私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

B&W 804Diamond 視聴記

2013年03月24日 | オーディオ
 街のとある電気屋さんの2Fはオーディオ専門スペース。
 そこで昨日「マランツの最新機器でB&Wを鳴らす」企画があり、試聴に出かけました。

 ラインナップは以下の通り;
SA-11S3(CD/SACDプレーヤー)
PM-11S3(プリメインアンプ)
804Diamond(スピーカー)

 はじめにメーカーの方から簡単な解説があり、CDやハイレゾ音源などを聴かせてくれました。
 まず、その分解能と音場表現に驚きました。
 スピーカーの存在が消えて、かぶりつきでステージを見ている錯覚に陥りました。

 B&W 804 Diamond といえば、以前この店で試聴したことがある機種(2012.3.16のブログ)。
 その時は TAD E-1 と比較したので分が悪かったのですが、中音域・低音域は良いもののダイアモンド・ツィーターの金属音が耳について「このスピーカーに100万円は出せないなあ」と私の評価は今ひとつでした。

 しかし昨日の音は、高音もキレイに伸びてイヤな刺激感が全く感じられません。
 なぜなんだろう?

 メーカーの方に質問すると、使用機器やケーブル類により音も少し変わりますよ、とのコメント。
 しかし、前回試聴の時も Accuphase の高級ラインのCDP、アンプだったはず。
 カーペットの上にスパイクのみで直置きされていたセッティングの影響もあるのかなあ(ふつうスパイク受けやオーディオ・ボードを敷きます)。
 ただ、マランツの製品は最終的にB&W のスピーカーで音合わせをするとの説明があり、Accuphase より最適化しているのかもしれません。

 とにかく、804D の音に聞き惚れた午後でした。
 試聴会に向けて急遽作成して持参したCD-Rもかけてもらいました。

 ダイアナ・クラールのヴォーカルではシンガーが前面に出てバンドが後ろにある奥行き感がバッチリ。
 ステイシー・ケントのヴォーカルも口元の動きさえわかるような分解能。
 ケルティック・ウーマンのハーモニーでは各ヴォーカルの位置がキチンと分離して聞こえます。
 アンドルー・マンゼのバロック・ヴァイオリンの摩擦音とつややかな音色も共に上品に表現。
 デビット・ダーリングのチェロは深く沈み込む低音を破綻なく再生していました。

 う~ん、文句のつけようがない。
 このスピーカー、売れるはずです。
 

※ 同機種の試聴関連ブログを拾ってみました;
MARANTZのプリメインアンプを試聴した。
注目の新製品!マランツ「SA-11S3」「PM-11S3」試聴レビュー♪
CDプレーヤーを選ぶということ <オーディオ研究室>

 これらのブログを読むと、やはり比較して試聴しないと音の特徴がわかりにくいのかな、と感じました。
 そこであらためて気になり出したのが TAD E-1 。
 前回は確かに 804D を凌駕する印象がありました。
 また聴き比べてみたい・・・。

Onkyo Scepter 1001 を里子に出す

2013年03月17日 | オーディオ
 つい先日まで我が家のメインスピーカーとして君臨していた Scepter 1001。
 その彼が Sonus Faber ELECTA AMATOR の登場でその座を明け渡し、物置部屋で冬眠する羽目になりました。
 暗い部屋で巨体を窮屈そうにしているのを見ていて切なくなり、興味を示した友人宅に里子に出すことにしました。



 昨日午後、ヤマトの「らくらく宅配便」で旅立ちました。
 重量50kgで持つ位置が確保できない四角い塊を2Fから階下・玄関へ運ぶのは、若い男性二人でも難儀そうでした。
 その昔、まだ30歳台の私は自分一人でこのスピーカーを2Fに運び上げて腰を痛めたことを思い出しました。
 私はオーディオのレイアウトを結構いじる方なので、フロア型よりブックシェルフ型の方が楽でいいですね。

 さらば Scepter 1001、もらわれ先でいい音出してかわいがってもらえよ~。
 
<追記>
 里子に出した友人宅で、Scepter1001 は第3(?)の人生を歩み始めました。
 「とても良い音がする」と気に入ってもらえた様子。
 よかった、よかった。


