弁護士ふくふくの今日が出発点

難病がきっかけで始めましたが、今は、出会いを求めて書いてます。足跡歓迎です。但し、ハンドルネームでお願いします。

大腸摘出手術体験談(その⑨ 最終回 快復と退院)

2009-03-28 12:01:55 | 大腸摘出手術体験談

 手術後、1週間が経過するころには、手術直後の激痛もうそのように楽になり、イレウス管もとれ、涙が出てしまうような鼻の痛みもなくなりました。

 手術直後には、腹部にこぶし大の石ころが2、3個あって、ごろごろと腹部内を転がり動くような感じがあり、歩けるようになる感じが全くしませんでしたが、恐らく体内にあった大量の液体が全部出てしまったためではないかと思いますが、石ころの感覚も消え、ゆっくりと歩けるようになりました。5本あった管も栄養のための管だけになりました。みるみるうちに、エネルギーがわいてくるようになり、人間に備わった治癒力、回復力の強さを実感しました。

 潰瘍性大腸炎の発病以来の約2年間の長かった苦痛と不安、恐怖が一段落したことを感じることができました。

 12月に入ると、口から食事を取ることが許されるようになり、11日にはめでたく退院となりました。ちょうど1年前の2007年12月25日と27日には、大量出血があり、年末年始を絶食の状態で病院で過ごしたことを考えると、雲泥の差を感じ、あー幸せだなーと思いました。

 ただ、ストマに貼り付けるストマ袋がとても重く感じ、その重さでストマ付近が下に強く引っ張られる感じがあり、強い違和感があって、常にストマの存在が気にかかって歩くのが億劫な感じがあり、どうなることかと不安でした。しかし、退院して1ヶ月位すると、違和感も薄れ、普段はストマの存在を忘れるくらいまでになりました。そして、何よりも、食事の制限がほとんどなくなり、焼肉やカレー、チョコレートなど、これまで食べられなかったものも食べられ、毎晩50CCの焼酎も復活し、幸せな毎日を送っています。

 病気になる前は、仕事や付き合い、出張等で、夕食を家族とともにするのは、1週間のうちの何日もないことや、朝も家族が寝ている内に自宅を出て、家族の顔をゆっくりみることがないこともありましたが、今は朝から晩まで一日中家族と一緒で、妻やこどもともゆっくり話したり、マッサージしあったりもできます。

 その後、2009年の3月に潰瘍性大腸炎のために発症したと思われる痔ろう(正確には、肛門周囲膿瘍となり、そのあとが痔ろうとして残った)の手術のために、3月9日から23日まで2週間入院しました。痔ろうの手術も無事終了し、現在はその快復を待ちながら、来るべき第2期手術(ポーチの造設、小腸と肛門の接合、7月ころ予定)に備えているところです。

 まだ、まだ、これから何があるかわかりませんし、いずれ仕事の本格的な再開もしなければならず、その際は心身の苦労も小さくないと思います。

 しかし、今は、何よりも、今の幸福を十分味わおうと思います。 病気によって苦痛や恐怖を味わっただけでなく、仕事や生活にも大きな支障や影響があったことは事実ですし、今後の生活や行動にもその影響は続くと思います。これから、好きなスポーツや旅行がどれくらいできるかもわかりません。しかし、今更、「潰瘍性大腸炎にならなかったらなあ」と思ってみたところで、どうにもなりません。 生まれて始めて大きな病気をして一時停止したことで、何よりも当たり前の何事もない日々のありがたさを身にしみて感じられるようになりましたし、人の苦痛をより身近に感じることができるようになりました。

 また、「人がそれぞれの悪条件の中で、苦しみや恐怖を何とかして紛らわせながら、またささやかな楽しみを見つけ、その人なりの目標を持って、前向きに毎日を送ること」、このこと以上にこの世の中で大切なものはないのではないかということを実感するようになりました。

 医師や看護師の一つ一つの言葉や対応が、病気で苦しむ患者をどれだけ慰め、励まし、勇気を与えることになるのかということも敏感に感じるようになりました。それは本来、病院内の医師や看護師に関することだけでなく、普通の社会生活、家族生活の中での人間関係でも全く同じようなことが言えるはずです。

  私も自分のことを真剣に思って助けてくれた、医師、看護師、家族、知人友人のことを忘れることなく、家族、職場、知人友人、いろいろな社会関係の中で、周りの人たちに対してベストを尽くしていきたいと思います。特に、重い病気や障害の人たち、社会的、経済的なハンディ等から、人生のレールに乗り切れない人たちと心を通わせていけたらと思います。

 潰瘍性大腸炎になり、大腸を切除してしまったというこの体験を糧にし、また「話しの種」にして、一層、楽しく、たくましく、前向きに生きていきたいと思います。何かの縁で、読者の皆様と、いつか、どこかでお会いする機会がありましたら、ささやかであっても楽しい話がかわせますように、今日を出発点として頑張ります。(完)



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2 コメント

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初めまして!横浜市在宅の25歳です! (ゅかりんご)
2009-05-01 23:25:57
今blogの内容を拝見させて戴きました!
私も潰瘍性大腸炎を今年の3月に宣告され,初めゎ軽症の直腸形だったのですが…なぜだか…ペンタサ服用して2週間後ぐらぃから下痢が止まらずぁれょあれよというまに症状が悪化し……緊急入院 となりました!丁度1ヶ月前です!
劇症,難治の重症となりました!
ステロイド投与→LCAP→サイクロスポリンの投与
なす術を尽くしてもらってでも…まだ血便ゃ腹痛がぁり大腸炎の状態も改善が芳しくナィとのコトでした!!

再発の恐れもぁるので

大腸全摘出を選択がぁりました!

今手術の方向でいちお話が固まったんですが…

凄く不安です!
人口肛門への抵抗感…
術後の経過…痛みなど

詳しいお話を聞かせていただけたらと思いコメさせて戴きました!!


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ゆかりんごさんへ (ふくふく)
2009-05-08 09:10:29
読ませていただいて、私の経過と似ているような気がします。
私の場合は、結局、緊急手術ということで、手術以外に手段がなかったし、また、術前の肛門の痛みのひどさが、手術の決意をさせてくれましたが、そうない場合は、やはり、手術はなかなか思い切れませんよね。

もうご存知かもしれませんが、潰瘍性大腸炎の掲示板があり、非常に有益な情報があります。今でも、毎日見ています。
http://www.nanbyou.net/uc/bbs02.html
この中に、「ストマにするか否か」、「回腸嚢炎」その他術後のトラブルに関すること等もいくつかありますので、参考にされたらと思います。

私の体験や感想で役に立つことがあれば、聞いていただければ、何でもお答えします。

私の場合は、現在まだ、一時ストマで、あと2回手術がありますが、このブログの最近の日記にも書いていますが、現在は、何でも食べられ、潰瘍性大腸炎は終わったというのが実感で、本当にうそのようにすっきりした気持ちの良い毎日を送っており、大腸摘出して本当に良かったと思っています。
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