オーディオ熱がぶり返した勢いで、ふつふつとたまった疑問を携えて、また「エレックス」さんへお邪魔しました。
スピーカーに関しての質問と回答です;
Q. ネットオークションで古いスピーカーを「独自にチューニングしました」と売りに出しているが、どう評価するか?
※ 該当オークション内容のコピーを見せながらの質問。
A. オリジナルとは違う音がすると思った方がよい。
・・・スピーカー内部の配線コードを替えると、当然音が変わる。例えば「ウエスタンケーブル」は電話線を作る会社で、そのケーブルは音の輪郭がぼやける傾向がある。低音クライオ処理などは悪くはない手法。しかしここまでいじるとメーカーが目指した音とかけ離れてしまう。
JBLのスピーカーをメーカー以外の人間がチューニングした品は、もはやJBLの音ではない。本当のJBL好きは、このような改造品を相手にしないだろう。
Q. ブックシェルフ型の軽量スピーカー(前出の「Pino Parlante Acer」のこと)を手に入れたが、どのようなセッティングが望ましいか?
A. 点で支えて箱鳴りを周囲に広げないようにすべし(つまり基本通り)。
・・・一般的なスピーカーは、箱鳴りしないよう重く頑丈な造りにする傾向があるが、このスピーカーは方向性が異なり、軽い素材で箱鳴りを生かす造りになっている。ポイントはスピーカーの箱鳴りをスピーカーだけにとどめて周囲に広げないことで、他のスピーカーのセッティングと何ら変わらない。
より専門的には、セッティングする部屋の定在波を調べなければ、ベスト・セッティングには至らない。
Q. (「Pioneer S55twin」を物色しながら)古いスピーカーのウーファーエッジは劣化して使い物にならないのか?
A. ウレタンエッジは10年でボロボロになるので交換が必要。しかし Pioneer S55twin は布エッジ(よく見ると縦横に繊維が走っている)であり、ほとんど劣化しないので交換を考える必要はない。
・・・ちなみに、この頃の Pioneer が販売していた「バーチカルツイン」(仮想同軸)を売りにしたスピーカーをどう評価するか聞いたら「もう箱物スピーカーは卒業したのでコメントする気になれない」とつれない返事。
ちなみにこのショップのメイン・スピーカーはホーン型で、日本の6畳間の半分を埋めるくらいのスペースを占めています。不思議なことに音を大きくしても全然うるさくないんですよねえ。
Q. ウッド・コーンをどう評価するか?
A. 重量の関係で評価は低い。
・・・コーンは軽いほど反応がよくなるので、軽量化を目指して開発されてきた。ウッド・コーンは大きくすると重くなるので、小さいものしか作ることができずに現在に至っている。ヒット商品も見当たらない。
考えてみて欲しい。パルプ・コーンも元々は樹木であり、「木」そのものでは重くなるのでパルプを開発した経緯がある。もとの木に戻るのは、外観が美しい以外意味が見いだせない。
Q. スピーカーケーブルで音がどう変わるのか?
A. 確かに変わる。単純に見た目通りと考えてよい。
つまり細いケーブルは細い音、太いケーブルは太い音、軽い/重いケーブルは軽い/重い音・・・。
ショップでは高価なスピーカーケーブルも扱っているものの、一押しの品は450円/mのものでした。
Q. バスレフポートはあった方がよいか?
A. 密閉型よりはマシ。
・・・スピーカーの理想は、その前後で圧差がなく自由にコーンが振動できる環境であり、ユニットを箱に取り付けた時点でそれが崩れてしまう。特に密閉型は圧差を助長するのでダメ。バスレフポートがあった方が、圧の逃げ場ができて差が少なくなるので、まだマシ。
バスレフポートが前面についているものはあまり気を使う必要はないが、後面に付いているものは壁から50cm以上離し、かつコーナーに設置して壁の反響を上手く利用するのがコツ。
Q. スピーカースタンドの支柱の空洞に砂を入れるのは、重くして安定させるためか?
A. 重くする目的のほかに、共振を減らす効果を期待しての処置。
・・・砂や小石は形が不揃いであり、共鳴して振動する周波数が全て異なるので、それを支柱に詰めると音のぼやける原因となる共振の軽減が可能。しかし細かい砂をキチキチに充填して共振を完璧に押さえ込もうとすると、音の輪郭がくっきりするが響きもなくなり音楽がつまらなくなるおそれが出てくる。
自分好みの「いい加減」を見つけるべく試行錯誤が必要。
以上、忘れないうちにメモしました(笑)。
結局、色々購入して帰途につきました。買い物の内容は以下の通り;
・Pioneer S55twin(ペア、専用スタンドつき):15800円
安いけど、ちゃんと音出しして問題ないことを確認してくれました。でも部屋にセッティングして聴いてみると、低音がボワボワしてまとまらず・・・残念。
・オーディオテクニカ製スピーカーケーブル:1m450円を8m
安いけど一押し。過剰な期待をさせない値段なのでガッカリせずに済む、という意味らしい。
・ガラス製のスピーカー固定用具:1個150円を12個(三点指示でスピーカー4つ分)
実は水槽に入れるクリスタルの飾りを流用。アンプなど結構な重量にも耐えられることは実験済み。
・御影石:1枚(40cm×40cmの)500円
S55Twinの上に載せ、その上にガラスのスピーカー固定具を載せ、その上に「Pino Parlante Acer」をセッティングしようとの目論見です。ちょうどよい大きさになるように切断して加工してもらいました(加工料の方が高くつき、1000円也)。
御影石とガラスのスピーカー固定用具はオーディオ用ではないので邪道と勘違いする方がいるかもしれませんが、「音の伝達速度が速い素材」という視点で選んだと速度比較表を提示して説明してくれましたので、説得力があります。
伝達速度が速いほど音が拡散しやすいので、干渉作用による音の濁りが少ないとのことです。
スピーカーに関しての質問と回答です;
