グラブの使い方は、ネットのスソ、真ん中付近で5本の指でしっかり握ることが通常ですが、ハイレベルになると状況に応じて色々と使い分けをしているのです。
深く捕ること、縦使いで浅く捕ること、親指をグラブの真ん中に動かせるように捕ること、球を吸収させるように引き気味で捕ること、差し出し気味に捕ることなど、多種多様です。
グラブの使い方で大事なことは、小、中、高校、大学と学年が上がるにつれて親指の使い方が大事なポイントとなってきます。
親指を使った捕り方ができるようになれば、グラブさばきの良さにつながります。
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写真のように親指は付け根からグラブの真ん中の方に動かすようにするのです。小、中学生は親指1本の力で強く動かすことは困難でしょうが、キャッチボールの時からそれを意識づけていくことがいいでしょう。
グラブの使い方で一番はじめに書いておきたいのは、グラブから人差し指を出さないでプレーしてもらいたい。これは米国から伝わってきたものだが、米国人は指が大きく、握力もケタ違いに強い。これを手が小さく、握力も弱い子供たちがマネをしてよいはずがない。
人差し指を出す理由は、手が痛いからだろう。また、ボールを深く捕るという意味もあるのだが、それよりも5本の指でしっかり握ることを優先するべきだ。
私たちの現役時代(昭和30年から50年代)のプロ野球選手は、指を出してプレーをした人はいなかった。冬の寒い時期のシートノック、塁間のボール回しのときは手が痛くてそのときだけは指を出したこともあったが、そのときだけであり、そのプレーが終わると指をグラブの中に入れてプレーを続けたものだ。
微妙な指先の感覚が使えないからである。今も昔も手の痛さは同じであるはずにもかかわらず昔の人たちは我慢をしてプレーを続けたのに今の人たちは我慢できずに指を出してプレーするということは、それだけ守りに対して、今以上のプレーを目指そうという意識、意欲、向上心に欠けているのではないだろうか…。近年のプロ野球選手に名プレーヤーが生まれないのは、この辺にも要因があるのかもしれない。指を出してプレーをすると球際のプレーや瞬時のプレーに支障をきたすのだ。
少なくとも小、中、高校生は、写真のように指を出すべきではないと思う。また、グラブをはめる方に手袋をしてプレーする人もいるが、これもよくない。指入れが太くなり、手袋を取ったときにグスグスになり手にフィット感がなくなるからである。
一番よいのは、5本の指をグラブに入れ、すべての指先の感覚をグラブとボールに伝え、自在に動かせることが一番いいに決まっている。そうでなければ、これから書くグラブを自在に使う「使い方」ができないからだ。
小学生は遊撃手用のオールラウンドに使えるものがいいと思う。ただし、中学生くらいになるとポジション別のグラブが必要だと思う。
選び方の基準としては、指入れに違和感がなく、フィット感かよいもの(指入れが大き過ぎゴソゴソしないもの、逆に指入れが狭すぎないもの)を選ぶのがよい。
また、土手にやや重み(膨らみと肉厚)があって、先の方が軽いものがいいでしょう。その逆だと手から抜ける感じになるからだ。また、親指は付け根からグラブの真ん中の方から折り畳みができるものがいい。スポーツメーカーの社長にアドバイスしたように、グラブは親指さえしっかりしていれば、形は自分好みに仕立てられるものだ。