言っても過言ではない。

レイドバックしたサイケなドゥームの方が興隆している中で、こういうエピック・ドームの神髄みたいなアルバムを聴かされると、エピック・ドゥーム好きの私としては、うれしさを通り越して、ただただひれ伏すのみ。
Messiah Marcolinが復活したCAMDLEMASSの最新作もよかったが、個人的にはKRUXの方が上だと思う。

なお、ファーストの頃のライヴDVDが出ている。Matsが短髪でフツーのにいちゃんみたいだが、ライヴ自体はなかなかかっこいい。


WONGRAVEN「FJELLTRONEN」

2007-01-22 15:02:00 | CD
一つ前の記事のコメントで、のじーさんが言及して下さっている、SATYRICONのSatyrによるプロジェクトWONGRAVENのアルバム・ジャケを載せておきます。
ジャケの絵についても説明して下さっているので、どうぞ御参照下さい。

キーボードとSatyrのチャントや呪文?で構成される、シンフォニックなアトモスフェリック・ミュージック(95年作)。
前年の94年に元EMPERORのMORTIISがキーボード・オーケストレーションのみのアルバムを発表し、ブラックメタル・ファンを驚かせたが、このアルバムはそれに続いてシーンに登場した。MORTIISが以後コンスタントに作品を発表したのに対して、WONGRAVENはこの一枚しかないこともあってか、いまやあまり注目されることもないようだ。
しかし、個人的にはWONGRAVENの方が好みだった(勿論、MORTIISも好きですよ)。MORTIISが壮大ながらも繰り返しの多いサウンドなのに対して、WONGRAVENはこれでもかと言わんばかりの展開美を見せる。しかも、ダークで、妖しくて、荘厳なメロディと雰囲気が満載で、「これはホンマモンや~」と聴いていて仰天したことを覚えている。
途中(13分すぎあたり)でSatyrが呪文のようなものを唱え出すところは、おしっこちびりそうになりました。実際にちびる人もいるかも知れません。

さあ、SATYRICON好きの皆様、Satyrによる芸術作品とでも言うべきこのアルバムを早くゲットして下さい!
メタルじゃないからいらないや…なんて、まさか言いませんよね??





STORM「Nordavind」

2007-01-20 05:06:23 | CD
SATYRICONのライヴを見て、引っ張り出してきました。

SATYRICONのSatyr、DARKTHRONEのFenriz、そして当時The 3rd and the Mortalの歌姫だったKariによる、トラッド・メタル・アルバム。
ノルウェーのトラッド/フォークをアレンジしたものや、それっぽいメロディ全開のオリジナルが収録されている。
1994年の制作で、ヴァイキング・メタルの走りとも言えるが、当時こんなことをしている連中はあまりいなかった。
(当時ヴァイキングメタルと呼ばれていたENSLAVEDなんかも、ブラックメタルと大差ないサウンドだったし…。)
個人的には、当時かなり衝撃を受けたアルバムだったし、何よりもノルウェー人脈の密接さと連中の音楽性の幅広さに仰天した。

しかし、すごいメンツでしょ?
まあ、FenrizはソロプロジェクトのISENGARDでもこの方向性を実践していたし、KariもThe 3rd…脱退後のソロ活動ではトラッドっぽいアルバムを制作していた。
Satyrにしても、SATYRICONのセカンド(超名盤!)なんかとこのアルバムとでは、メロディの点でかなりの共通性がある。
要はみんなに共通した音楽的背景を音にしたって訳だな。

ヴァイキングメタル好きは必聴。
メンツもメンツで、歴史的にも重要なアルバムだから、ブラックメタル好きも必携でしょ。
買えるうちに買っておいたら?


余談。
携帯を機種変更しました。
Softbank、意味わからんぞ!
それはともかく、メモリカードも買って、初めて着うたフルというのをやってみました。
すごいねえ、全部入ってるやん。
目覚まし用に、IRON MAIDENの「Aces High(撃墜王の孤独)」、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」、エンヤの「Carribean Blue」をダウンロードしました。
こんなところまで分裂しているでしょう???






