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私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

ファイナルアンサーは Sonus Faber「CREMONA」

2013年12月08日 | オーディオ
 スピーカーを巡る冒険の最終章。

 過去5年の私のスピーカー歴は、
  JBL「S3800
→ Onkyo「Scepter1001
→ Sonus Faber「ELECTA AMATOR
→ Mitsubishi「2S-305
というものでした。

★ スピーカー関連の過去ログ
(2013-11-10)DALI「EPICON6」試聴記
(2013-04-21)Burmester & Sonus Faber 試聴会
(2013-04-14)Mitsubishi「2S-305」導入期 ~その3~
(2013-04-14)Mitsubishi「2S-305」導入記 ~その2~
(2013-04-14)Mitsubishi「2S-305」導入記 ~その1~
(2013-04-03)伝説の MItsubishi「2S-305」を手に入れる
(2013-04-03)憧れの Kripton「KX-1000P」
(2013-03-24)B&W 804Diamond 視聴記
(2013-02-17)バイワイヤリングに挑戦
(2013-02-16)スピーカースタンド「KRYNA Stage」導入
(2013-02-09)Sonus Faber 'ELECTA AMOTOR'
(2013-01-19)「Pino parlante Acer」(atelier il conforto)を囲んでのオーディオ・オフ会
(2013-01-06)楽器のようなスピーカー「IL CONFORTO Pino Parlante Acer」
(2013-01-10)オーディオショップでスピーカー談議(その2)
(2012-11-05)スピーカー変更:JBL S3800→ ONKYO Scepter 1001
(2012-09-29)オーディオショップでスピーカー談議
(2012-03-25)スピーカーのセッティングで音が激変
(2012-03-16)スピーカー(TAD E-1、他)視聴記


 S3800 はダブル・ウーファーの大型トールボーイ。「ピュア・オーディオでもAVでもOK」とのキャッチフレーズに惹かれて購入したものの、低音の暴れをコントロールしきれず手放しました。この狭い部屋ではスピーカー後面の空間を十分とることができないのが致命的だったと今になって思います。
 Scepter1001はその昔所有したいた懐かしのスピーカーで、1990年代の「スピーカーは大きくて重いほどよい」という時代の名品(重量50kg)です。中古のメインテナンス品を再度入手しそれなりに満足していました。
 その後、ネットを通じて某オーディオマニア(現在は師匠)と知り合い、彼の勧めで ELECTA AMATOR を入手。私にとっては初めてのブックシェルフ型でした。その凝縮された中音域に魅せられ、比較すると音の芯が細く滲んで聞こえてしまうScepter1001を手放しました。
 しばらく聴くうちに、ELECTA AMATOR はヴォーカルと弦楽器は絶品なのですが、現代的なフージョンやポップス/ロックを再生するとちょっとおとなしめで物足りなく感じはじめました。ブックシェルフ型の宿命で、高音域/低音域が伸び切らないためと思われます。
 そこにオーディオ本(「これだ!オーディオ術」村井裕弥著)で知った2S-305。「低音が出る出ないとか、そんな低レベルの話じゃないよ。」という文言に期待して、40年前のNHKで使用されていたモニターのメインテナンス品を購入しました。重量50kgで家具のように大きく、10畳足らずの部屋での存在感は圧倒的でした。
 確かに、手足の十分伸びきったストレスのないすばらしい低音でした。ただ、DIATONEの特徴として高音が硬くきついことが耳に触りました。そのキンキン高音がなんとかならないものかとあれこれ試しました。アンプやケーブルに投資して情報量を増やすことによる発展的解消を目指しましたが、結局達成できず。
 この間、今まで軽視してきたケーブルによる音の変化に開眼しました。「柔らかい音が特徴」との触れ込みで購入した安価なケーブルは音の腰がフニャリとなくなってしまいガッカリ。高価なケーブルは値段なりに情報量が増して充実した音へ変化しますが、オーディオ本体以上の価格のする超高級ケーブルには手が出せず(苦笑)。
 あとで販売店に聞くと「AGIのプリアンプや管球アンプを使わないとあの高音は柔らかくならない」と説明されました。管球アンプの柔らかさ、まろやかさはそれはそれで魅力的ですが、私としては腰の強い、芯のある音が基本的に好みなので、やはり目指す方向が異なっていたのかもしれません。

