douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

サフラン色の夢

2005-03-13 | 美術
新日曜美術館を見よう見ようと思ってたのに、
うっかりしてて途中からになってしまった。

本日の新日曜美術館はクリストのThe Gateだったのだ。

映像で見るサフラン色のゲートは布が風にはためいて本当に綺麗。
26年間前に2人の人間が頭の中で思い描いた夢が
400万人ものニューヨーカーの、そして映像を通して
世界中の多くの人たちとの共通の夢となった。

これだけの大掛かりなものを実現させてしまうなんて本当に凄い。
しかもたった16日間だけ。本当に夢のようだ。

ゲートを設置するボランティアのスタッフたちと話していた
ジャンヌ・クロードの言葉ですごく印象的なものがあった。

「わかる?現実だからこそ美しいのよ」

クリスト夫妻が頭の中で思い描き、多くのスケッチを描き
それはそれで美しさを充分に予感させるものだったのだろうけど、
圧倒的な質量でセントラルパークを現実に彩ったゲートに
勝るものはないのだろう。
うーん、見てみたかった。

襲名って凄い事だったんだ...

2005-03-13 | 歌舞伎
BSで2週に渡って18代目中村勘三郎襲名の特別番組があった。
合わせて6時間もあって、録画はしたもののまだ全ては見れていない。
とりあえず、今歌舞伎座でやっている襲名披露公演から
3月10日のものという「口上」と「一條大蔵譚」を見た。

今までいくつかの口上を見てきたのだけれども、
まあ、あまり良く分からずに見ていた事もあって、
どうってことも思わなかったのだけれど、
口上ってこんなに良いものだったのかー。
襲名ってこんなに凄いものだったのかー。

なんというか、こう、ぐっとくるものがあった。
左団次の毎回、明らかに受けを狙ってくるものでさえ、
感慨深いと言うか...

17代目勘三郎を知らない私でも
こんなに感動しちゃってるんだから、
先代を知っている人なんか、泣いてしまうんじゃないだろうか。
ここに七之助もいられたら良かったのにねえ。
私には勘太郎はいまだに平助に見える。

「一條大蔵譚」も面白かった。
1月に鴈治郎のものも見たけど、勘三郎の方が分かりやすい感じだった。
(単に、ストーリーをすでに知っていたから、という気もするが)
阿呆ぶりがお上手で。
正気とのギャップが良いねえ。

勘三郎がやると古典歌舞伎でもなんか分かりやすい気がする、
と前から思っているのだけれど、やっぱり工夫をしているじゃないだろうか。
もちろん型は守ってて、その上で何かが、ある。

お京が玉三郎、鬼次郎が仁左衛門、っていうのも良かった。
ただ、こんな美男美女がお家復興を志している感じはしなくて
和事の道行にも見えたけど。
やっぱり歌舞伎は役者で見るものだわ、私にとっては。
好きな役者が出ていると、それだけで楽しい。

3、4、5月と歌舞伎座で、そのあと7月に大阪かー。
待ち遠しい。
その前に4月の籠釣瓶が見たいなあ。
前にも見た事あるけど、すごく好きな演目だし。
七之助も出るようだし。東京は良いなあ。

今月の南座は行けそうにない。残念。