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私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

TRIODE 真空管アンプ試聴会

2014年06月09日 | オーディオ
地元のオーディオショップで開催された「TRIODE試聴会」へ足を運びました。
トライオード社長の山崎順一氏が直接解説してくれる会です。

私が会場にたどり着いたときは以下のラインナップでした;
□ CDP:TRV-CD5SE
□ Amp:TRV-A300SER
□ SP:JBL4365







山崎氏お勧めの音源や、お客さんが持ってきたCDをしばし聴かせてもらいました。
刺激音の少ない、バランスのとれた再生音。
ヴォーカルは色気があって良い雰囲気です。

トランジスタアンプより、真空管アンプの方がスピーカーを選ばない旨を説明していました。
昔のONKYOのスピーカーをトランジスタ・アンプで駆動するとピーキーになりがちだけど、真空管アンプではバランスのとれた音になるそうです。

MUSICA NUDA」というヴォーカルとベースのデュオ作品では、JBLのスピーカーとしては低音が広がらずにキチンと再生されていることに感心し、そう伝えると「このアンプは制動力が結構あります」との回答でした。
「MUSICA NUDA」はベースの低音がキチンと再生できるかどうか確認するにはよい音源だと思います。



CDPは真空管とトランジスタを切り替え可能とのことで、「Luxman D-38u」と同じタイプ。
ただ、TRV-CD5SEはUSB接続可能という点がより現代的です。価格は Luxman の方が上です。
1曲(アン・バートンのヴォーカル)を聴く間に何回か切り替えてもらいましたが、私の耳には大きな違いはわかりませんでした(苦笑)。
敢えていえば、真空管の方がより角が取れて、サ行が気にならないくらいでしょうか。

自分がふだん聴いている曲をCD-Rにして持参し、数曲かけてもらいました。
予想以上に軟らかくおとなしい。
解像度を求めるよりも、音楽の雰囲気を楽しむ方向性。
TRV-A300SERの管の特徴は中音域が濃いことで、TRV-88SERはもっとあっさりしているとのこと。
フ~ン、昔のヒトはこんな音を聞いていたんだ・・・でも、ちょっと軟らかすぎるかなあ。

終了間際に飛び込んだので、真空管アンプ同士の聞き比べはできませんでした。
私としては、試聴室に置いてある TAD E-1 がどんな音になるのか興味があったのですが、これも実現できず。

今回は残念ながら、私のシステム(Mac~LYRA2~CONCENTRA~CREMONA)をいじりたくなるような新しい発見はないまま、帰路についたのでした。

オーディオ師匠のN氏から「Lyra2 にクロックを入れると一ランク上の音になりますよ」と囁かれています。
次はこれかな・・・。

USBオーディオインターフェイス「Lyra2」導入

2014年05月24日 | オーディオ
 使用中のCDP「Esoteric SA-50」の音が固いので、昔の録音が今ひとつ魅力的に聴けないことに不満がたまりつつあったとき、オーディオ師匠のN氏に相談すると、「それなら Luxman D-38u がお勧めですよ」とのアドバイスをいただきました。
 ん?
 初めて聞く型番なのでネットで検索すると・・・なんと真空管を使用したCDPではありませんか。
 こんな製品があること自体、知りませんでした。
 確かに中域が厚いラックストーンに真空管が加わるとさらに艶っぽい中域になりそう。



 アドバイスがもう一つありました。
 「PCオーディオ中心に組んでいるなら、USBオーディオインターフェイスを導入するといいですよ」
 ん? USB・・・って?
 こちらもネットで調べてみると、パソコンとUSB端子のないCDPあるいはアンプとを繋ぐ機器で、DACも兼ねているらしい。
 で、お勧めの品が「PRISM SOUND Lyra2」という品。音楽製作のプロの現場で使うレベルのものとのこと。
 か、価格が40万円越え!
 得体の知れないオーディオ機器(失礼)にしては高価でちょっと手が出しにくい。