 ELECTA AMATOR の濃厚な中音域と2S-305の伸びきる低音域、そして刺激感のない透明な高音域を再生可能なスピーカーが欲しい、という無理難題を掲げてさらにスピーカー探しの旅が続きました。

 近隣のオーディオ・ショップに出かけて何回か試聴もしました。
 記憶に残るスピーカーは・・・
 B&W「802D」は低音/中音域はみごとだけど、ダイアモンド・ツィーターのキンキン高音が耳に刺さりボツ。
 DALI「EPICON6」は音場感豊かでクラシックの再生は魅力的だけど、中音域の濃さが物足りない。

 こんな悩みをオーディオ師匠のN氏に相談すると、それなら「CREMONA」がお勧めですよ、との返答。
 ELECTA AMATOR の中音域の濃さを残しながら、高低音域も伸びるとのこと。
 他にもいろいろ候補を挙げて質問しましたが、各スピーカーの特徴を挙げて私の希望に合うかどうかアドバイスしてくれました。お互いにオフ会と称して訪問したこともあり、彼のアドバイスが的確なことは経験済み。
 
 そして「CREMONA」を探しました。
 もう生産は終了しているので中古しかありません。
 ざっと見渡したところ、相場は状態により50~70万円の範囲と確認するも、皆販売済み。
 しばらく探していると、何回かお世話になっているハイファイ堂さんのHPにそれを見つけました。中古品をメインテナンスして販売している信頼できるお店です。
 購入前に相談メールを出し、N氏と同じように他の候補スピーカーについても質問しました。すると、おおむね同様の回答であり「CREMONAが一番お勧めです」とのコメントに意を決しました。
 現在使用中のELECTA AMATORと2S-305を下取りに出すことで出費を抑えることができました。特にELECTA AMATOR は購入金額とあまり変わらない下取り額を提示されて驚きました。評価が高い証拠ですね。





 そして昨日、CREMONAが到着しました。
 細身のトールボーイ型で、上から見ると独特のリュート型。見た目も美しい。
 早速セッティング。
 システムは以下の通り;
□ CDプレーヤー:Esoteric SA-50
□ プリメインアンプ:Jeff Rowland CONCENTRA
□ スピーカーケーブル:AET SCR SP EVD

 手始めにお気に入りのCDを聞いてみました。
 ステイシー・ケントのヴォーカルは、口元が大きい小さい云々よりも、彼女がそこに立って歌っているというステージ感がフワッと現れたので驚きました。空間表現、音場表現が別格です。
 ノラ・ジョーンズのスモーキー・ヴォイスも雰囲気たっぷりで心地よい。
 パット・メセニーのソロ・ギターは見晴らしよく広がると共に、ブンブン力強く響いてきます。
 クラシック系では、アンドルー・マンゼのバロック・ヴァイオリンの艶やかさと摩擦音が混在した息づかいを伝えてくれます。
 ジャズが想像以上によいことに気づきました。
 ウォルター・ラングのピアノの音が伸びて広がるし、サックスの音は色っぽいし、ドラムスのブラッシュ・ワークの繊細さも目に見えるようだし・・・う~ん満足。
 また、古い録音も雰囲気よく再生してくれることにも感心しました。ミッシャ・エルマンのヴァイオリンは雑音の中から古き良き時代を伝えてくれます。
 2S-305は録音状態を裸にする傾向があり、古い録音が悲しい音で再生されがちでしたので想定外の収穫です。
  
一つ気になったことと言えば、イーグルスの「Hotel California」のバスドラムの音が少し膨らむことくらい、かな。まあ、バスレフの宿命でしょうか。

 というわけで、いままでの私の悩みをほとんど解消してくれる素質を持ったスピーカーであることを今喜びと共に実感しているところです。
 アドバイスいただいた諸兄に感謝。

