「心ある母さんの会」~Cuore通信~

長野県飯田・下伊那で活動する「心ある母さんの会」です。会の活動やお産・子育てのことなど情報やアドバイスなど更新中。

信濃毎日新聞連載「温かな手で」本に

2015-03-22 | Weblog
新聞協会賞などを受賞

講談社文庫から出版

 本紙社会面で昨年1~6月に連載したルポルタージュ「温かな手でー出産を支える社会へ」が講談社文庫から出版され、16日までに県内外の書店に並んだ。
 「温かな手で」は、女性の晩婚化、出産の高齢化に伴って技術が進む不妊治療や、胎児の病気や障害が分かる出生前診断を前に、葛藤し、決断を迫られる地方の夫婦らをルポ。海外の生殖医療ビジネスの実態も伝えながら、命の尊厳を問い、少子化の重荷を女性だけに背負わせない社会への転換を提案した。
 連載は、2014年度新聞協会賞(編集部門)とファイザー医学記事賞優秀賞を受賞した本紙キャンペーン報道の柱。講談社文庫では、78回のルポを全話収録した。
 16日、長野市のJR長野駅前の平安堂長野店で、店頭に並んだ本を見た男性(40)は、夫婦で4,5年にわたる不妊治療を経験し、本紙連載も読んでいた。
「治療のために仕事を休まなくてはならないことなど、まだ一般に理解されていない。悩みを抱える夫婦の実態を多く人に知ってほしい。」と話していた。
 文庫のタイトルは「不妊治療と出生前診断 温かな手で」。 285ページ、定価810円(税込)。

2015年3月17日(火)信濃毎日新聞より


信州の病院 つなごう医療

2015-03-03 | 情報サイト
 下伊那赤十字病院のみこみの専門外来 松川町

 バリウムを混ぜたゼリーを松川町の男性(85)が飲み込む姿が画面に映し出される。ゼリーはゆっくりと食道へ流れていくが、少しのどに残った。男性が水を飲むと、きれいに流れていく。「水分で流した方がのどにひっかからないですね。」細田昌良医師(49)=第二内科部長=が笑顔で語りかけた。
 男性はのどの残留感や呼吸困難を訴えて、専門外来を受診。検査の結果、男性の場合は軟らかい食べ物の方が飲み込みにくいことがわかった。検査後に家族を呼び、食事の硬さや姿勢、一口食べた後に水を一口飲むことなどをアドバイスした。
 厚生労働省が発表した2012年の死因別死亡率で、肺炎はがん・心臓病に次いで3位だった。肺炎で死亡した人のほとんどが65歳以上の高齢者。中でも、飲食物や唾液が気管に入って炎症を起こす誤嚥性肺炎の患者が多いことから、同年1月に呼吸器専門医や看護師らでつくる「摂食・嚥下チーム」を院内に設置した。
 中心メンバーの看護師 石原佳代子さん(28)は、摂食・嚥下障害の専門的な知識と技術を持つ認定看護師に、飯田下伊那で初めて合格。「介護施設で働く人たちにも入所者の嚥下障害に早く気付いてもらいたい。安全においしく食べられるよう、この地域から発信したい」と意気込む。
 4月の本格運用を目指し、昨年10月から週1日、完全予約制で外来の試験運用が始まった。これまで75~85歳の6人が受診した。筋力低下、脳の病気によるまひ、薬の影響など嚥下障害の原因はさまざま。症状に応じて、歯科や耳鼻咽喉科、呼吸器科などと連携しながら、義歯の装着や食べる時の姿勢の指導、飲み込み方の訓練などを実施していく。
 「口から食べることは人生の楽しみの一つ」と細田医師。「食事の際にせきこんだり、のどにひっかかったりする人の相談場所として利用してほしい」と呼びかけている。 (石川由佳理)


肺炎になる前に

 細田昌良医師の話 誤嚥性肺炎は、再発する可能性が高い。肺炎になってから治療するのではなく、その前の段階で発見、治療することで、少しでも自分の口で食べられる時間を伸ばしたい。


