脱原発 市民ウォーク in 滋賀 次回12月の予定 → 見る
《第82回脱原発市民ウォーク・イン・滋賀のご案内》
第82回脱原発市民ウォークを12月1日(日)午後4時からおこないます。
集合場所はJR膳所駅前横の広場です。どなたでも参加できます。
ご都合のつく方はぜひ足をお運びください。
今回の市民ウォーク・イン・滋賀は11月23日~12月8日に予定されている、
「原発を動かすな!実行委員会@関西・福井」主催の
「高浜~関電本店200キロ・リレーデモ」の一環としておこないます。
いつもと異なり出発時間は午後4時ですので、ご注意ください。
◆大幅値引き攻勢で電力自由化を食い物にする大手電力会社◆
2016年4月1日に電力小売りが完全自由化され、個人でも新電力から購入することができるようになりましたが、最近になって自由化された電力市場において異変が生じています。
すなわち、最近、大手電力会社が都道府県と政令指定都市の庁舎を対象に電力料金の大幅値引き攻勢をかける行為が横行しており、そのため電力市場の寡占化が進んでいます。
この問題に関して2019年11月15日付け朝日新聞が《庁舎電力 大手「取戻し」/ 都道府県・指定市 新電力から》と題した記事を掲載していました。
デジタル版は → コチラ
この記事によると、最近、全国の都道府県と政令指定都市の庁舎に関する電力契約が、大幅な値引き攻勢により全国的に新電力会社の手から大手電力会社に取り戻されている実態が明らかになったとされています。
以下にこの記事の概要を記しておきます。
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朝日新聞と一橋大学が、都道府県と政令指定都市の本庁舎の電力調達先を調査しところ、電力自由化以後に新電力会社と契約していた自治体のうち最近になって大手電力会社との契約に戻ってしまった自治体が半数以上に達していることが明らかになりました。
調査は2011年度~2019年度の契約を対象として今年の6月~7月に行われました。その結果、過去に新電力と契約実績があったのは31の都道府県でしたが、7月の時点でこのうちの24道府県が再び大手電力あるいはその関連会社から電力を調達していました(注1参照)。その多くは2018年と2019年に新電力から大手電力に変更しています。また16の県は、調達先は大手電力のままであり、自由化後も調達先を変更していません。この結果、現時点では計40道府県が大手電力から調達していることになります(注2参照)。
政令指定都市(注3参照)では20市のうち18市が新電力との契約実績がありましたが、このうち12市が7月時点で大手電力から調達しています。2つの市は従来から大手電力のままです。
このような大手電力が新電力から調達先を取り戻すことに成功しているのは、入札に際して大手電力が大幅な値引きを提案する行為が横行しているためです。
たとえば、宮崎県の本庁舎の場合、2011年度以降は新電力から調達していたものの、今年度分は九電が一般競争入札で新電力の入札価格より2割以上安い2300万円で落札しています。入札に参加した新電力は「2割も引いたら採算割れになる」と見ています。また。岩手県庁舎の場合は、今年2月、東北電力が3年ぶりに落札していますが、やはり新電力の入札価格の2割近く下回っていました。大阪府本庁舎の場合は、昨年11月、九電系の「九電みらいエナジー」が新電力よりも1割安い価格で落札しています。
経済産業省は昨年指針を改め、大手電力による安値攻勢は「電気事業の健全な発展に支障が出る恐れがある」として問題行為と位置付けており、今回の調査結果についてコメントできなとしつつ、一般論として電力市場の「寡占化は望ましくない」との認識を示しています。
電力自由化は日本では2000年に大口向けで始まり2016年に家庭向けも含め全面自由化されました。しかし、自由化によってかえって寡占化が進み、電気料金が上がった英国やドイツの例も存在しています。日本でも寡占化が進めば消費者が支払う電気料金に影響をおよぼしかねません。
エネルギー戦略研究所の山家公雄所長は「大手電力が取り戻している実態は、日本の電力自由化が不完全な状態にあることの表れ。電力自由化が危ぶまれる」としたうえで、「発電と小売りがきちんと分離され卸売取引制度が整備されれば電力の仕入れ価格はほぼ同じになり大幅な値引きはできなくなる。海外では公平な競争のために大手の市場支配力をなくす努力をしている。日本も取り組みを進めるべきだ」としています。
注1:朝日の記事によれば、滋賀県庁の電力は一時的に新電力から調達されていましたが、現在は大手電力から調達されていることになっています。
注2:現在も新電力から調達しているのは秋田県、東京都、京都府、和歌山県、香川県、徳島県、高知県です。
注3:現在、政令指令都市のうち、仙台市、新潟市、千葉市、川崎市、さいたま市、横浜市、浜松市、名古屋市、京都市、神戸市、堺市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市は大手電力。札幌市、相模原市、静岡市、大阪市、熊本市は新電力です。
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電力大手によるこのような大幅な値引き攻勢は、資金力にまかせて新電力を圧倒し、自由化後も、自由化以前のような独占には至らなくても、市場を寡占化することを狙ったものと考えられます。このまま電力大手による寡占化が進めば、原発依存を前提とする大手電力が市場を支配することになり、上記のように電力料金に影響を及ぼすことが懸念されるだけではなく、脱原発への道を閉ざすことになりかねません。経産省はこの朝日新聞の調査結果にコメントせず、一般論として「寡占化は好ましくない」とはしているものの、同省は原発容認・推進の立場をとっているため、経産相がどこまで本気でこの大手電力による寡占化に対処するのか、あまり期待できないのではないかと考えられます。
2019年11月25日
《脱原発市民ウォーク・イン・滋賀》
呼びかけ人のひとり:池田 進
連絡先:〒520-0812
大津市木下町17-41
電話/FAX:077-522-5415
メール:ssmcatch@nifty.ne.jp
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