「DALI EPICON6」試聴記

2013年11月10日 | オーディオ
 地元のオーディオショップでこのスピーカーの展示品が売りに出ていることを知り、興味があったので聴かせてもらおうと出かけてきました。

 DALI は HELICON シリーズで有名です。
 音像よりは音場型でクラシック音楽の再生には定評があります。
 EPICONシリーズはHELICONシリーズの上級ラインで、EPICON6は音場型に音像型の要素が加わり「バランスが良い」と評価が高いモデルです。

 試聴システムは以下の通り;

 CDP:Marantz SA-11S3
 プリアンプ:Accuphase C-2420
 パワーアンプ:Accuphase P-46
 スピーカー:DALI EPICON6

 配置は写真の通りで、スピーカーは絨毯の上に直置きでした;



 EPICON6を聴きに来た旨を話すと、店長曰く「なんでもキレイに聴かせるスピーカーですよ」とのこと。
 いやが上にも期待が高まります。

 小一時間ほど持参のCD-Rを再生しました。
 まずはクラシック系。
 音場が自然にかつ豊かに広がり、オーケストラの楽器の配置も目に見える様です。
 これはCDPとアンプの優秀さも影響していると思われます。
 ヒラリー・ハーンのヴァイオリンの高音もキンキンせず、アンドルー・マンゼのバロックヴァイオリンのややかすれた音色も美しく再生します。
 うん、いいなあ。
 いつまでも聴いていたい気持ちにさせられました。
 ただ、ミッシャ・エルマンの古い録音はそれなりで、ふくよかさはなく貧弱さが目立つ印象が拭えず。

 つづいてヴォーカル系。
 ノラ・ジョーンズのスモーキー・ヴォイスは絶品です。
 ケルティック・ウーマンのハーモニーはとても美しく、各人の位置もわかる鮮明さ。
 ヴァイ・レッドのハスキー・ヴォイスもよい雰囲気ですが・・・サックスの音がやせがちかなあ。
 ステイシー・ケントの声も色艶があってよいのですが、バックのベースの低音が膨らんでしまうことに気づきました。
 中音域が弱いというわけでもないのですが、ジャズの楽器は今ひとつの印象。

 その後もポップス系ヴォーカルを聴き続けたところ、なんとなくつまらない音に聞こえてきました。
 不思議です。
 ポップス系のソースが苦手なのか、私が期待しすぎたのか、私の耳が疲れたのか・・・。
 Sonus Faber ELECTA AMATOR の濃厚な中音域に慣れている私の耳には、EPICON6 の中音域は薄めたように聞こえるのかも知れませんね。

 私的には、
 クラシック系は100点
 ジャズ系は80点
 ポップス系は70点
 というところでしょうか。

 音像の解像度という点では B&W 804D に軍配が上がると思われますが、前評判通り音場&音像をバランス良く再生するスピーカーという印象が残りました。気になるのはヴィンテージ録音が貧弱に聞こえることと、ジャズ・ベースの低音が膨らみ気味になることくらいですが、それを差し引いても総合的に優れたスピーカーです。まあ100万円以上するので値段なりかもしれませんが・・・。
 ただ、私はバスレフ型にトラウマ(低音の暴れをコントロールできなかった)があるので、やはり密閉型の KRIPTON KX-1000P を聴いてからでないと食指を動かしてはいけない、と自分に言い聞かせたのでした(笑)。

 といろいろ思案している過程で、新たなスピーカー候補が浮上してきました。
 私のオーディオ師匠N氏と中古をメインテナンスして販売するプロショップの定員さんが口を揃えて「お勧め」する品です。
 次回にこうご期待!