2015年3月3日(火) 中日新聞より


受精卵検査の臨床正式承認 産婦人科学会

2015-03-01 | 情報サイト
 日本産科婦人科学会は28日、体外受精した受精卵の染色体異常を調べ、正常な受精卵を選んで出産を試みる「着床前スクリーニング」(受精卵検査)の臨床研究を正式承認した。計600人の女性を対象に、この技術が流産の減少や出産率の向上につながるかを検証するのが目的で、国内の限られた医療機関で2015年度にも始める。
 選ばれずに廃棄の対象となる染色体異常には、ダウン症やターナー症候群などの性染色体異常も含まれる。学会が2月に開いたシンポジウムでは患者団体などから「命の選別だ」と反発があった。
 倫理委員長の苛原稔・徳島大教授は「有用性が確認され、最終的に医療として行うに当たっては、倫理的な検討をしないといけない」と述べた。
 臨床研究で、3回以上の体外受精で妊娠できなかった200人と2回以上の流産経験のある100人に受精検査を実施、通常の顕微授精だけ行った300人と比較し、流産率や出産率で改善があるか検討する。受精卵の解析は、慶応大や名古屋市立大などが請け負う。研究期間は3年。生まれた子どもの健康を小学校入学まで追跡する。

2015年3月1日(日)信濃毎日新聞より

着床前スクリーニング 都内でシンポ賛否さまざま

2015-03-01 | 情報サイト
流産つらい/命の選別に

 日本産科婦人科学会は、体外受精でできた受精卵の染色体を全て調べ、正常な受精卵を選んで子宮に戻す「着床前スクリーニング」(受精卵検査)の臨床研究に関する公開シンポジウムを、東京都内で開いた。医療関係者や市民ら約300人が参加、賛否さまざまな意見を交わした。
  
 同学会は昨年12月にスクリーニングの臨床研究を承認している。しかし、ダウン症などにつながる染色体異常も分かるため、「命の選別につながる」との批判もあり、幅広い意見を聞こうと企画した。
 シンポでは、まず学会側が研究の概要を解説。スクリーニングに用いる「アレイCGH」と呼ばれる新しい検査方法が、繰り返す流産の防止や体外受精の妊娠向上に本当に有効かどうかを確かめるのが研究の目的として、「(スクリーニングを)導入すべきかどうかは結果が出てから検討する」(苛原稔・倫理委員長)と説明した。対象は原因不明の流産を2回以上経験したり、体外受精を3回しても妊娠しなかった患者で、対照群を含めて、3年間で計600例を予定するという。
 講演で、セント・ルカ産婦人科(大分市)の宇津宮隆史院長は不妊患者へのアンケート結果を紹介。「流産は女性にとって、ものすごくつらい経験。患者さんは流産しない妊娠をしたいと考えており、そのための手段を選ぶ権利もある」と、スクリーニングの意義を強調した。
 これに対し、東京都立墨東病院の久具宏司産婦人科部長は、スクリーニングが進むと将来得られる遺伝情報が増えると指摘。妊娠の継続か中断かを選択する現在の出生前診断と異なり、「多くの胚の中から好みのものを選択することになりかねない。パーフェクトな子どもを求める考え方につながっていく」と、慎重な姿勢を示した。
 会場を交えた総合討論では「神経筋疾患ネットワーク」(さいたま市)代表の見形信子さんが、生まれる前に受精卵の段階から廃棄されかなえない遺伝性疾患の当事者として「やめてほしい」と発言。「障害があっても温かく育み合える社会を作るのが私たちの願い」と訴えた。
 学会は、シンポでの意見も参考に28日の理事会を経て、早ければ年内に研究を開始する方針。


2015年2月27日(金)信濃毎日新聞より

大町総合病院の分娩休止

2015-03-01 | 情報サイト
大町5市町村など県会に陳情書提出

体制維持「国に意見書を」


 大町市の立大町総合病院が医師不足で分娩の取り扱いを3月で休止する問題で、大北地方の5市町村や病院などでつくる大北地域医療推進会議の代表者らは24日、県庁を訪れ、県会の風間辰一議長に陳情書を提出した。医師確保など産科医療体制を維持・充実する取り組みの強化に向けて、国に意見書を提出するよう求めている。
 大北地方の5市町村長、市町村議長も同行。同推進会議の小野寿太郎委員長(大北医師会長)は、県会の支援を求める陳情書も提出した。風間議長は「早速、意見書を国に出す用意をさせていただく」と応じた。牛越徹・大町市長は「あらゆる手段を通じて精いっぱい努力するが、地域だけでは解決できない課題」と述べた。
 大町総合病院では、信州大医学部(松本市)から派遣されていた常勤の産婦人科医2人のうち1人が1月下旬に病気療養に入った。代わりの医師は確保できずもう一人の医師も4月に別の病院に移る。非常勤の産婦人科医一人の着任が決まり。3月末に休止予定だった妊婦健診は継続する。

平成27年2月25日(水)信濃毎日新聞より