鎌田実の野球教室

元トラ戦士が分かりやすく指導!

一塁手の守り1の2

2009-10-29 10:51:31 | 少年野球
 各内野手からの送球に対しての構え方は、はじめからベースを踏んで構えている一塁手も多い。小学生のときはこれでもよいと思うが、中学生になれば様々なフットワークが使える基本的な踏み方をやった方が今後の飛躍につながると思う。

 それは、遊撃、三塁、二塁などゴロの飛んだ方向に対して構え、右利きの人は右かかとをベースに軽く触れて構える。ベースの確認をしておくのだ。そして右利きの人は右足つま先でベースの端を押すように触塁をする。足がベースの真ん中にいかないように注意することだ。(真ん中は走者が踏むからだ=図1参照)

図1


 小学生のときの移動ベースの場合は、ベースの内側半分を触塁するのがよいだろう。=図2参照

図2


 片方の足ではじめからベースを踏んで決めて構えるとワンバウンド送球や左右にボールが逸れたときに前、後、左、右の足の踏み替えが自在にできにくいからだ。

1、内野からの送球が自分の左方向に逸れ、足がベースに届かない位置で捕球した場合は触塁をあきらめ、走者にタッチをする。その場合、タッチをする位置は捕球した高さで走者の身体のどの部分でもよいが、顔の部分だけは避けた方がよいだろう。

2、内野からの送球がワンバウンドで中途半端なときは、ベースの後ろに下がりながらどちらかの足で触塁して捕球する。フットワークが大事だ。

3、捕手前に転がった打球が打者走者と交錯する位置だと、一塁手は左足でベースを踏み、右足を二塁方向に出し、右手を上に挙げて捕手に対して投げる方向を示してあげる。

4、内野手からの送球が高くなったとき、ジャンプしなくても捕球できるものはジャンプをせず背伸びをしてつま先で立つようにして触塁する。落ち着きと見極めが大事だが、何でもかんでもジャンプをしてセーフにしてしまうことはない。

 「一塁手は伸びて捕球すること」を思い過ぎると捕球と触塁がおろそかになる。小、中学生は、伸びるよりまず捕球と触塁を優先させるべきだ。なぜならかっこよく伸びても足が離れてしまいセーフになってしまうと何にもならないからだ。

一塁手の守り1の1

2009-10-25 11:06:34 | 少年野球
 一塁手は簡単に見えるが、子供たちにとっては難しいようだ。

 走者がいるときといないときの守る位置、送球に対しての構え方、ベースの踏み方、走者へのタッチプレー、投手、内野手連係プレーなど…。それぞれに基本的な動きがあるのだが、正しく出来ていることの方が少なく、自己流が多い。

 よくあることは、打者が安打、二塁打等を放ち、一塁を回ろうとするとき、一塁手のいる位置だ。一塁の前(投手方向)に突っ立っている一塁手が意外に多い。図1の位置だ。これだと走者が一塁を回ろうとするときに接触する。走者がボールを持っていない野手に接触すると走塁妨害となる。正しくは図2の場所か二塁に回ろうとする走者の妨げにならない場所に位置をして走者がベースを踏んでいるかの確認をしなければならない。この2つのことができている一塁手が、意外と少ない。

図1


図2

 また、走者一塁のときは、一塁手はベースで構えるが、一、二塁のときもベースで構えている一塁手がいる。一、二塁のときは、二塁に走者がいて塁が詰まっているのだから盗塁はまずないからベースを離れて守ることだ。そのとき、走者の後ろを守るか前を守るかは監督の指示に従うことだ。

特別編…慌て過ぎ

2009-10-22 10:10:48 | 少年野球
 少年野球でよくある気になるプレーの1つとして“慌て過ぎる”ということがある。慌ててミスを犯すことが多いのである。慌てることは子供に限ったことではないが、小学生から中学1、2年生くらいまでの少年野球に特に多い。

 慌てるということは、一言でいえば技術的にも精神的にも未熟ということだが、相手をよく知らない、見れない、プレーに間が作れない、気持ちの整理がつけられないなど様々な要素がある。慌てることをもう少し抑えられれば、失点は半減するのだが…。その年代の子供には難しいようだ。

 慌てるプレーの中でも次に挙げるようなプレーが多い。

1、投手が二塁牽制時、投手はセットに入ってから1、2、3とカウントしてから二塁に振り向いて投げるような指示をしても投手のカウントも早いし、野手がベースに入るのも早い。早すぎると走者が離塁する間がない。これではアウトにできない。慌てるからだ。