ケーブル類のグレードアップはN氏特製

2013年10月24日 | オーディオ
 現在の私のシステムはCD3500枚をパソコンに取り込んだMacを中心としたいわゆるPCオーディオです。
 次の2系統で聴き分け;

■ MacPro→ AUDIOQUEST Diamond→ Esoteric SA-50→ Jeff Rowland CONCENTRA→ Mitsubishi 2S-305
■ MacPro→ FURUTECH GT2→ Accuphase E-460→ Sonus Faber ELECTA AMATOR

 主に2S-305では大編成オーケストラやジャズを、ELECTA AMATOR では弦とヴォーカルを楽しんでいます。
 ただ、2S-305に少し不満があります。
 このスピーカーは音域の上から下まで歪みなく伸び伸びと再生してくれるのが魅力的ですが、高音のキンキンキラキラが耳を刺激するのです。まあDIATONE の特徴と云ってしまえばそれまでなんですが・・・。
 ケーブル類でなんとか調整できないものかと、いろいろ物色してきました。
 しかし、ケーブル類は数値で判断できる目安がないのが悩ましい。各メーカーの説明を読むと良いことばかり書いてあり選択の参考になりません。

 そこで、市販品のインプレッションをオーディオ通のN氏に聞いてみました。
 すると、製品の特徴から私のシステムに合うかどうかも教えていただきました。ふむふむ、なるほどと読み進めていくと・・・最後に「なんなら私が作りましょうか?」と一言添えてありました。

「!」

 私はその言葉に飛びつきました。
 オフ会で彼のシステムを聴かせていただいたときの衝撃が甦りました。
 ニュートラルな音、歪みのないキャラの立った音が上下の音域にストレス無く伸びきり、部屋の外までステージ(音像)が広がる快感・・・。
 私のターゲットの一ケタ上の価格のハイエンド・オーディオを聴き尽くしてきた彼(最近「dCS」をコンプリートしたそうです)。
 その行く末に「自作」にたどり着いたのですね。

 早速、依頼して作成していただきました。
 彼の解説と、私のファースト・インプレッションを記しておきます;

電源ケーブル線材は英国製の純度の高いUP-OCCを用いた銅線を用い、電源プラグ、インレットプラグもUP-OCCのハイグレードのものを使用。駆動力もあり、情報量の多さがウィークポイントになっています。駆動力も上がりますのでパワーアンプにも適しています。

→ 分解能・S/N比が良くなり、とくに低音がタイトになるとともに迫力が増したことに驚きました。今までのシステムでは2S-305でも低音がぼやけることがあったのですが、それが解消しました。
 私が昔から愛聴しているウィンダム・ヒル・レーベルのウィリアム・アッカーマンというアーティストがいます。彼の「Meditation」というアルバムのギターの低音割れがずっと気になっていたのですが、それがほぼ消えました。録音が悪いわけではなく再生するシステムの問題だったことに改めて気づいた次第です。
 トミー・エマニュエルのギターが半端でない鮮やかな音で再生され、「こんなすごい音だったかな?」と私の耳が驚きました。
 残念ながら、高音のキンキラは解消するに至らず・・・。

電源タップカナダのHammondのケースを使って高級線材を用いて作成、コンセントにはCooperの最高グレードの無メッキプレートに換装。ハモンドでクーパーのコンセントを採用したのはタップで癖があるとバランスが崩れるのであえてクーパーの無メッキにしました。メッシュチューブには最高級のアラミド繊維を中心として音質に配慮したもの。傾向はワイドレンジかつ中高音の耳あたりも良く、透明度の高いニュートラルサウンドで情報量を引き出せるよう完成させたものです。

RCAケーブルスイスのスーナーのスコフレックス最高グレードの線材を用いて作成。計測用ですが情報量は抜群です。アコースティックギターの音やヴァイオリンの音が生々しくなり瑞々しさも増して弦の擦れ方がリアルです。弦楽器を中心に追い込むとスーナーの線材は欠かせない存在になります。音のフォーカスの滲みが低減して鮮明になって、情報量が大幅に増えます。1つ1つの音の滲みも低減しますし、適確に音を描写しますからニュートラルになった事が感じられると思います。

→ 一言で云うと、音のリアル感がワンランクアップしました。
 個々の音は付帯音が消えてどちらかというとタイトになりましたが、音像が立体的になり響きがふくよかに広がる印象です。情報が正しく伝わり、かつ量が増えた効果でしょうか。輪郭がぼやけがちなピアノの音がタイトに響き渡る空気感は快適です。
 逆に美音の塊のように聞こえた楽曲の音が分解されておとなしくなり、思っていたほどの美音ではなかったことに気づく音源もありました。まあ、良しも悪しくも録音が裸にされる感じ。