CELTIC FROSTがついに…

2007-01-19 00:39:30 | concert
EXTREME THE DOJO Vol.16(大阪公演)に行って参りました。
最近は仕事が深夜に及ぶため、ライブは久々。
おっさんの体力には、四時間以上の長丁場は疲れました。
が、CELTIC FROSTはやはり見ないとね。
私の音楽人生、いや人生そのものを変えたバンドですからね。
今回は仕事がたまたま休みだったんで行けたんですが、これも運命か?

まずは、NAGLFAR。
かつてデモテープでRIP-OFFされたのは遠い昔…前回の来日の際は見られなかったので、今回ようやく生で見られたこと自体がうれしかった。
演奏については、リズムはタイトでよかったんだが、ギターの細かい刻みが音になってなくて聞き取れなかったのが残念。
ミックスのせいかもしれないけど、これは改善しないと致命的なものになりかねない。
一方、うれしかったのは、1st「VITTRA」から超名曲①を演奏したこと。
「VITTRA」は、私がメロデスの中で最も好きなアルバムの一つ。
超カッコいいアルバムなので、未聴の人は他のアルバムよりもまずこれを聴きましょう。
(他のもカッコいいアルバムだし好きだけど、やっぱり1stは別格やな。)

続いてSATYRICON。
サポートメンバーのGt×2、Ba、Key(女性)が帯同。
チリチリしたギター、ズコボコしたドラムなど、ちゃんとブラックメタルの音がしているのがうれしい。
演奏は決してうまくはないし、素人くささもプンプンするが、それもブラックメタルらしいからそれでいい。
激しいヘドバンもgood。
それにしても、SatyrのVoはさすがにカッコいい。本物のブラックメタルVoだ。
新作はギターリフを中心に据えたメタルアルバムだったが、ライブ向きですね。
なかなか楽しめました。
ラストは「Mother North」で、このドラマティックな名曲も聴けてよかったですね。
SatyrのアクションやMCでの礼儀正しさもよかったが、客の煽り方が80年代的なのが微笑ましかった。


最後にCELTIC FROST。
まずは白塗りしているのに吃驚。
まあ、最初に塗りだした人たちですから、パクリではないですけれども…いまさら…。

サウンドはダウンチューニングのモダンな音づくりで、やたらにヘヴィでドゥーミー。
これが現在のCELTIC FROSTが採用した方向性なのだろう。
まあ、現代のミュージックシーンで勝負しようという姿勢の表れと評価しておきたい。
一方、「Procreation(of the Wicked)」「The Usurper」「Dethroned Emperor」「Into The Crypts of Rays」など、「MORBOD TALES」や「TO MEGA THERION」収録の歴史的名曲は期待通り演奏された。
これらが本人たちによる生演奏で聴けるとは…。
20年以上待ってようやくの邂逅…素直にうれしかったです!
しかし、超名曲を生で聴くとやはり震えますな~。
どヘヴィなサウンドとはいえ、速いパートの疾走感はやはりCELTIC FROSTならではのもの。
久々に前に行って暴れたい衝動にも駆られましたよ。
また、「Dawn of Megiddo」や「Necromantical Screams」といった隠れた名曲が演奏されたのもうれしかったなあ。

でも、これらに比べると、新曲はやはり聴き劣りしますね。
リフが違うんだな、リフが。
彼ら特有のフックのあるリフ、これがすべてです。
新作ではそれが影を潜めているのですよね…。
(90年代の後半にトムがやっていたAPOLLYON SUNでは、音楽性は異なるものの、そこそこいい曲を書いていたのに…。)

ちょっとビジュアル面でキツイのは仕方ないでしょう。
(もういい年だろうし、相変わらずTomはちっちゃいし、Ericはデブになってるし…。)
でも、音的には本気の勝負をしていて、貫禄・迫力ともに十分だったから、聴けてよかったと素直に思えました。
大好きな「INTO THE PANDEMONIUM」や「VANITY/NEMESIS」といったアルバムからも聴きたかったけどね。


当日、会場では一人でぼーっとしていたのですが、元W堂のM井さんに声をかけていただきました。
お会いするのは数年ぶり…ってか、W堂が消滅してから初めてです。
知る人ぞ知る、国内外問わずメタルの歴史の生き証人。
いまは音楽関係ではないお仕事をされているとのことですが、相変わらずのメタルへの愛溢れるお話をうかがい、楽しく有意義な時間を過ごすことができました。
大好きなNOVELAの話もできたし♪
M井さん、ありがとうございました。


