初の全国的調査 15~16年に102人
2015~16年に102人の女性が妊娠中から産後にかけて自殺しており、妊産婦死亡の原因の中で最も多いとの調査結果を国立育成医療研究センターなどのチームが5日、発表した。うち92人が出産後の自殺で、35歳以上や初産の女性の割合が多かった。
妊産婦死亡の全国的な調査は初めて。子育てへの不安やストレスによって起きる産後うつが原因の一つと考えられ、チームは「身体だけではなく心の問題も気軽に周囲の医師や保健所などの行政機関に相談してほしい」と呼び掛けている。
調査は15~16年の妊娠中から産後1年未満の女性について、人口動態調査票のデータを分析。死亡した357人のうち、102人が自殺。このほかは、がんや心臓、脳神経の病気や出血による死亡が多かった。
産後の自殺者92人について調べたところ、約半数が35歳以上で、65%が初産だった。無職の世帯の女性も多かった。自殺の時期は、産後1年を通して起きていた。
海外と比べると、妊産婦の死亡者数は少ないが、自殺の占める割合が高いという。
同センターの森臨太郎医師は「把握できているのは一部でもっと多い可能性もある。産後うつや他の精神疾患がある人、不安を抱える妊産婦を地域的に支えることが必要だ」と話している。
産後うつ 背景に
妊産婦の死亡に詳しい竹田省特任教授(周産期大学)の話 出産後の自殺には、産後うつが背景にあると思う。周囲が病気と分からず、家庭の中で放置されている人が多い。前兆を逃さないよう、地方自治体によっては検査が始まったところもあるがまだ不十分だ。1カ月健診の後に発症すると特に見つけにくい。早く気づくことができれば保健師が重点的に訪問することができる。精神科を受診するのにハードルが高いと感じている人も多い。適切な治療をすれば自殺は防げるのではないか。
平成30年9月6日(木)信濃毎日新聞より
2015~16年に102人の女性が妊娠中から産後にかけて自殺しており、妊産婦死亡の原因の中で最も多いとの調査結果を国立育成医療研究センターなどのチームが5日、発表した。うち92人が出産後の自殺で、35歳以上や初産の女性の割合が多かった。
妊産婦死亡の全国的な調査は初めて。子育てへの不安やストレスによって起きる産後うつが原因の一つと考えられ、チームは「身体だけではなく心の問題も気軽に周囲の医師や保健所などの行政機関に相談してほしい」と呼び掛けている。
調査は15~16年の妊娠中から産後1年未満の女性について、人口動態調査票のデータを分析。死亡した357人のうち、102人が自殺。このほかは、がんや心臓、脳神経の病気や出血による死亡が多かった。
産後の自殺者92人について調べたところ、約半数が35歳以上で、65%が初産だった。無職の世帯の女性も多かった。自殺の時期は、産後1年を通して起きていた。
海外と比べると、妊産婦の死亡者数は少ないが、自殺の占める割合が高いという。
同センターの森臨太郎医師は「把握できているのは一部でもっと多い可能性もある。産後うつや他の精神疾患がある人、不安を抱える妊産婦を地域的に支えることが必要だ」と話している。
産後うつ 背景に
妊産婦の死亡に詳しい竹田省特任教授(周産期大学)の話 出産後の自殺には、産後うつが背景にあると思う。周囲が病気と分からず、家庭の中で放置されている人が多い。前兆を逃さないよう、地方自治体によっては検査が始まったところもあるがまだ不十分だ。1カ月健診の後に発症すると特に見つけにくい。早く気づくことができれば保健師が重点的に訪問することができる。精神科を受診するのにハードルが高いと感じている人も多い。適切な治療をすれば自殺は防げるのではないか。
平成30年9月6日(木)信濃毎日新聞より
10月から「うつ」や虐待予防
松川町は10月、出産後の母親が精神的に不安定になる「産後うつ」や子どもへの虐待の予防を目的に、産後健診・産後ケアの利用者負担の軽減制度を始める。核家族などで母親が出産後に家族に頼ることが難しくなっており、専門機関と連携して支援を進める。
国の補助金を活用。産後2週間と1か月の健診を無料にするほか、産後ケアは、病院や助産所に1泊2日で宿泊する「宿泊型」、半日滞在する「ディサービス型」、保健師や助産師が母親の自宅に出向く「アウトリーチ型」の利用者負担を500円から1万円に抑える。
対象機関は下伊那赤十字病院(松川町)と駒ケ根レディースクリニック(駒ケ根市)など。町は121万円を盛った本年度一般会計補正予算案を町議会9月定例会に提出する予定だ。
平成30年8月9日 信濃毎日新聞より
松川町は10月、出産後の母親が精神的に不安定になる「産後うつ」や子どもへの虐待の予防を目的に、産後健診・産後ケアの利用者負担の軽減制度を始める。核家族などで母親が出産後に家族に頼ることが難しくなっており、専門機関と連携して支援を進める。
国の補助金を活用。産後2週間と1か月の健診を無料にするほか、産後ケアは、病院や助産所に1泊2日で宿泊する「宿泊型」、半日滞在する「ディサービス型」、保健師や助産師が母親の自宅に出向く「アウトリーチ型」の利用者負担を500円から1万円に抑える。
対象機関は下伊那赤十字病院(松川町)と駒ケ根レディースクリニック(駒ケ根市)など。町は121万円を盛った本年度一般会計補正予算案を町議会9月定例会に提出する予定だ。
平成30年8月9日 信濃毎日新聞より