 以上のように音は確実にグレードアップしたわけですが、電源タップとRCAケーブルは同時に換えたのでどれがどちらの効果かわからなくなってしまいました(笑)。
 2S-305の高音キンキラも、消えはしませんけどケーブル交換前より気にならなくなりました。
 CD情報を確実に伝達することにより音像のにじみが減っているのでしょう。つまり「発展的解消」しつつあるのかな。

 今回も、N氏の理想の音を求めるエネルギーに脱帽するばかり。オーディオ・メーカーのみならず、計測用や軍事/宇宙工学仕様の製品まで手を伸ばしているのですから。

 ケーブル類をグレードアップする方向性には「色づけ」と「情報量を増やす」の二通りがあると思います。
 しかし中途半端な色づけはえてして失敗しがちです。私も「柔らかい音」を求めてケーブルをいくつか試しましたが、「柔らかい=豊かな響き」のつもりが「柔らかい=腰砕け」になってしまったり。やはりCDに収録されている情報量を余すところ無く引き出す手法が王道ですね。
 N氏の方向性はまさに王道を極めたものだと実感した次第です(進化は現在進行形、恐るべし)。

真打ち登場! Jeff Rowland「CONCENTRA」

2013年09月16日 | オーディオ
 我が家のオーディオシステムを再確認:

□ 音源:MacPro(CD3000枚をリッピング)
□ USBケーブル:AUDIOQUEST Diamond(5m)
□ CD/SACD-P:Esoteric SA-50
□ プリメインアンプ:Accuphase E-460
□ スピーカーケーブル:Acrolonk 7N-S1400IIIAET SCR SP EVD/1.5m
□ スピーカー:Mitsubishi 2S-305, Sonus faber ELECTA AMATOR

 このブログにお付き合いいただいている方々にはおわかりでしょうが、事のはじまりはスピーカー選びでした。
 ELECTA AMATOR の官能的な音色にしびれながらも音域の広がりに不足感を感じた頃、Mitsubishi 2S-305 の一点の曇りなく音の高低も空間の上下左右も再生する素晴らしい能力を知りました。
 車に例えれば、足を伸ばせる高級フルセダンと云った印象でしょうか。
 ネットで探したところ、ハイファイ堂さんにメインテナンス品を発見し購入するに至りました。
 しかし、唯一気になった点は「高音の硬さ」。エッジが効きすぎて、ときに耳障りなのです。
 まあ、Mitsubishi~Diatone の特徴ではありますが。

 この高音の硬さがなんとかならないものかとアンプ(E-460)をそのままにケーブルを物色しはじめ、知り合いのオーディオ通のアドバイスを受けながら上記内容となりました。
 みなそれなりに効果を感じられましたが、元々の素性は消えません(当たり前か)。

 そこで、禁断のアンプ探しの旅が始まったのです。
 E-406~E-460 と聴き繋いできましたが、Accuphase の優等生的寒色系の音と2S-305の組み合わせを崩さない限りは高音の硬さは解決しないことに気づきました。
 部屋を見渡すと、スペースの点からセパレートアンプは置けそうになく、やはりプリメインアンプがターゲット。

 いろいろ物色する中で、以前オーディオ・オフ会で聴いた「Jeff Rowland CONCENTRA」が気になり出しました。
 あの時は「豊かで柔らかい音だけど芯が通っている・・・やはり高級オーディオの世界は違うんだなあ」という印象で、オーディオに「艶」とか「色気」を感じた最初の経験でもありました。
 ただ、100万円以上という価格を聞いて自分とは縁のないものと無意識のうちに除外。





 そんなタイミングで、彼がCONCENTRAをネット・オークションに出品したことを知りました。
 良心的な価格設定でありながらもまだまだ高価であり、なかなか入札がありません。
 私は直接交渉して「お友達価格」で譲っていただきました(喜)。