 D-38uは生産終了しており、中古も見当たらないので、絶大な信頼を置いている他ならぬN氏の言葉を信じて「Lyra2」を先に購入することにしました。

 製品が届くと、その小ささ・軽さに驚きました。
 なんとなくオーディオ製品は「重ければ重い程よい音がする」と思い込んできた私は、少し不安になりました。
 アンプの Jeff Rowland CONCENTRA と繋ごうとすると・・・
 あれ? ふつうのRCAケーブルでは繋がらない。
 ますます不安になりました(笑)。
 急いでN氏に聞くと、フォン端子なのでピン-フォン端子変換アダプターが必要とのこと。
 家電量販店でそれらしきものを探してきて間に合わせ、RCAケーブルに装着してようやく繋ぐことができました。 

 ここでMac~Lyra2~CONCENTRA~CREMONA、というラインナップが完成。
 iTune のプレイリストが壊れてしまったので(涙)、現在は「Audirvana Free」というフリーソフトを臨時で使っています。

 さて、CREMONAから出てきた音は・・・

 すごい!
 大げさかもしれませんが、これまでの私のオーディオ人生の中で最高の音です。

 一言で云うと「音が冴え渡る」感覚。
 音像も音場も、霧が晴れたようなリアル感をもって迫ってきました。
 何というか、「音を聞く、体で受け止める喜び」を再体験・再認識させてもらった印象です。
 う~ん、こんな軽くて小さな機器で目から鱗が落ちる音に変化するとは・・・。

 N氏のアドバイスに感謝。
 彼の存在無しには、このような機器を購入することはきっとなかったことでしょう。
 D-38uまでいかなくても、これで十分・・・でも欲しいなあ。

<参考HP>
Prism Sound Lyra1 & Lyra2 OrpheusのDNAを受け継ぐ最高品質オーディオI/O!

広上淳一指揮、京都市交響楽団演奏会

2014年04月21日 | オーディオ
NHK-BSで2014年3月30日放映されたものを試聴しました。

広上淳一(ひろかみ じゅんいち)指揮 京都市交響楽団演奏会
(収録:2014年3月14日/京都コンサートホール)
◇ 「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18(ラフマニノフ)」
(ピアノ)ニコライ・ルガンスキー、(管弦楽)京都市交響楽団、(指揮)広上淳一
◇ 「交響曲 第1番 二長調“巨人”(マーラー)」
(管弦楽)京都市交響楽団、(指揮)広上淳一
◇ 「歌劇“カプリッチョ”から“月光の音楽”(リヒャルト・シュトラウス)」
(管弦楽)京都市交響楽団、(指揮)広上淳一


演奏題目は広く知られるメジャーな楽曲です。

広上さんの指揮は、小さな体を大きく動かし音楽を体現するパフォーマンス系。
なんとなく落語家の桂枝雀さんを思い出します。
すると佐渡裕さんが連想され・・・。
以前にも書きましたが、私は眼力と指揮棒の先でオーケストラを操る、カール・ベームのようないぶし銀タイプが好きなので、昨今人気のパフォーマンス系指揮者はどうも好きになれません(笑)。

でも、この演奏会、まあまあでした。
ラフマニノフはピアニストの演奏にちょっと荒さが目立ちましたが、2曲目のマーラーはよかった。
指揮者がオーケストラを率いるという印象はなく、楽団員は伸び伸びと音楽を奏でていました。
楽団員を支配して自分の音楽に染めるのではなく、楽団員の潜在能力・音楽性を上手く引き出す指揮者。
音楽の躍動感や色気さえ感じられました。

