「心ある母さんの会」~Cuore通信~

長野県飯田・下伊那で活動する「心ある母さんの会」です。会の活動やお産・子育てのことなど情報やアドバイスなど更新中。

伊那中央病院、里帰り出産再開

2016-03-26 | 情報サイト
7月以降の出産対象分娩環境改善で

 伊那中央行政組合(伊那市、箕輪町、南箕輪村)運営の伊那中央病院(同市)は来年度、2008年から中止していた里帰り出産の受け入れを再開する。4月から産婦人科の常勤医1人の増員が決まったことや、昨年7月、伊那市日影に出産を扱う診療所「菜の花マタニティクリニック」が開院し、上伊那地方の分娩環境が改善しつつあることなどから判断した。25日の同組合議会全員協議会で、病院側が明らかにした。
 里帰り出産の受け入れは、7月1日以降に分娩を予定している人が対象で、5月ごろから妊婦健診の受け入れを始める。4月以降は、信州大病院(松本市)から常勤医1人の派遣を受け、常勤医4人、嘱託医1人の態勢になる。
 上伊那地域では深刻な産婦人科医不足が続き、05年に辰野町立辰野総合病院(現町立辰野病院)、08年に伊南行政組合(駒ケ根市、飯島町、中川村、宮田村)が運営する昭和伊南総合病院(同市)が分娩の取り扱いを中止。伊那中央病院に地域内の分娩が集中し、08年4月から里帰り出産の受け入れを止めていた。
 伊那中央病院の川合博院長は取材に「地域から強い要望があったが、なかなか再開できず申し訳なかった。里帰り出産再開の見通しが立ち、率直にうれしい」。分娩数は2、3割の増加を見込むとし、「若い人が安心して住める地域にするには産科医療の充実は欠かせない」と話した。
 できる限り里帰り出産を受け入れている「菜の花マタニティクリニック」の鈴木昭久院長(44)は、伊那中央病院の受け入れ再開について「大英断で、妊婦の選択肢も増える。助産所を含め、出産環境が整った地域になってきている」と受け止めた。

2016年3月26日(土)信濃毎日新聞より

摘出卵巣の卵子で妊娠

2016-03-22 | 情報サイト
腫瘍治療と両立 体外受精後に子宮移植

信大チーム成功 国内初 論文報告へ

 腫瘍の治療のため摘出した卵巣から卵子を採り、体外受精させた後に患者の子宮に移植して妊娠させることに、信州大学医学部産科婦人科学教室(松本市、塩沢丹里教授)の医療チームが16日までに成功した。患者は卵巣の腫瘍を再発した県内在住の30代前半の女性で、同日時点で妊娠4か月になっている。同様の出産例は、世界で1例の論文報告にとどまり、国内ではないとみられる。今回と同様の患者は信大病院では年間数例あり、全国でも相当数あるとみられ、こうした患者が子どもを授かる道が開けた。

 医療チームリーダーの岡賢二教授(信大生殖医療センター副センター長)によると、今回の患者は卵巣一つを以前に摘出し、残る一つの卵巣に腫瘍が再発した。こうした再発のケースでは、腫瘍の部分のみを手術で摘出する方法もあるが、完治を目指して卵巣を全て摘出するのが一般的という。今回は夫婦に出産への強い希望があり、卵巣を全て摘出し、その組織から卵子を採取して妊娠を目指した。
 昨年秋に卵巣の摘出手術を実施し、摘出した卵巣の健全な部分から卵子を採取。体外受精で一般的な排卵誘発剤は、腫瘍を悪化させる危険性があるとして使わなかった。患者は手術時に月経3日目で、未熟だったが8個の卵子を採取した。卵子は1~2日間の培養後に、体外受精(顕微授精)をして受精卵に。昨年末、女性ホルモンを患者に投与した後、凍結保存しておいた受精卵を子宮内に移植して着床、妊娠した。
 手術後の容体は順調という。岡教授は「腫瘍がある卵巣からの未熟卵の採取、体外培養、体外受精の医療技術を結集し、その全てがうまくいった」と説明。「妊娠の一方で病気の確実な治療もできた。一時は子どもを諦めないといけないと考えた夫婦には、とても喜んでもらえた」と言い、今後、同様の症例には「今回の方法を積極的に採用したい」としている。発表に向けて論文を準備中だ。
 生殖医療を手掛ける自治医科大付属病院生殖医学センター(栃木県下野市)の鈴木達也准教授は「今回の治療技術自体は特別珍しいわけではないが、それぞれを組み合わせて、病気の根治と妊娠の可能性を残すことを両立させた発送が良い。今後、採用する病院が全国で増える可能性があるのではないか」としている。

2016年3月17日(木) 信濃毎日新聞より

子宮頸がんワクチン副作用

2016-03-20 | 情報サイト
脳の症状 免疫が関与か 厚労省研究班

 接種後に全身の痛みやしびれなどの副作用が報告されている子宮頸がんワクチンについて、記憶障害や学習障害などの脳の働きに関する症状を訴えた患者の7~8割は特定の白血球の型ををもっていることが分かったと、厚生労働省研究班が16日、省内の会合で発表した。白血球は免疫反応を担うため、ワクチン接種による免疫反応が脳の症状に関与している可能性があるという。研究班代表の池田修一・信州大医学部長は「まだはっきりとしたことは分からないが、より詳細に調べたい」と話しており、研究班は今後、患者150人の白血球型を調査する方針。
 信州大学を受診した患者14人を調べたところ、10人が特定の白血球型を持っていた。鹿児島大では19人中16人だった。また免疫の異常を起こしやすくしたマウスに同ワクチンを接種すると、神経細胞を攻撃する抗体が作られることが判明した。インフルエンザやB型肝炎のワクチンでは、この抗体はできないという。
 一方、主に痛みの治療に当たる別の研究班(代表。牛田享宏愛知医大教授)によると、運動やリハビリなどの治療で、慢性的な痛みを訴えた98人のうち、66人で痛みが軽くなった。

2016年3月17日(木) 信濃毎日新聞より