 そして到着・セッティング。
 この機種、電源ボタンが存在しないことに驚かされました。
 CONCENTRAはその後CONCENTRA2が発売されましたが、初代にも前期型と後期型が存在します。前期型は「コンセントの抜き差し=on/off」なのです。オーディオ通さんによると、柔らかい中でも前期型の方がエッジが効いているとの評価でした。

 E-460 と入れ替えての音の変化は・・・うん、全体的に硬さが和らいで、それでいて充実した音。
 2S-305も嬉しそうに朗々と音を奏でています。
 高音の硬さも残りはするけど、この辺が妥協点なのかなあ。
 あとはUSBケーブルのエージングを待ちますか・・・。

 それ以来、音域が高低に伸びたメリハリのきいた楽曲は2S-305で、ヴォーカルや弦の音色を聴きたい時はELECTA AMATOR と自然にスピーカーを使い分けるようになったのでした。

オーディオケーブルにおける「エージング」とは?

2013年07月30日 | オーディオ
 オーディオ用語で「エージング」というモノがあります。
 日本語にすると「年を取ること」ですが、ここではオーディオ機器が使い込むことによってよい音を出すようになることを意味しています。
 
 昔から「エージングとは何ぞや?」と疑問に思っていました。
 機械的には何が起きているんだろう。

 あるとき、オーディオ評論家の菅野沖彦氏の文章を目にしました;
「スピーカーのエージングとはコーンの緩やかな劣化である。使い込むうちにほどよい硬さになるが、その状態がずっと続くわけではなくいずれ柔らかすぎて音に締まりがなくなると予想される」
 と言うような意味のことが書いてあり、大いに頷いた私。

 では、オーディオケーブルのエージングとは?
 金属の電線の集まりですから、それが1ヶ月単位で柔らかくなるとは考えにくい・・・。

 先日、オーディオで使用しているUSBケーブルを FURUTECH GT2 から AUDIOQUEST Diamond へグレードアップしました。DBS(ダイ・エレクトリック・バイアス・システム)という、ケーブル外郭に電気を通し外部ノイズを遮断する機構が売り。高価な品につきなかなか思い切れなかったのですが、ショップの以下のアドバイスに期待して購入を決めました;

「USBケーブルを「AUDIOQUEST USB/Diamond」へ変更することで音に開放感と美しく伸びやかな表情を与えます。楽音の分離感・音色の艶等、表情が活き活きがすることでより艶めかしい表現力をお楽しみ下さいませ。」

 届いてセッティングして聴いてみると、確かに音の解像度が増したと感じる一方で、エッジが立つというかメリハリが付きすぎて耳に刺さる印象もあり、長時間聴く気になれません。購入元に問い合わせると「最初はきつい音ですが200時間くらいエージングすれば豊かな音になります」と説明され、よい機会と捉えて「ケーブルのエージングって、何が起きているんですか?」と以前からの疑問をぶつけてみました。

 回答は以下の通り;

「率直に申し上げますと、何が起こっているかまでは解りかねます。ただ、実際に通電し、エージングを行ったケーブルと行なっていないケーブルとでは表現力に大きな違いがございます。エージングを行なっていないケーブルは表情が固く、表現もぎこちない状態です。エージングを行うことで表情がほぐれ、活き活きとした表現力を発揮します。
 スピーカーユニットのように目に見えるものではないですが、ケーブルもエージングによってその表現力は大きく向上します。」

 ウ~ン、結局「わからない」ということですね。
 知り合いのオーディオ通にも同じ質問をしてみたところ、こんなコメントが返ってきました;

「エージングとは劣化なのですが線材や部品は劣化した事によって音も馴染んできます。半導体・トランジスタ等も劣化しますが劣化する事によって聴感的に好ましい結果がなるケースが多いです。革のソファも新品当初は硬いですが使ってるうちに柔らかくなり、座り心地が良くなるのと同じような感じです。」

 わ、わかりやすい!

 ホワイトハウスコックスのコードバン製の財布が、使い込むほどに光沢を帯びて飴色へ変化していくイメージに近いのかもしれません。