2、一、三塁に走者を出したとき、相手投手は三塁に投げる牽制のふりをして、振り向きざまに一塁に牽制する。あらかじめ一塁走者には注意しているのだが、飛び出してしまう。

3、左投手のとき、一塁方向に真っ直ぐに上げた足がホーム方向に角度を変えたときにスタートだと言っても、足を上げたときに飛び出してしまう。

4、右投手のときでも同じだ。盗塁のサインを出すと投手がホームに投げようとする動きがまだないのにスタートを切ってしまう。

5、投手前への緩いゴロ、そんなに慌てる必要がないのに悪送球。

6、ファンブルした後、慌てて拾ったボールを間に合わない塁に送球して悪送球と二重のミス。

7、ランダンプレーで走者を挟んで「しめた」と思ったが、挟んだ方が慌てて塁間を行ったり来たり、あげくの果てには悪送球。

8、無死または一死、走者三塁で「打球が内野を抜けてから走れ」と言ってあるのにショートゴロで飛び出してしまう。

9、無死または一死、走者三塁で「外野フライはタッチアップだぞ!!」と言ってあるのに外野フライで飛び出してしまい、タッチアップができない。

 子供たちの走塁は、打球が飛ぶと全てが「ゴー」になってしまう。身体が前に行きたくてしょうがないのだ。「行く」「止まる」「戻る」の判断がつきにくい。これらの慌てるプレーの解消には、実戦で一度、二度とミスを犯して痛い目に合い、そして反省、解消していくものであって、練習ではなかなか解消できるものではない。そのためにも練習試合は数多く必要であろう。

 私は、中学硬式野球をはじめて9年になるが、毎年1年生の試合になると同じミスを繰り返す。どんなミスが多いか分かっているから練習で教えるのだが、それでもゲームになるとそのミスを犯す。しかし、2年生の夏頃になるとそのミスも徐々に解消、自分たちで注意することになってくる。第一段階として指導者はそこまで辛抱である。

投手のフィールディング10

2009-10-18 20:55:07 | 少年野球
サインプレーを見逃すな!!

 投手は次に投げる投球のサインは当然ながらしっかり見るが、サインプレーはよく見逃す。それだけ打者を打ち取ることに集中しているからだと思う。しかし、走者が出るとサインプレーがあることを認識するべきだ。それと捕手がサインプレーを出すときは、「サインプレーだぞ」という分かりやすいサインを投手に送るべきだ。

 例えば、グー、チョキ、パーのチョキを始めに4回続けて出せば、「サインプレーを出すぞ」というサイン。そしてその次にサインプレーを出す。これなら投手も見逃すことはないはずだ。サインプレーを数多くやるチームもあれば、少なくして確実にやるというチームもある。これはチームによって特色を出してもよいと思う。

 中学生以上のレベルにはサインプレーは、だいたい次のようなものがあるだろう。

走者一塁
 ①一塁牽制…サイン無しでやることもあれば、捕手からのサインでやるチームもある。

 ②送りバントに際してのサインプレー
一塁手は投手が打者に投げると同時に打者に向かって前に出る。二塁手は一塁手が前進したときに一塁手の後ろから一塁に入る。投手は捕手に外角ウエスト、捕手は一塁に送球して走者を刺す。

 ③「バントをやらせて二塁で走者を殺せ」のサインは、投手の投球動作と同時に一、三塁手が前進して投手はストライクを投げる。

走者二塁
①投手…遊撃手との牽制のサイン
  二塁手との牽制のサイン

②投手…捕手がサインを出して遊撃手との牽制(投手―遊撃手)
   捕手がサインを出して二塁手との牽制(投手―二塁手)

走者三塁
①投手…三塁手との牽制のサイン

無死走者一、二塁、バントに備えて
①ピックオフプレー1(投手―二塁牽制)
・投手がセットに入り1秒静止後、一、三塁手は打者に向かって前に出る(但し、三塁手は二塁走者がいるから少し遅らせる)
・遊撃手は、投手がセットに入ると同時に二塁走者を牽制してから三塁に走る。
・二塁手はベースに入るタイミングを計って二塁走者の牽制に入る。    

②ピックオフプレー2(投手―捕手―二塁)
・一、三塁手、遊撃手、二塁手は①と同じ動きをする。
・投手は捕手に外角にウエスト、捕手は二塁に送球、二塁走者を牽制する。