最後に一つだけ。
CELTIC FROSTが始まる前、背後から恐るべき会話が聞こえてきた。
「せっかくやし、どんなんか一曲だけ聴いていこ」
「うん。でも、早くいって串カツ食べよ」
若いにーちゃん二人。
どうやら、SATYRICON目当ての客らしい。
あのなー、CELTIC FROSTは、ブラックメタル、デスメタル、ゴシックメタルを発明した人たちなんだがねえ…。
CELTIC FROSTがいなかったら、SATYRICONもNAGLFARもへったくれもなかったんだがねえ…。
そういう人たちがついに来日公演を行う…そんな歴史的事件に立ち会わんでどうする??
歴史を無視する者はメタルを聴く資格はありません。
串カツの串で目ん玉刺して死んで下さい。

これも最近の学校教育が歴史をおろそかにしている影響なのか?




直木賞に思う

2007-01-17 03:50:08 | book
第136回直木賞は「該当なし」だとよ。
確かにこれだ!という作品がなかったから、地味なレースだなあとは思っていたけど…。
コンスタントに佳作を発表している北村薫か荻原浩にあげればいいじゃん。
まあ、そもそも選考委員に●フォが混じっているから、賞をとることが純粋にすごいことだとは思わないけど。
でも、好きな作家さんが直木賞をとって、その本が(受賞作だけでなく他の作品も)よく売れることは、いいことだと思うから。

上記の●フォな選考委員というのは有名な話だから、私がわざわざ語ることではないけど、知らない人はこちらを参考にして下さい。

●フォな選評ばかり書く人♀(本当に見識がない●フォ。このページから大森望のサイトの記事→asahi.comの記事とさかのぼっていってほしい。)

作品を読まずに選考会に臨む人♂(こんな罪人は流刑にしてまえ。)

AMORPHIS「ECLIPSE」

2007-01-15 04:19:37 | CD
AMORPHIS、大好き。
どのアルバムも好き。

とにかく、4th「TOUNELA」以降、メロデスじゃなくなったとか、プログレっぽくなっただとか言われて、人気が落ちた。
ジャンルの(狭い)枠からはみ出ると、とたんに興味をなくすのは日本のリスナーの悪いクセだ。

日本のファンの中では地味な存在となっている4th「TOUNELA」も5th「AM UNIVERSUM」も、個人的には大好きなアルバムだ。
いずれもロックの伝統に根差した深みのある作品であり、メロデスじゃないからと言って敬遠しだした人たちの音楽観は理解できない。

6th「FAR FROM THE SUN」では以前のスタイルに戻ったとも言われたが、それでも再ブレイクというわけにはいかなかった。
勿論、トラッド色の強い良質のメロディが炸裂するこのアルバムも私は大好きだ。
一曲目とかすごいやん。
でも、これもメロデスという狭い概念ではくくれないアルバムだろ?

まあ、AMORPHISは当初からメロデスの枠には収まりきらないバンドだったけどね。
スウェーデンのバンドなんかとは明らかにスタイルを異にしていたし、個性的だった。
2nd「TALES OF THE THOUSAND LAKES」を初めて聴いたときの強烈なインパクトと「なんじゃこりゃ?」という妙な違和感はいまだに記憶に鮮明に残っている。
こういうバンドが出てくるのがフィンランドなんだなあ。

で、昨年出た7th「ECLIPSE」。
ゴシックやテクノの要素も導入し、ややモダンなサウンド作りなれど、前作とのギャップはなく、すばらしい作品。
(テクノの要素は3rdにも散見するし目新しい訳ではない。)
相変わらずメロディもいいし、カッコいいロックアルバムだ。
①②⑦は特にすばらしい!
Voが替わったらしいが、この点でも違和感ないし、よく合っているVoだと思うよ。
今もi Podに入っているけど、こういう何回も聴けるアルバムって、最近ホントにないんだよなあ…。

AMORPHISと言えば、3rd「ELEGY」のときの初来日公演が忘れられない。
やや青臭いパフォーマンスだったものの、充実した楽しいライブだった。
私もまだ20代の半ばだった…いい思い出だ。
再び見ることは可能なのか??


