金山のまぼろし

全力で生きる!!

77 初めてのブレーキングドリフト

2021-04-17 18:56:05 | 幻の走り屋奮闘記エピソード1

 

 

鉄の扉制作会社を定時に上がり、暗くなってすぐ、自宅に帰る前に寄る場所がある。

 

そうゴッドマウンテン、僕たちの金山である。

 

 

サスペンションがポヨンポヨンで、ステアリングを切った瞬間にグワッと車体が激しくロールしても、今の状態でしか走る事が出来ないので走るしかなった。

本気で走れば走るほどロールがやってきてやる気が減っていくが、走っていれば何か会得するかもしれない。

 

会社のストレスを発散する、とは言いたくないが、金山を走ると気が晴れた。

だから、その気分を味わいたいから走りに行っているのかもしれない。

 

純粋に走りが楽しくて走りに行っている感じではないと思う。だってロールが‥。

 

そもそも、速い走り屋が後ろから来てアオられるのだけはなんとしても避けたかった。

だから、午後9時以降は走りには行かないのだ。

かと言って明るいうちに金山を攻めるのは危険過ぎる。

だから暗くなったら金山直行なのだ。

 

戦闘力がスライムなのだから中級の敵と遭遇しただけで即死!

 

そんな僕でもなぜか1回だけ上りでブレーキングドリフトした時があった。

 

その頃は〝前荷重〟という言葉を本で仕入れていたので、とにかくコーナー進入時は〝前荷重〟を徹底的にしておけば最高の操舵力が発揮されるのかと思っていたので、コーナー進入時からステアリングを切ってフロントが入り始めるまでフルブレーキングで前荷重を守っていた。

 

その後も同じコーナーを何回も同じように攻めたがそれ以降は一向にブレーキングドリフトはできないでいた。

 

 

僕が18歳の時に東京から帰って来て岡ちゃんと新潟の海に行ったことがあった。

岡ちゃんを親から借りたトヨタのオートマFFセダンに乗せて海に行ったのだが、まさかの岡ちゃんからの「高速料金かかるから下道で行こう」の提案で高速は使わないことにした。

僕の家族は新潟の海に行く時は必ず高速を使っていたので、高速を使わないで海に行く理由が理解できないでいた。

 

その海の帰りの新潟の山は小雨と濃霧になっていた。

新潟と群馬の境あたり三国峠の下りでカーブになっている橋に差し掛かった時、軽いブレーキをかけながらのコーナリング中、いきなりリアタイヤが外に流れ始めたので咄嗟にカウンターをあて逆振り状態になり、そこでまた大きなカウンターをあてながら180度スピン状態でカーブになっている橋の外側の欄干にフロントを激しくぶつけ「落ちて死ななくて良かった」と廃車寸前でべそをかきながら帰った来た思い出がある。

申し訳ないが岡ちゃんにはそのぶつかった衝撃でルームミラーにヘッドバットさせておでこにたんこぶを作らせてしまった。

 

その時は「あの三国峠のカーブになっている橋には昔事故があって何か得体の知れないものがいたんだ。」と恐ろしく思ったことがあった。

それが人生初めてのブレーキングドリフトだった。

 

僕が走りに興味を持ったのも、その怖い思いをした謎を解明したい気持ちも手伝っているのかもしれない。