③バントシフト(三塁で殺せ)
・投手はセットに入って1秒止めてから(チームによってタイミングを決めること)捕手に投球、ストライクを投げてバントをやらせる。
・一、三塁手は投手の足が動いたら打者に向かってダッシュ、遊撃手は投手がセットに入ると同時に二塁走者を牽制してから三塁に走る。
・二塁手は一塁に入る。バントをやらせてサードで殺す必殺シフトだ。

一死または二死走者一、二塁
①投手―一塁牽制(後ろの走者を殺す)
 一塁手は走者の後ろにいるが、投手は一塁手とのタイミングを合わせて牽制

②投手―捕手―一塁(後ろの走者を殺す)
 捕手は投手に外角に「外せ」のサイン、捕手―一塁に送球。一塁手は走者の後ろから一塁に入り走者を殺す。

走者一、三塁(一塁走者がスチール時)
・捕手…投手に送球
・捕手…二塁に送球(遊撃手または二塁手)
・捕手…三塁に送球

などのサインプレーがある。

投手のフィールディング9

2009-10-15 12:30:57 | 少年野球
投手のベースカバー

 投手は本塁、一塁、二塁、三塁と各塁をカバーしなければいけないプレーがあるが、そのプレーを紹介してみよう。

 走者三塁でのパスボール、ワイルドピッチのときのホームカバーは誰でも知っていることだが、次に挙げるプレーはどうだろう。

例1、 無死または一死、走者一、三塁でキャッチャー後方に上がったファウルフライ。捕手が捕球すると同時に一塁の走者がタッチアップする。捕手が一塁走者を刺そうと二塁に送球すると、そのときに三塁走者がホームを突くトリックプレー的走塁があるが、その走者に備えるには、投手はホームベースカバーが欠かせない。

例2、 同じく走者一、三塁で一塁後方にファウルフライが上がり、一塁手と二塁手がともにボールを追いかけていったときには、投手が一塁ベースカバーに入り、その走塁に備える。但し、一塁手、二塁手のどちらかが塁に戻ったときには、一塁をバックアップする。

例3、 同じく走者一、三塁で三塁後方にファウルフライが上がり、三塁手と遊撃手の2人がボールを追っかけて行ったときには、三塁ベースカバーに入り、その走塁に備える。但し、三塁手と遊撃手のどちらかが塁に戻ったときには、三塁をバックアップする。

例4、 無死または一死、走者一塁で遊撃手と二塁手が、二塁ベース後方のテキサス性小フライを追っかけたとき、二塁が空き、一塁走者はハーフウェイにいるから二塁ベースカバーが必要だ。ただし、遊撃手と二塁手のどちらかが塁に戻ったときには、二塁をバックアップする。

例5、 同じく走者二塁で遊撃手と二塁手が二塁ベース後方のテキサス性小フライを追っかけたとき、二塁が空き、二塁走者がハーフウェイにいるはずだから二塁ベースカバーが必要である。但し遊撃手と二塁手のどちらかが塁に戻ったときには二塁をバックアップする。

 投手はマウンドで突っ立っている暇はない。ベースが空いたらどの塁にでもカバーする気配りが必要だ。

投手のフィールディング8

2009-10-12 22:55:45 | 少年野球
 投手のバックアップとベースカバー

 小、中、高の野球の練習で使用するグラウンドはファウルゾーンが狭かったり、フェンスの跳ね返りが無かったりして正確なバックアップの位置づけの練習をすることはなかなか難しい。たまにファウルゾーンの広い、フェンスのあるグラウンドでその練習をすることもあるが、どうしてもバックアップが狭くなり、何のためのバックアップか分からないことが多い。

例1、走者二塁でセンター前ヒットのとき



投手はホームの後方に行くが、少なくとも捕手(ホーム)より15から20メートルくらい後方にバックアップに行く必要がある。バックアップが狭すぎると2人とも越されてしまうような悪送球があるからだ。走者二塁センター前ヒット(1)のときは、投手は(1)の方向からホーム後方にバックアップする。方向が見やすいからだ。センター前ヒット(2)のときは、(2)の方向からホーム後方にバックアップする。

例2、走者一塁、右中間を抜く長打のとき



 一塁走者の本塁突入、打者走者の三塁進塁、外野からの送球はどっちに投げるか分からないときは、本塁と三塁の中間に走り、どちらに送球してもバックアップができるように深く入って備える。

