DAWN BREAKER weblog~from Dusk till Dawnbreak~

ジャンル不問の音楽にまつわる独白集。
いわば「音楽百物語」。

CELTIC FROSTがついに…

2007-01-19 00:39:30 | concert
EXTREME THE DOJO Vol.16(大阪公演)に行って参りました。
最近は仕事が深夜に及ぶため、ライブは久々。
おっさんの体力には、四時間以上の長丁場は疲れました。
が、CELTIC FROSTはやはり見ないとね。
私の音楽人生、いや人生そのものを変えたバンドですからね。
今回は仕事がたまたま休みだったんで行けたんですが、これも運命か?

まずは、NAGLFAR。
かつてデモテープでRIP-OFFされたのは遠い昔…前回の来日の際は見られなかったので、今回ようやく生で見られたこと自体がうれしかった。
演奏については、リズムはタイトでよかったんだが、ギターの細かい刻みが音になってなくて聞き取れなかったのが残念。
ミックスのせいかもしれないけど、これは改善しないと致命的なものになりかねない。
一方、うれしかったのは、1st「VITTRA」から超名曲①を演奏したこと。
「VITTRA」は、私がメロデスの中で最も好きなアルバムの一つ。
超カッコいいアルバムなので、未聴の人は他のアルバムよりもまずこれを聴きましょう。
(他のもカッコいいアルバムだし好きだけど、やっぱり1stは別格やな。)

続いてSATYRICON。
サポートメンバーのGt×2、Ba、Key(女性)が帯同。
チリチリしたギター、ズコボコしたドラムなど、ちゃんとブラックメタルの音がしているのがうれしい。
演奏は決してうまくはないし、素人くささもプンプンするが、それもブラックメタルらしいからそれでいい。
激しいヘドバンもgood。
それにしても、SatyrのVoはさすがにカッコいい。本物のブラックメタルVoだ。
新作はギターリフを中心に据えたメタルアルバムだったが、ライブ向きですね。
なかなか楽しめました。
ラストは「Mother North」で、このドラマティックな名曲も聴けてよかったですね。
SatyrのアクションやMCでの礼儀正しさもよかったが、客の煽り方が80年代的なのが微笑ましかった。


最後にCELTIC FROST。
まずは白塗りしているのに吃驚。
まあ、最初に塗りだした人たちですから、パクリではないですけれども…いまさら…。

サウンドはダウンチューニングのモダンな音づくりで、やたらにヘヴィでドゥーミー。
これが現在のCELTIC FROSTが採用した方向性なのだろう。
まあ、現代のミュージックシーンで勝負しようという姿勢の表れと評価しておきたい。
一方、「Procreation(of the Wicked)」「The Usurper」「Dethroned Emperor」「Into The Crypts of Rays」など、「MORBOD TALES」や「TO MEGA THERION」収録の歴史的名曲は期待通り演奏された。
これらが本人たちによる生演奏で聴けるとは…。
20年以上待ってようやくの邂逅…素直にうれしかったです!
しかし、超名曲を生で聴くとやはり震えますな~。
どヘヴィなサウンドとはいえ、速いパートの疾走感はやはりCELTIC FROSTならではのもの。
久々に前に行って暴れたい衝動にも駆られましたよ。
また、「Dawn of Megiddo」や「Necromantical Screams」といった隠れた名曲が演奏されたのもうれしかったなあ。

でも、これらに比べると、新曲はやはり聴き劣りしますね。
リフが違うんだな、リフが。
彼ら特有のフックのあるリフ、これがすべてです。
新作ではそれが影を潜めているのですよね…。
(90年代の後半にトムがやっていたAPOLLYON SUNでは、音楽性は異なるものの、そこそこいい曲を書いていたのに…。)

ちょっとビジュアル面でキツイのは仕方ないでしょう。
(もういい年だろうし、相変わらずTomはちっちゃいし、Ericはデブになってるし…。)
でも、音的には本気の勝負をしていて、貫禄・迫力ともに十分だったから、聴けてよかったと素直に思えました。
大好きな「INTO THE PANDEMONIUM」や「VANITY/NEMESIS」といったアルバムからも聴きたかったけどね。


当日、会場では一人でぼーっとしていたのですが、元W堂のM井さんに声をかけていただきました。
お会いするのは数年ぶり…ってか、W堂が消滅してから初めてです。
知る人ぞ知る、国内外問わずメタルの歴史の生き証人。
いまは音楽関係ではないお仕事をされているとのことですが、相変わらずのメタルへの愛溢れるお話をうかがい、楽しく有意義な時間を過ごすことができました。
大好きなNOVELAの話もできたし♪
M井さん、ありがとうございました。


最後に一つだけ。
CELTIC FROSTが始まる前、背後から恐るべき会話が聞こえてきた。
「せっかくやし、どんなんか一曲だけ聴いていこ」
「うん。でも、早くいって串カツ食べよ」
若いにーちゃん二人。
どうやら、SATYRICON目当ての客らしい。
あのなー、CELTIC FROSTは、ブラックメタル、デスメタル、ゴシックメタルを発明した人たちなんだがねえ…。
CELTIC FROSTがいなかったら、SATYRICONもNAGLFARもへったくれもなかったんだがねえ…。
そういう人たちがついに来日公演を行う…そんな歴史的事件に立ち会わんでどうする??
歴史を無視する者はメタルを聴く資格はありません。
串カツの串で目ん玉刺して死んで下さい。

これも最近の学校教育が歴史をおろそかにしている影響なのか?