鎌田実の野球教室

元トラ戦士が分かりやすく指導!

徳島キャンプ1

2009-11-19 12:46:23 | 私の野球人生
 1年目初のキャンプは確か、徳島の蔵本球場でした。私は1年目から1軍に帯同させてもらいました。期待の星だったからかも知れません。

 2月、キャンプ初日は雪がちらつく寒い日でした。球場に行くバスの中は、物干し竿バットで有名な大スター藤村富美男さんを筆頭に渡辺博之、後藤次男、徳網茂、白坂長栄、梶岡忠義、田宮謙次郎さんなど30代半ばを過ぎた大先輩の方々を目の前で見て、3月生まれで17歳の私にとっては「おじいちゃん軍団」に見えました。

 ウオームアップが終わり、キャッチボールになった時、思いもかけないことが起こりました。日本一の名遊撃手の吉田さんが私の前に来て「キャッチボールやろうか」と、笑顔で話しかけてくれたのです。私はびっくり仰天、帽子を取り「お願いします」と頭を深々と下げました。

 何故、私を選んでくれたのだろう…。緊張感いっぱいでした。吉田さんは「今日は寒いから軽く投げろよ」と気遣ってくれました。しかし、気持ちが高ぶっていたこともあり、ついつい力が入り、軽く投げられなかったことを覚えています。

 次はトスバッティングでした。今度は藤村さんに呼び止められました。3人1組のトスバッティング。1人が打ち2人が守る。はじめは藤村さんがトスバッティングを行った。真っ芯に当てた打球がワンバウンドできっちり返ってくる。そして守っている2人に交互に打ち分けてくる。

 その打球を捕った吉田さんは私にトスプレーしてきました。捕球した位置からトス、そして自分の身体の後ろに手をまわして背後からトス、グラブトスなどフットワークを使いながらだ。私もそれを真似してトスプレーをしたのですが、吉田さんのようにするとジャックルしてしまう。

 吉田さんのトスは速い。捕球すると同時にボールが来る。合わせるのが大変でした。私が捕球するとクイックスローで投げるように身構えて待っているのだからついつい焦ってしまいます。藤村さんのトスバッティングは約10分くらいであったが、それが終わると寒い日だったにもかかわらず私は汗びっしょりになっていました。