投手のフィールディング7

2009-10-11 23:24:26 | 少年野球
投前ゴロ、スクイズに対してホーム送球

 一瞬を争う送球だが、送球のやり方には2つの方法がある。

 1つは、前進して捕球時、左足の前やや右横顔の下くらいの位置で両手で捕球する。グラブを狭く使い、ボールを止めるだけにして右手に持ち替えてトスプレーをする。その方が安全で正確だからだ。この方法はバウンドが高いと容易だが、バウンドが低いと前のヒザが曲がらない人には難しいかもしれない。しかし、トスプレーを体ごと前に倒れ込むようにするとできると思う。

 2つ目は、グラブハンドトスだが、グラブを深く使っている人は送球のコントロールに安定性を欠くと思う。そういう人は、グラブのネットをうまく利用するか、深く捕ったときには、グラブを上に振らずに押し出すようにトスプレーすることだ。グラブを狭く使っている人はやりやすいと思う。KBAではその両方の練習をやらせている。

投手のフィールディング6

2009-10-07 08:57:09 | 少年野球
投手前ゴロ、サード送球タッチプレー

 このプレーは比較的覚えが早い。一塁送球や二塁送球に比べてもミスが少ないのは、三塁が近いからだろう。

 投手前ゴロ三塁フォースプレーのときは、タッチの必要がないから送球は高くてもよいが、タッチプレーのときは低いボールをベースの右側に投げなければならない。タッチプレーが素早くできるからだ。

 投手は投手前ゴロに対して捕手方向に向いて捕球姿勢に入るが、右投手は捕球後、左半回転して左足をややオープンにステップする投げ方は、サイドハンド気味に横手からベース右側にシュートボールを投げるような気持ちで投げる。そういう投げ方をすると悪送球が出にくいし、三塁手はタッチしやすい。これは中学生でも容易にできる。


・ダッシュして捕球
・左半回転して左足をややオープンにステップ
・ベースの右に横手から低いボールを投げる

投手のフィールディング5

2009-10-06 01:11:54 | 少年野球
投手ゴロ→二塁送球DP(ダブルプレー)

 無死または一死、走者一塁において、投手ゴロから二塁送球ダブルプレーを狙うときは、あらかじめ二塁手、遊撃手のどちらが二塁ベースに入るのかを確認しておく方がよい。基本的にはベース上に投げればよいのだが、二塁手、遊撃手の動き方やベースに入る位置が少し違うからである。

 遊撃手が入る場合は、ベースのやや左寄りでよいが、二塁手が入る場合は、右寄りが次の送球に移り易いだろう。

 また、投手が捕って投げるタイミングは緩めの打球ならワンステップ送球でよいが、速い打球のときが難しい。二塁手、遊撃手は、走者一塁のときは、盗塁やダブルプレーに備えてあらかじめベース近くに位置取りしているが、速い投手ゴロのときは、ベースに入りきれないときが多い。そこで、投手は速い打球をキャッチしたときは、一呼吸置くかツーステップして二塁送球し、二塁手、遊撃手とのタイミング合わせが大事である。

 中学野球ではそのことを分かりやすく説明をしてからやらせるのだが、それでもゲームになると早く投げてしまう。

 小、中学野球では慌てることが多く、プレーに間が持てないことが多いのだ。だからミスが多発する。

投手のフィールディング4

2009-10-01 21:25:23 | 少年野球
投手ゴロ→二塁送球

 投手ゴロから二塁送球で四苦八苦しているのは、投手前のバント処理とD.P(ダブルプレー)だろう。

 特に投手前のバント処理、二塁送球は苦しそうだ。中1諸君にとっては、小学生時代と比べると塁間が5メートル近く長くなり、スローイングの力がまだついていない時期だからこのプレーがしんどいようだ。

 私のチームのKBAの投手フィールディングを見ても、投手と捕手の中間点に前進して振り向きざまに二塁送球を強く、正確に投げられる選手はなかなか出てこない。

 このプレーは前進して捕球、「半回転してヒザをまげたままの低い送球姿勢で前足を二塁方向に正しく向ける」足の向きが大事である。

 これができれば八割方はコントロールOKだが、なかなかこの形ができない。慌てて足が向かないまま、突っ立って投げようとする。ボールが届かない。逸れる…。

 そこで中1のときは、捕手近くまで前進して捕球した打球に対してはワンバウンド送球をやらせている。この方が力もいらず、モーションが早くできるからだ。

 投手左前方向、投手正面前方向、投手右前方向から二塁送球は、捕球と送球姿勢を正して慌てず正確さを重視して繰り返し練習していこう。