この辺が人気の理由なのかな。

やはり KRIPTON KX-5

2014年04月03日 | オーディオ
 一度封印したはずの「KX-5愛」。
 ところが、消費増税前のどさくさに紛れて、気がついたら購入していました(笑)。

 システムは SA-50CONCENTRAKX-5 というラインナップ。

 前にも書いたかもしれませんが、KX-5 には Victor SX-3 の遺伝子が受け継がれています。

(「麻倉怜士が“喝” 名門企業・ビクターが残したものに学べ!」2013年01月11日より抜粋)
 ビクターはいかに有能な人を抱えていたか。クリプトンという会社があります。スピーカーやPCオーディオで伸びているメーカーです。クリプトンの技術部長は元ビクターのスピーカー設計者で、D-ILAプロジェクター開発も手がけた、映像技術も音響技術も身に付けた人物です。昔からのオーディオファンなら、1970年代にビクターの「SX-3」という2ウェイスピーカーが大ヒットしたのをご存じのことでしょう。SX-3の発売当日には、ビクターの工場前に運送会社のトラックが列をなして出荷を待ったという逸話があるほどです。彼はその設計を手掛けたエンジニアなのです。
 クリプトンは航空シミュレーター用や医療用の先端映像機器を手がけていましたが、現在はそれに加え「KXシリーズ」という高級スピーカーが看板商品になっています。かつてのSX-3などで培ったウーファーとソフトドームツイーターという2ウェイの原則を援用して開発された「KXシリーズ」は大ヒットしました。オーディオ・ビジュアル専門誌「Hi-Vi」のベストバイ企画でも毎年、ずっとナンバーワンの評価を得ています。


(2005年、KX-3発表時の記事
■ 「蘇る Made in JAPAN」がテーマ
 濱田正久代表取締役は日本のスピーカー市場について「大手音響メーカーや家電メーカーは、のきなみオーディオ用スピーカーの生産規模を小さくしたり、やめてしまったりと、国産スピーカー市場は元気が無い」と説明。「店頭のスピーカーの大半は海外製品であり、国内スピーカーも海外生産が大半。技術も海外に流れ出てしまう。こうした現状を打開したいと考えた」という。



技術開発室の渡邊勝室長

 そこで、元ビクターの技術者で、SXシリーズの原点となった名機「SX-3」を開発した渡邊勝氏を技術開発室の室長に迎えた。KX-3は、エンクロージャーの製造・組立てから、ネットワーク、総合的な組立てまでは、全て国内で行なっているという。
 渡邊氏は「テーマは“蘇る Made in JAPAN”。日本の最新素材に熟練した技術を取り入れ、オーソドックスでスピーカーの基本に忠実な設計を行なった」という。なお、愛称である「vigore」はイタリア語で「活き活きとした」という意味に加え「再生」という意味もあるという。
 また、型番のKX-3については「様々な試作機を経た3台目という意味もあるが、SX-3のクリプトン版としてKX-3という意味も含まれている」とのこと。


 SX-3 の特徴は「密閉式」。
 スピーカーの筐体が密閉しているためタイトな低音が出るタイプで、ぼけないため音程が正確に聴感できます。
 一方筐体に穴を開けて低音の量感をかせぐのが「バスレフ式」で、「腹に響く」とか「地を這うような」低音でないと物足りない方用、という捉え方もありますね。

 当時はスピーカーは重ければ重いほど優秀と評価された時代で”59800円戦争”とも揶揄された頃。
 そこに登場した SX-3 は他の人気モデルより小さく、異彩を放っていました。
 しかし時代に埋没することなく、高評価に押されてモデルチェンジを繰り返し、長寿スピーカーになり得たのでした。

 さて、KX-5 のファースト・インプレションは・・・「遊びのない、まじめな日本製スピーカー」
 全体的に「磨かれた美音」という印象です。
 予想通りタイトで引き締まった低音が心地よい。
 高音もクリアながら耳に刺さるうるささはあまり感じません。
 中音量でも音痩せせず、私にとっては軽くBGMに流すのに合っていそう。
 オーケストラのような量感・豊穣感を求める音楽には CREMONA、現代的なフュージョン系を小気味よく鳴らしたいときには KX-5 と使い分けようかと考えています。

Harbeth「Monitor 20.1」を試聴しました。

2014年03月24日 | オーディオ
 現在のシステムは以下の通り;

(CDP)Esoteric「SA-50」
(Amp)JeffRowland「CONCENTRA」, Accuphase「E-460」
(SP)Sonusfaber「CREMONA」,TAD「TSM-2201」

 主に SA-50→ CONCENTRA→ CREMONA でジャズ~クラシック他あらゆるジャンルの音楽を楽しんでいます。
 クラシックは相変わらず絶品ですが・・・最近、ベースやドラムスの低音を利かせたポップスを聴くと、ちょっと低音が膨らみ気味なのが気になってきました。
 しかし、TADにつなぎ替えると、音か硬くなりすぎてしまいます。