Esoteric SA-50 でUSB音源をアップコンバート

2013年03月14日 | オーディオ
 そろそろブレーキをかけなきゃ・・・と思いつつもまた買ってしまいました。
 今回はSACDプレーヤー。

 実は昨年、Esoteric RZ-1 という製品を購入済み。
 これはSACDプレーヤーにデジタルアンプも内蔵されているレシーバーと呼ばれる機器です。
 しかし「多機能=コンポ」的な要素は微塵も感じさせない、ハイファイ・オーディオの製品です(価格も35万円)。
 価格.com逸品館の評価もまあまあ。



 RZ-1購入の際に私が注目したのは「USBポート」。
 これがあると、パソコンにつなぐことによりネットオーディオを構築可能です。
 iTunes にリッピングした膨大なCD群を本格オーディオで聴くことができるのです。
 実際にそのようにして’手作りジュークボックス’を楽しんできました。

 しかし、一つだけ欠点がありました。
 私はアンプを複数台所有しています。
 RZ-1をSACDプレーヤーと位置づけ、真空管を含めたいろんなアンプをつないで楽しもうとしたところ、OUTPUTがないことに気づきました。
 これでは他のアンプとつなぐことができません。
 まあ、アンプ一体型ですから当たり前と云えばそれまでですが・・・。
 いい音を出しているんだけど、私のオーディオ環境ではこの一点が残念。

 そして他のSACDプレーヤーを物色し始めたのでした。
 選択のポイントは、CDと比較してSACDの良さを堪能できるレベルにあることと、やはりUSBポートの存在です。
 候補に挙がったSACDプレーヤーを低価格の物から並べてみます;

Onkyo CR-N755(オープン価格、実売価格:\34,939 ~ \38,800)
 ・・・機能が盛りだくさんで楽しめそう。USBポートとEthernetポートがあり、パソコンをつないでのネットオーディオも、インターネットラジオも楽しめる。これはこれで良い製品ですが、音は価格なりのそこそこのものと思われます。寝室でBGMを流すにはよさそう。

marantz UD7007(定価150,000円、実売価格:\116,799 ~ \129,980 )
 ・・・いわゆるユニバーサルプレーヤーでSACDにとどまらずBDやDVDも試聴可能。しかもバランス接続(XLR)ポートを有しているという気遣いがたまりません。もちろんUSBポート、Ethernetポートも装備。一時、本気で購入を考えました。しかしアンプ(Accuphase E460)とスピーカー(Sonus Faber ELECTA AMATOR)とはバランスがとれていない・・・ここはガマンか。

Esoteric SA-50(定価:400,000円、実売価格:\360,000~\389,000 )
 ・・・SACDプレーヤーとしても優秀であり、USBポートも装備し条件を満たしています。ただ、Esoは「寒色系」の音色で有名なブランド。愛機 ELECTA AMATOR の「暖色系」の音色とケンカしないかが心配です。

□ DENON SA-1(定価:500,000円、実売価格:398,000円)/SX(定価:800,000円、実売価格:\672,000~\798,000)
 ・・・いままで縁のなかった中音域が充実したDENONサウンドを聴いてみたいけど、USBポートがないんですよねえ。

Accuphase DP550(609,000円)
 ・・・はずれ無しのAccuphase。音もいいけど高い、中古でも値崩れしない。本命だけど予算オーバー(涙)。

LUXMAN D-06(定価:500.000円、実売価格\420,000~\463,600)
 ・・・評価が高いけど、単発という印象が否めず。定期的に製品を発表して技術を練り上げ、信頼感を勝ち取ってきたEsotericやAccuphase の方が安心できます。USBポートなし。

 等々。

 で、結局 Esoteric SA-50 を選んだわけですが、その理由はやはりネットオーディオ機能です。
 決定的なポイントはUSB入力音源のアップコンバート(アップサンプリング)機能。
 SA-50はUSBでパソコンと繋げるだけでなく、その音源の高音質化が可能なのです。
 CDをアップコンバートする機能は他の機種にもありますが、外部入力音源までもアップコンバートする機能は私の知る限りこのクラスではSA-50のみ。
 気になる「寒色系」の音色ですが、購入先の店員さんに質問したところ「SA-50の音は素直なので Sonus の音とかち合うことはないでしょう」とのコメントをいただき一安心。
 というわけで、SACDプレーヤーとしての基礎体力もあり、ネットオーディオの拡張性もあり、と辿り着いた選択でした。

※ 参考になったHP

□ 「DAC考察 原音忠実とアップサンプリングと補間 何がいい音?

