鎌田実の野球教室

元トラ戦士が分かりやすく指導!

伝説の二遊間2

2009-11-13 08:56:59 | 私の野球人生
 私が阪神に入団した昭和32年には吉田さんは、日本一の名遊撃手で牛若丸と称されておりました。大リーグのチームが来た時もアメリカに連れて帰りたい選手は?とのアナウンサーの質問に大リーグの監督は必ず吉田さんの名前をトップ挙げておりました。守備範囲が広く、俊敏で肩が強く、ジャンピングスロー、クイックスローなどすべてに秀で、躍動感あふれるプレーを演じられる名遊撃手でありました。

 特に捕るが速いか投げるが速いかのクイックスローの素早さにファンは魅了され、そのプレー見たさに球場に足を運び、拍手喝采を送った人たちが大勢おりました。

 吉田さんのプレーを初めて見たのは、プロ入りした時ではなく、高校3年生の時に甲子園に阪神の試合を見に行った時です。三塁側のスタンドから見ましたが、甲子園の黒土の上を打者が打った真っ白いボールがショートの吉田さんに飛ぶと、吸い込まれるようにグラブに入る。それを素早く右手に持ち替え、糸を引くような送球が一塁に送られる。捕球からボールの握り、球離れまで三塁側からは全てボールが見える。その一連の動きは絵に描いたようにきれいでありました。それを見て感動しました。「これがプロか…」と。

 私は高校時代、ショートだったのです。阪神には吉田さんが健在でしたから一番入りたくなかったチームです。それが何故阪神に入団することになったのか…。そのいきさつを次回で紹介します。