「心ある母さんの会」~Cuore通信~

長野県飯田・下伊那で活動する「心ある母さんの会」です。会の活動やお産・子育てのことなど情報やアドバイスなど更新中。

乳児用液体ミルク解禁検討

2016-10-25 | 情報サイト
政府 手間省け災害時に利点

 政府は、国内で法令が未整備のため流通していない乳児用液体ミルクの「解禁」に向けた検討を始めた。本年度中に方針をまとめる。成分は粉ミルクと同じだがお湯で溶かす必要がなく、育児の手間が省けるため男性の育児参加の後押しにもつながると期待する。封を切ればそのまま飲めるため災害で断水したりお湯を沸かせなくなったりしても使える利点がある。
 液体ミルクは子連れで外出する際の携帯にも便利で、海外では広く普及している。内閣府の男女共同参画会議はこのほど、諸外国と比べて家事や育児をする時間が短い男性の意識改革に向け、専門調査会を設置。液体ミルク解禁に関しても議論する。
国内での製造自体は禁じられていないが、食品衛生法に基づく厚生労働省の省令は、粉ミルクの規格しか設けられていない。これまで保存期間が長く常温で流通させることができる粉ミルクが最適だと考えられてきたためだ。また、妊産婦の健康や乳児の発育に適する商品は、消費者庁の許可を受け「特別用途食品」と表示できるが、液体ミルクは対象外。こうしたことが国内で製造されず、海外製品を含めて流通していない要因となっている。
 省令改正には衛生面での安全性を示すデータを業界団体がそろえる必要がある。ただ海外では、無菌処理など技術向上で液体ミルクも紙パックやペットボトル入りで半年から1年程度常温保存できるようになり、一般的に利用されている。今年4月の熊本地震では、緊急支援物資としてフィンランドの液体ミルクが乳児を抱える被災者に無償提供された。
 男女共同参画会議では民間議員から「液体ミルクの普及は子育ての負担軽減にとって重要だ」との意見が相次いだ。 内閣府は、専門調査会での議論を通じて解禁の必要性の機運を高め、法令の見直しと、認知度不足から需要を不安視してきたメーカーによる製造につなげたい考えだ。

2016年10月7日(月)信濃毎日新聞より
 

産後うつ予防検診助成

2016-10-15 | 情報サイト
2週間と1か月 無料化も

 出産後の母親が育児への不安や重圧によって、精神的に不安定になる「産後うつ」を予防するため、厚生労働省は2017年度から、健診を受ける際の費用を助成する。深刻化すれば虐待や育児放棄につながったり、自殺を招いたりする恐れがあり、不調の兆しを早めに見つけ、行政の相談窓口など適切なケアにつなげるのが狙い。

 産後うつは約10人に1人が経験するとされる。費用助成は産後2週間と1か月の2回、それぞれ5千円が上限で、国と市区町村が半分ずつ負担する。一般的な健診費は約5千円のため、事業を導入する自治体では、補助券などによって多くの人が無料で受けられ、出産した医療機関以外での健診も対象となる。厚労省は17年度予算の概算要求に7億円盛り込んだ。
 厚労省研究班が12~14年度に実施した調査では、初産の場合、うつ状態など精神的な不調に陥る人は産後2か月ごろまでに多く、特に産後2週間の時期に発症のリスクが高かった。1か月健診は広く行われているが、子どもの発育の確認が中心。研究班はより早い段階から、精神的に不安定になりやすい母親へのケアを充実させる必要があると指摘していた。
 健診では母親の身体的な回復状況に加え、授乳がうまくできているかなど、子育ての悩みを幅広く聞き、心身の状態を把握する。支援が必要と判断されれば、市区町村による育児相談や指導のほか、宿泊・日帰りによる産後ケア事業の利用などを促す。
 厚労省はこのほか、新生児への虐待防止のため、望まない妊娠で悩む女性の相談体制も充実させる方針。産科医療機関などに社会福祉士らを配置し、出産後の住居や就労面での支援に向けたコーディネーター約を担ってもらう。


環境激変で孤立する母親・・・虐待防止への早期対応が鍵

「突然、独りぼっちだと感じた」。東京都調布市の会社員の女性(33)は4年前、関西に里帰りして、第1子の長女を出産した。約1か月後に自宅に戻ると、日中は1人で子どもと向き合う生活が始まった。
 昨日までとは違ってどうして眠ってくれないの? どうしたら泣きやむのだろうー。
不安を和らげてくれる相手は周りにおらず、夜中に帰宅する夫が憎く思えた。いら立ちが募り、きつく当たったこともある。「ちょっとした悩みを聞いてくれたり、アドバイスしてくれたりする人がいれば・・・」と振り返る。
 出産直後の女性はホルモンバランスの変化が激しいほか、子どもも日に日に違った様子を見せる。核家族化が進み、親族や地域での助け合いが薄れる中で孤立し、精神的に不安定になりやすい側面も。厚生労働省研究班によると、「産後うつ」は特に出産から2週間後ごろに発症リスクが高く、虐待や育児放棄といったトラブルに発展しないよう早めの対応が鍵となる。
 横浜市戸塚区の産婦人科「小川クリニック」では約10年前から、産後2週間の相談に無料で応じている。妊娠期から顔なじみの助産師が母親の悩みに耳を傾け、母乳やミルクの飲ませ方、夫との関係について助言したり、子どもが順調に育っていることを伝えたりしている。不調があれば医師の診察を受けてもらう。
 小川博康院長は、出産後に周りのサポートが得られず、環境の急激な変化に体や気持ちが付いていかない母親は多いと語る。 「特に初めての子育てでは、何が当たり前なのかも分からない。少し話をするだけで、精神状態は大幅によくなる」と、早期ケアの意義を強調している。

2016年10月10日 信濃毎日新聞より

正常分娩担う助産師養成 信大病院 コース開講

2016-10-04 | 情報サイト
地域のお産の環境維持に

 助産師がリスクの低い正常分娩を担い、緊急時には医師が対応する「院内助産」を広げようと、信州大病院(松本市)は3日、リーダーになる助産師を要請するコースの開講式を同病院で開いた。2018年度までに計5期設けるコースの1期目で、県内の病院に勤務する助産師4人が受講。半年間、院内助産を導入している信大病院で研修を重ね、地域でお産ができる環境の維持につなげる。
 院内助産に対応する助産師と医療機関を増やし、県全体で妊娠から出産までの母子の健康を支える周産期医療の向上を図る目的。関連費用の負担などで県の協力も得た。産科医不足が指摘される中、医師の負担軽減を図ってリスクの高い分娩に集中できる環境を整える狙いもある。
 コースは半年で、定員は各期4人。信大病院産科婦人科の菊池範彦医師と、看護部の伊藤摩紀助産師が講師。受講生は週3回程度、病院で業務に準じた研修をし、院内助産に必要な技術などを学ぶ。講義もある。
 開講式で、本郷一博院長は「それぞれの医療機関に戻ってリーダーとして活躍してくれるよう願っている」とあいさつ。受講生の長野赤十字病院(長野市)の助産師米沢美代子さん(40)は「技能を高め、後輩の育成に役立てたい」と話していた。

2016年10月4日(火)信濃毎日新聞より