GEHENNA「SEEN THROUGH THE VEILS OF DARKNESS」はすげえ!!

2007-01-12 01:50:20 | CD
先の記事を書いたついでに、GEHENNAの二枚目「SEEN THROUGH THE VEILS OF DARKNESS (THE SECOND SPELL)」をこちらも久々に聴いてみた。
やっぱりすごい。
超名盤。
たとえば、②を聴いてみてよ。
震えますよ、これ。
超名曲。

余談だが、このアルバムはかつてアナログ盤も出ていて、確かそのうちの66枚だったかがジャケットデザインに合わせてレッドビニールだった。
血の色みたいでめっちゃカッコよかった。


GEHENNA「MALICE」~引っ張り出して聴いたらかなり良かったシリーズ①

2007-01-12 01:44:38 | CD
GEHENNAは素晴らしいバンドだった。
結局彼らもデスメタルになってしまったけど(それでも出来は結構良かった)、最初の「THE FIRST SPELL」、そして続く「SEEN THROUGH THE VEILS OF DARKNESS (THE SECOND SPELL」は、個性的かつ充実した名盤であった。
とりわけ「SEEN THROUGH...」の方は、「基本中の基本」でも紹介している通り、必聴盤。
ミドル中心の曲調なれど、荘厳だが派手すぎないオルガン調のキーボードがドラマティックさを演出するブラックメタル。
憂いや泣きの色調を帯びたトラッド/フォーク調のメロディが要所要所で出てくるのもよかった。

その名盤の陰に隠れて(?)、今日棚を見るまでしばらく存在を忘れていたのが、三枚目の「MALICE」。
前作のサウンドを踏襲しながらも、より引き締まった曲作り、そしてよりタイトな音作りになっていて、素直にカッコイイ出来だ。
エッジの効いた明快なギターリフの導入により、よりヘヴィメタル的になっているとも言える。
が、やはりドラマティックなキーボードは活躍し、GEHENNA独自のサウンドになっている。
今回、久々に聴いて、しばらく放置していた自分を恥じました。
i Podに入れてしばらく聴きまくりたいと思います。

さて、キーボードを担当するSarcanaちゃん♀は、このアルバムを最後に脱退してしまう。
(4枚目にもゲスト参加していたが。)
その辺りの事情は寡聞にして知らないが、4枚目からサウンドが変化したことを思うと、初期のGEHENNAサウンドの鍵を握っていたのが、Sarcanaちゃんであったのは間違いないようだ。
今はどうしているのだろう、Sarcanaちゃん…。






BEHEMOTH「AND FORESTS DREAM ETERNALLY」ポーランド必聴盤②

2007-01-10 02:53:03 | CD
すいません、タイトルが入らないので、はしょってますが、「ポーランド産ブラックメタル必聴盤」の第2弾です。

ポーランド産ブラックメタル・バンドで、最もメジャーになったのはBEHEMOTHだろう。
アルバムをコンスタントにリリースし、ツアーも精力的にこなしている。
メンバーの“みてくれ”も垢抜けてきた。

でも、最近の変にデスメタル化したモダンなサウンドは、正直つまんない。
一応、トレイには乗せるが、ほとんど耳に残らない。
プロダクションが良くなっているのはわかるが、だからどうした!?と言いたくなるつまらなさ。
まあ、カッコイイところもあることにはあるんだけれど…。

話はそれるが、
元祖や老舗のブラックメタル・バンドが、フォロワーが溢れ出したとたんに次々とデスメタル化する現象が見られたが、気持ちはわかるものの、正直「やめてくれー」というのが多かった。
実際、その手のやつで、そんなにすごいアルバムはないでしょ?
あれで、シーンが変なデスメタルっぽいブラックと二番煎じのブラックばかりになって、結果としてシーン自体が沈滞していったと思うのだが。

で、BEHEMOTHに戻るが、
昔のアルバム、たとえばファースト・フルアルバム「SVENTEVITH(STORMING NEAR THE BALTIC)」なんて、トラッド/フォーク的な要素のある荒涼感たっぷりのブラックメタルで、めちゃくちゃかっこよかった。
これは「基本中の基本アルバム」であり、DAWN BREAKERとしてもオススメしてきた。

