鎌田実の野球教室

元トラ戦士が分かりやすく指導!

投手のコントロール改善

2008-04-29 22:31:51 | 練習
 コントロールの悪い投手は、次のようなことが考えられる。
1、投球フォームのバランスが悪い
2、体重移動がスムーズにいかない
3、突っ立って投げる
4、体の動きと腕の振りが、マッチしていない
5、球離れが一定していない
などである。
 それでは、どうすれば制球難を解消できるだが、体全体のリズムとバランスを整える訓練をすることが大事だ。

 その意味では、内野手は常に正しい姿勢でゴロ捕球練習を続けているから、内野手を1、2年経験した選手は、コントロールのよい人が多い。バッティング投手を務めると8割方はストライクが入る。我がKBクラブでは、バッティング投手を務めるのは、内野手と決まっている。

 また、投手を務める選手もある練習方法を常に行っているので、コントロールがよい投手が多い。

 ある練習方法とは、簡単に言えばサードからファーストへの送球だ。サードを深めに守り、ファーストへの送球を1人約30本、2人でなら50から60本行う。正面付近に低いバウンドで緩めのゴロを打ってもらい捕球姿勢を正して練習する。

 ゴロを捕る基本姿勢は、以前にも書いたが、両腕を胸の前で振り、両手をアゴの下からタイミングよく下ろす。前傾姿勢であり、捕球位置は左足の右横、顔の下くらいの位置だ。

 上記と同時に両ヒザを曲げ、両ヒジを縮めてゆとりをもたす。右手を添えて両手捕りだ。捕球後は、ヒザを曲げたままの低い姿勢で投げる方向に前足(右投げなら左足)を向け、ワンステップで送球する。土台をしっかり整えて、上体を動かせる。その繰り返しだ。くどいようだが、ゴロ捕球の姿勢作りだ。

 プロ野球の投手でも、そのやり方をやっている人もいるが、正しい捕球姿勢とは言い難い。片手捕りやヒザを曲げないで捕球している。プロにも正しい捕球姿勢での練習を行うことを提案したこともあるが、すでに投手になりきっているので、正しい内野手の姿勢で根気よく練習した選手は少なかった。また、ノックを受けるだけでなく、他にも練習することがあり、練習時間も短いから身につかないのだ。

 左投手の場合は右投手の逆でファーストを守り、サードに送球すればいい。

 コントロールをよくするためには、正しい捕球姿勢と正しい送球姿勢を作り遠投することが大事なのだ。

少年野球での複数ポジション

2008-04-15 20:47:55 | 少年野球
 小・中学野球では、野球の上手な子供はどのポジションもできるし、上手だ。上手な子供は、チームの軸として投手またはショートを守ることは今も昔も変わりない。

 KBクラブでは、中学1、2年生のときはできるだけ複数ポジションを経験させている。それは野球の知識を身につけることとポジションによって動きの違いを実践してみること、1つのポジションしかできない偏った知識だけにならないためである。もちろん、1つ2つのポジションしかできない子供もいれば、9つのポジション全てができる子供もいる。実際に練習ができるポジションの数として、多い子で5つ。ただ5つのポジションとなると土、日曜日の両日にまたがってとなる。

 内野手、特にショート、サード、セカンドのできる子供は、3つ4つのポジションは守れるし、守らせている。ただ、中学3年生になると、3つくらいのポジションに絞ってレベルを高めていくようにしている。

 ちなみにKBクラブでは、外野を1つのポジションとみなしても1人3つ以上のポジションを守ることのできる子供は、6割くらいいる。

 ただ、この複数ポジションを経験させるには、シートノックでも倍の時間が必要だ。投手、内野手連携プレーでも同じである。1人の選手を投手、ショート、サードをやらせるまでやめられないからだ。一にも二にも根気が必要だ。

 勝つためと早く上達させるためには、ポジションを固定して練習させる方が近道だが、中学野球はあくまでも高校野球への育成の場だと考えているから、こういうやり方をあえて行っている。

 しかし、このやり方がよいのか悪いのか、正しいのか否かは未だに分からない。なぜなら、私が教えてきた子供たちが高校へ行って、いろんなポジションを守らされている子供が比較的多いからだ。これは私の今後のテーマでもあるだろう。

 私が指導する「KBクラブ」では現在、新中学1年生の部員を募集している。興味のある方は、下記の体験入部に参加してみてください。

【募集要項】
 対象…新中学1年生(新中学2年生も若干名受付)

 体験入部可能日…4月19、20、26、27、29日

 場所…淡路島・岩屋グラウンド

 質問などの連絡先…メールアドレス daily011@mail.goo.ne.jp
          携帯090-3283-6364(KBクラブ世話係・林)

 交通手段…フェリー(明石から岩屋約20分)
     一般旅客 大人320円(片道)
          小人160円(同)
           一般自動車 2050円(片道)
      バス(舞子から岩屋約10分)
           大人400円(片道)
           小人200円(片道)



少年野球の在り方 その2

2008-04-04 21:53:16 | 少年野球
 指導者は「勝ちたい」という欲望を抑えないといけない。

 私が指導するKBクラブのある部員の例を出してみよう。身長はチームの中でも高い方で投げ方もよく、体力のあるスタミナ男がいた。しかし、3年生前半まで野手をやらせるとヘマばかりする補欠だった。肩の力がつけば投手なれると思い、バッティング投手をさせていた。

 3年生の夏が過ぎた9月だった。スピードがでてきた。これはひょっとするのではと思いチャンスがあれば登板機会を与えようと考えていた。

 10月のある大会だった。5点リードであと六、七回の2回を抑えればチームの勝利の場面でマウンドに送り出した。緊張からか力みも出てスピードはあったものの、ボールは上ずりストライクが入らず、先頭打者から連続四球。5点もあるから2点くらい取られるまではよいだろうと覚悟はしていた。その後もヒットや味方エラーなどで2点を取られ走者を一、三塁に残した。相手ベンチは勢い付き、声援が大きくなる。

 監督の私とすれば、まだ3点あるじゃないかと思っていたが、当事者の彼は後がないような硬直した表情を浮かべていた。守りも浮き足立っている様子で投手に声をかけることもない。タイムをかけて間を取る風情も見えない。これはイカンと思い、先発したエースをショートからピッチャーに戻した。

 しかし、頼みのエースも勢い付いた相手打線を止められず、合計6点の大量失点で逆転負けを喫した。選手もそうだろうが、私もショックだった。子供に経験を踏ませるために、それまでこういう起用法は時としてやってきたが、こんな目にあったのは初めてだった。

 逆転負けのきっかけになった子供を今度は、11月最後の大会で先発させた。そのときは、落ち着きがあり5回1失点の好投。中学生時代の登板はこの2度だけだったが、投げる度に球威が増し、成長を感じさせた。

 案の定、高校2年生でエースナンバーをもらい、3年生になってからは大学の硬式野球部4、5校から声がかかる注目投手となった。大量点を守れず逆転負けを喫した初登板の1試合は、ムダではなかったのだ。