□ DYNAMICAUDIOの紹介記事:その1/その2/その3
 ・・・これらの記事を読んでアップコンバートを知り俄然興味が湧きました。

□ 音に埋もれて眠りたい:
ESOTERIC SA-50 vs X-05、高域に嫌味がないぶんSA-50の勝ち
LUXMAN D-06 vs ESOTERIC SA-50、水と油なハイエンド対決の結果やいかに?

サブかるたん:Esoteric SA-50

快聴亭夢想録「SA-50」

 そして昨日、SA-50が届きました。
 四角くて無表情な顔の彼を見ていると「そんなにジロジロ見るなよ、武骨で悪かったな」という声が聞こえてきそう。
 ラックに乗せる際その重さ(18kg)が腰に響きました。



 早速セッティングしてUSB経由の音源のアップコンバートを試しました。
 ところが・・・2倍、4倍にアップコンバート、DSDに変換しても私の耳では良さが聞き分けられません・・・(涙)。
 体調が悪いのか、今までのセッティングで一定レベルの音に耳が満足してしまったのか・・・しばらくじっくり聞き込んでみたいと思います。

※ アップサンプリングの参考HP
□ OK WAVE「アップサンプリングで質問なのですが、44.1KHzから176.4KHzにアップサンプリングしたら音質が良くなるのでしょうか?
 ・・・これを読むと、元々のデータは変わらないから計算式でかさを増やしても音質が劇的に改善することはなさそう。

□ 「DAC考察 原音忠実とアップサンプリングと補間 何がいい音?
 ・・・SA-50の兄弟機 K-05 のアップサンプリングのメカニズム(SA-50と同じ)について触れています。

<追記>
 さて、一夜明けてさらに様々な音源を聴いてみました。
 あれ、やけに音がキレイで澄んでいるような・・・
 明らかに昨日とは違う。

 1960年録音のオットー・クレンペラー指揮のワーグナーが驚くほど新鮮に迫ってきます。
 カラヤン指揮のシンフォニー群も音場豊かに再生してくれます。
 パット・メセニーやウィリアム・アッカーマンのソロ・ギターも静寂の中に美しく浮かび上がります。

 小さな音量でも、音を大きくしても良し。
 いい感じです・・・でも昨日と違うのはなんでかなあ。

MP3で聴くノラ・ジョーンズ

2013年03月10日 | オーディオ
 これもロシア製のMP3CDです(なんと2枚組)。
 デビューから最新のアルバムまで網羅し、ライブや対話式の音源も入っていました。

 ノラ・ジョーンズは、一応ジャズシンガーに分類されていますが、私は「アメリカン・トラッド・ミュージック」の方が近いと思います。
 最初はジャズ色が濃かったものの、アルバムが発売される毎にカントリーやブルース色が強くなってきているような・・・。
 20世紀前半の古き良きアメリカン・ミュージックの香りがしてくるのです。

 彼女は世界的に有名なシタール奏者「ラヴィ・シャンカール」の娘であります。
 でも物心つく前に両親は離婚したので直接指導・影響を受けたわけではありません。
 音楽的素養は母が働いている間に一人ぼっちの寂しさを紛らすために聴きふけった膨大なLPレコード群の影響が大きいようです。
 そんなルーツですから、近年の彼女の音楽的方向性も頷けるところ。

 ノラの声、いいですねえ。
 ハスキーまでいかないけど、ややかすれて温かい響き。
 「スモーキー・ボイス」と表現した人もいました。
 ずっと聴いていても飽きません。

 ジャズ路線を進めばダイアナ・クラールを越える逸材になりそう。

 今まで聴いてきた他のアーティストのMP3CDは1回通して聴くと「もうしばらく結構」とお腹いっぱいになりがちですが、
 ノラは抵抗なく第二クールに突入しています。