弁護士ふくふくの今日が出発点

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大腸摘出手術体験談(その⑦ 手術当日と術後の激痛)

2009-03-26 15:48:49 | 大腸摘出手術体験談

  最終的に緊急手術の実施が決まったのは、2008年11月16日の日曜日の早朝でした。そこから麻酔医との連絡等が取られるため、手術開始が何時になるのかわかりませんでした。手術時間としては8時間くらいかかる予定ということでした。

  午前10時ころ、妻に見守られて、ストレッチャーに乗せられて、手術棟の中に運び込まれました。自動車で約2時間の距離にあるところに住む兄と姉の夫婦が病院に着いたのは、その少し後であったということを後に聞きました。 手術台の上に載せかえられ、10分程度で麻酔をかけられ、スーッと眠りにつき、あとは熟睡という感じでした。 

  眠りについてしばらくして、誰かが自分に声をかけて起こそうとしており、それで、目が覚めました。麻酔で眠りについて30分くらいたったくらいではないかと感じましたが、実際は午後7時ころで、麻酔で眠りについてから約9時間くらいがたっていることがわかりました。場所も手術室ではなく看護師詰所のすぐ横の部屋でした。

 すぐに、目の前に、妻や、兄や姉夫婦が次々と現れ、何か言って手を握り、そのあと、子供とも手を握り、「あー子供も来てくれたんだなー」というようなことを思っているのと同時くらいに、全身の激しい痛みと息苦しさが突然襲ってきて、ただ痛みに耐えるだけでほとんど何も考えられなくなりました。

 腹部全体が痛くて、どの部分が痛いかはわかりませんでした。痛みとともに、息苦しくて、どこまでが痛みでどこからが息苦しいのか区別がつきませんでした。長距離を走って、最後余力を振り絞ってゴールした直後の苦しさ、あるいは腕立て伏せや腹筋等をして限界まで頑張って最後の1回が終わった直後の苦しさです。直後の息ができないような苦しさを100とすると、普通なら1分もすれば50くらいになり、2,3分もすると20か30くらいまで楽になるのですが、何分たとうが何十分たとうが100のままの苦しさが続き、治まりそうな気配が全くありません。

 痛み止めの点滴をしているのですが、何箇所も切っているので、痛み止めが効かないのも仕方がない、時間がたつのを我慢するしかないというような説明だったと思います。 痛みと苦しみで、眠ることもできず、ただ唯一できることは、「イターイ、イターイ、イターイヨー、イターイヨー」とうめぎ続けることだけでした。 30分に1回くらいの割りで看護師さんが「どうですか」と声をかけてくれるのですが、「イターイ、イターイヨー」と言い続けるしかなく、看護師さんも「頑張ってください」と言ってくれるくらいです。それでも声をかけてくれるだけで何か少しは救われる気がするのですが、しばらくすると、ベッドの近くを通り過ぎるだけで、声をかけてもらうこともないように感じました。

 そうこうして、6時間くらいたったころから、少し、痛みや苦しさが軽くなり始め、痛み止めが効き始めたようでした。「イターイヨー」のうめきもそのころようやく一時中止することができました。それから丸一日くらいは、痛み、苦しみのピークの際の程度は当初とあまりかわらずひどいのですが、痛み止めが効いて、痛みや苦しみが軽くなる時間が、少しずつ増えていきました。

 痛みが軽くなりやっと一息つけるようになった時点で、体にいろいろな管がついていることを始めて自覚しました。おしっこの出る管、腹腔からの液が出る管で左下腹部から出ている管、胃の中まで入って消化液等を出す口からの管、新たに作られたへその右側5センチくらいの位置のストマ(人工肛門)から出た排泄のための管、首筋の大静脈に入れられ、栄養液や薬等を入れるための管の5本だったと思いますが、首筋の大静脈に入れられた管は点滴台の高いところの栄養の袋と繋がれていますが、それ以外は点滴台の床面に近いところに置かれたそれぞれの袋に管の先が入れられ、袋にはどれも黄緑系統の液が出てたまっていました。

 (次号に続く) 



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