私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

ダーク・ダックス

2011年04月02日 |  My Favorite Artist
 云わずと知れた、日本のポピュラー音楽界の男性コーラスグループの代表です。
 今年なんと結成60周年、人間で云えば還暦。
 しかし、記念番組制作中にメンバーの一人が病に倒れ、亡くなるに至り祈念コンサートは実現できませんでした。

 私は40歳台後半なので、彼らのデビュー当時は知り得ませんし、全盛期である歌声喫茶時代も経験していませんが、私なりのダークダックスの想い出を書き留めてみます。

 中学生の頃、親戚のおばさんから聞き古したレコードを何枚かいただきました。
 厚さ3-4mmもあるクラシックのレコードに混じって、ダークダックスのロシア民謡集を見つけ、それが気に入ってすり切れるほど繰り返し聴いたのでした。
 「ともしび」「カチューシャ」に始まり「ヴォルガの舟歌」「アムールのさざ波」「ステンカラージン」が大好きでした。

 意外なことに、ダークダックスのヒット曲にオリジナル曲はありません。
 すべて巷で拾ってきた曲だそうです。
 
 しかし、ひとたび彼らが歌うと一瞬でダークダックス色に染まり、オリジナル曲の様に聞こえてしまうのがプロなのでしょう。

 彼らのハーモニーの特徴は、緩やかで優しいビブラート。
 「そよ風にたゆたう湖面」を感じ、自然に包まれるような心地よさがあります。

 ダークダックスの佇まいには常に襟を正す「気品」が漂い、彼らの歌う叙情歌は日本の良心を具現しているかのよう。
 もう一つの男性コーラスグループであるボニージャックスは「野武士」というイメージであり対極にありますね。
 前者は慶應ボーイ、後者は早稲田出身と聞いて、なるほどと思いました。

 
※ 番外編
 「雪山賛歌」という歌があります。
 若い頃、長野県をドライブしていて温泉に入りたくなり、フラッと立ち寄った「紅葉館」という鹿沢温泉の民宿。
 そこには「雪山賛歌発祥の宿」と書いてありました。
 温泉は板張りの内湯で、数人高齢の湯治客が暗い中で何十分もじっとして動かないのです。当時の温泉ブームとは一線を画す、「湯治」という別世界に迷い込んだような錯覚を覚えました。