 もう少し、バランスがよく膨らまない低音を出すスピーカーはないものか、と物色をはじめました。
 候補に挙がったのが、KRIPTON「KX-5」。
 日本製のブックシェルフ型&密閉型。
 トールボーイ型に発展させた「KX-1000P」も考えましたが、こちらは高価なので試聴無しには手を出しにくいし、これまでトールボーイ型で引き締まった低音に満足した経験がないのもトラウマになっています。



 「KX-5」を検索すると、中古で扱っている店舗があり、見積もりをお願いがてら「私の希望する音に合うスピーカーは他にありますか?」と質問してみました。
 すると、「Harbeth Monitor 20.1もオススメですよ」とのコメントをいただきました。
 馴染みのない名前です。
 調べてみると、こちらは英国製、やはりブックシェルフ型&密閉型。



 待てよ、近隣のオーディオショップで以前試聴会をやっていたような・・・。
 ネットで2014年1月に Harbeth の試聴会の企画があったことを確認し、そのお店へ直行しました。

 Monitor 20.1 とご対面。
 思ったよりコンパクトです。グレー仕上げが現代的な雰囲気を醸し出しています。
 早速持参したCDを聴かせていただきました。

 「ハッ」としました。

 その小さなスピーカーから想像できない豊かな音場感が浮かび上がったのです。
 品のよい澄んだキレイな音。
 音の定位もよく、小音量でも音像が痩せません。
 「うれしい誤算」という第1印象。

 ロッド・スチュアートのボーカルのバックの音が主張しすぎずよいバランス。
 ウォルター・ラングのピアノトリオは雰囲気・楽器の定位ともに良好。
 ステイシー・ケントのボーカルはちょっと線が細いですね。色気が薄くなった感じ。
 しかし、クラシックのオーケストラは低音が薄くてつまらない音楽に聞こえました。低音域を切り取り中音域以上の美音を拾って再生したような印象です。
 楽器編成では室内楽あたりが限界でしょうか。

 もう一つ、Harbeth の「HL Compact 7ES-3」というスピーカーが置いてありました。ブックシェルフ型で、大きさは Monitor 20.1 より大きく(と言うかふつう)、木目調の落ち着いた雰囲気で。専用スタンドも木です。



 比較試聴してみると、そのスピーカーから聞こえてきた音はゆったり余裕のある響き。
 「木目調の雰囲気そのままの音」という印象です。
 モーツアルトのディベルティメントも雰囲気たっぷりに聴かせてくれました。
 でも、このスピーカーだったら CREMONA の方が明らかに数段上、バスレフ仕様だし購入する意味はないなあ。

 「試聴会の後、Monitor 20.1 は結構売れてます」と店長さんの言葉。
 確かに、日本の狭い家屋、つまりニアフィールドで(クラシック以外の)音楽を楽しむにはベストチョイスかもしれません。
 ただ、私には「サイズからすると」という”断り書きつきの高評価”、ということになりました。

 やはり求める音は「KX-5」でしょうか。
 と、気持ちは”購入”に限りなく近づきましたが、試聴できないのが残念です。
 でも待てよ・・・購入ボタンをクリックする前に深呼吸し、私のオーディオ師匠であるN氏に意見を求めてみました。

 「KX-5は吸音材にミスティックを使っている為、結構デッドの方に音がシフトしましてレンジも狭いのと中高域の伸びが今一つです。ニアフィールドで聴く分にはいいと思いますが、少し離れて聴くと吸音されてる感じが気になると思いますし、倍音が弱いスピーカーです。ハーベスのMonitor 20.1 はクラシックも鳴りますし、ポップもジャズもそこそこ行けるので比較的オールマイティなスピーカーです。」
 とのコメント。なるほど。

 う~ん、やっぱり決められない・・・。

 N氏からさらに「CREMONAのバスレフポートに吸音材としてサーモウールを入れるなどで低音がある程度調節可能ですよ」とのアドバイスをいただきました。
 ”新規購入”という煩悩は一旦停止させ、まずはCREMONAの低音対策をやってみるところに落ち着きました(苦笑)。