で、もう一つ私が大好きなのは、デビューミニにあたる「...AND FORESTS DREAM ETERNALLY」。
ファーストフルよりも前のリリースで、よりプリミティブ。
勢い、荒涼感(ジャケ通り!)、きちゃなさ加減のバランスが絶妙で、最高だ。
Tribute to BATHORYと記された曲もあるように(カヴァーにはあらず)、スラッシュの要素も感じられる。
とにかく、原初ブラックメタルのプリミティブなサウンドを堪能できるアルバムで(5曲入りでちょっと短いけれど)、ファーストフルともども必聴盤。
私もときどき聴きたくなって、引っ張り出して聴いては、興奮している。
もし聴いていない「ブラックメタル・ファン」がいるならば、最近のアルバムよりも優先的に手に入れるべきものだと言っておく。

オリジナル盤は悪名高きENTROPY PRODUCTIONSから。
METAL MINDから別音源とのカップリングで再発盤が出ている。


余談
先日書いた、PCの不具合はなんとか回復した。
元々は、i Tunesを使っていてCD-R作成ができなくなったのがきっかけ。
そのときに「4280」ないしは「4211」というエラー表示が出たのだ。

最初はi Tunes自体やCDドライブ本体を疑ったが、調べてみると、他のソフトでもCDへの書き込みができなかったので、どうやらDrag'n Dropがおかしくなっていたようだ。
Drag'n Dropを完全削除して、再インストールをしたら治った。
ただし、再インストール後に、「再起動」ではなく、一旦「終了」してから再度起動することがポイント。
「再起動」では、きちんとインストールされないようなのだ。
これに気づかなくって、えらい往生した。

PCは得意じゃないんで、本当に参った…。














岸田るり子「天使の眠り」

2007-01-07 01:26:07 | book
第14回鮎川哲也賞受賞作の処女作「密室の鎮魂歌」は近年の鮎川賞では飛び抜けた出来だったし、第二作目の「出口のない部屋」についても、トリックにそれはないやろ~みたいな強引なところがあるものの、プロットはおもしろくて本当に最後の最後まで読み手をグイグイ引っ張り続ける筆力に脱帽した。
そんな岸田るり子の第三作目がこの「天使の眠り」。本日読了。

旭屋書店のサイトより、紹介文を載せておきます。
「(【彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていく…鮎川賞作家新作】)
13年前に激しく愛した女は、別人なのか……。彼女の周りで、次々と謎の死を遂げる男たち。
京都の医学部大学院に勤務する秋沢宗一は、研究室助手の結婚披露宴で、偶然ある女性を見かける。それは13年前、札幌時代に激しく愛しあった亜木帆一二三(あきほひふみ)だった。不思議なことに、もう中年であるはずの一二三は 20代の若さと美貌を持った別人となっていた。昔の燃えるような感情が甦り、どうしても彼女のことが忘れられない秋沢は、女の周辺を探るうち、驚くべき事実を個む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていたのだ……。
鮎川賞受賞の著者が放つ、書下し長篇ミステリー!」


トリックの一面には早い段階で気づいてしまったが、もう一面にはだまされた。
事件の背景については無理があるように思ったが、相変わらず魅力的な謎で読者をグイグイ引き込む手腕はさすが。
人物の内と外の描写もうまい。

だから、鮎川賞受賞者としての立場から仕方ないのかも知れないけれど、無理に本格にこだわる必要もないように思うなあ。
(まあ、今作はこれまでで最も本格度が薄くなっているけどね。)
もっともっとおもしろい話が書ける人だと思うし、いま読了直後にもかかわらずもっと読みたいと思わせる作家なのだから、トリックを考えている時間でどんどん作品を書いてほしいと思ってしまう。

それに、説明しにくいのだけれど、この作者の作品には独特のミステリアスな雰囲気が漂っていて、それが作品の格調を高めていると同時に、読み手の好奇心をも刺激する。
この点が一番の魅力かも知れないな。

ちなみに、作者は京都在住の奥さんらしい。
ブログはこちら

作品の舞台がいつも京都なのも個人的には好み。
京都と言っても2時間ドラマのような(≒山村美紗のような)ゲスな設定ではなく、京都という土地をセンスよく使っていると思う。

とにかく、次の作品も出たらすぐ買いますよ。