Q. ネットオークションで古いスピーカーを「独自にチューニングしました」と売りに出しているが、どう評価するか?
※ 該当オークション内容のコピーを見せながらの質問。
A. オリジナルとは違う音がすると思った方がよい。
・・・スピーカー内部の配線コードを替えると、当然音が変わる。例えば「ウエスタンケーブル」は電話線を作る会社で、そのケーブルは音の輪郭がぼやける傾向がある。低音クライオ処理などは悪くはない手法。しかしここまでいじるとメーカーが目指した音とかけ離れてしまう。
JBLのスピーカーをメーカー以外の人間がチューニングした品は、もはやJBLの音ではない。本当のJBL好きは、このような改造品を相手にしないだろう。
Q. ブックシェルフ型の軽量スピーカー(前出の「Pino Parlante Acer」のこと)を手に入れたが、どのようなセッティングが望ましいか?
A. 点で支えて箱鳴りを周囲に広げないようにすべし(つまり基本通り)。
・・・一般的なスピーカーは、箱鳴りしないよう重く頑丈な造りにする傾向があるが、このスピーカーは方向性が異なり、軽い素材で箱鳴りを生かす造りになっている。ポイントはスピーカーの箱鳴りをスピーカーだけにとどめて周囲に広げないことで、他のスピーカーのセッティングと何ら変わらない。
より専門的には、セッティングする部屋の定在波を調べなければ、ベスト・セッティングには至らない。
Q. (「Pioneer S55twin」を物色しながら)古いスピーカーのウーファーエッジは劣化して使い物にならないのか?
A. ウレタンエッジは10年でボロボロになるので交換が必要。しかし Pioneer S55twin は布エッジ(よく見ると縦横に繊維が走っている)であり、ほとんど劣化しないので交換を考える必要はない。
・・・ちなみに、この頃の Pioneer が販売していた「バーチカルツイン」(仮想同軸)を売りにしたスピーカーをどう評価するか聞いたら「もう箱物スピーカーは卒業したのでコメントする気になれない」とつれない返事。
ちなみにこのショップのメイン・スピーカーはホーン型で、日本の6畳間の半分を埋めるくらいのスペースを占めています。不思議なことに音を大きくしても全然うるさくないんですよねえ。
Q. ウッド・コーンをどう評価するか?
A. 重量の関係で評価は低い。
・・・コーンは軽いほど反応がよくなるので、軽量化を目指して開発されてきた。ウッド・コーンは大きくすると重くなるので、小さいものしか作ることができずに現在に至っている。ヒット商品も見当たらない。
考えてみて欲しい。パルプ・コーンも元々は樹木であり、「木」そのものでは重くなるのでパルプを開発した経緯がある。もとの木に戻るのは、外観が美しい以外意味が見いだせない。
Q. スピーカーケーブルで音がどう変わるのか?
A. 確かに変わる。単純に見た目通りと考えてよい。
つまり細いケーブルは細い音、太いケーブルは太い音、軽い/重いケーブルは軽い/重い音・・・。
ショップでは高価なスピーカーケーブルも扱っているものの、一押しの品は450円/mのものでした。
Q. バスレフポートはあった方がよいか?
A. 密閉型よりはマシ。
・・・スピーカーの理想は、その前後で圧差がなく自由にコーンが振動できる環境であり、ユニットを箱に取り付けた時点でそれが崩れてしまう。特に密閉型は圧差を助長するのでダメ。バスレフポートがあった方が、圧の逃げ場ができて差が少なくなるので、まだマシ。
バスレフポートが前面についているものはあまり気を使う必要はないが、後面に付いているものは壁から50cm以上離し、かつコーナーに設置して壁の反響を上手く利用するのがコツ。
Q. スピーカースタンドの支柱の空洞に砂を入れるのは、重くして安定させるためか?
A. 重くする目的のほかに、共振を減らす効果を期待しての処置。
・・・砂や小石は形が不揃いであり、共鳴して振動する周波数が全て異なるので、それを支柱に詰めると音のぼやける原因となる共振の軽減が可能。しかし細かい砂をキチキチに充填して共振を完璧に押さえ込もうとすると、音の輪郭がくっきりするが響きもなくなり音楽がつまらなくなるおそれが出てくる。
自分好みの「いい加減」を見つけるべく試行錯誤が必要。
以上、忘れないうちにメモしました(笑)。
結局、色々購入して帰途につきました。買い物の内容は以下の通り;
・Pioneer S55twin(ペア、専用スタンドつき):15800円
安いけど、ちゃんと音出しして問題ないことを確認してくれました。でも部屋にセッティングして聴いてみると、低音がボワボワしてまとまらず・・・残念。
・オーディオテクニカ製スピーカーケーブル:1m450円を8m
安いけど一押し。過剰な期待をさせない値段なのでガッカリせずに済む、という意味らしい。
・ガラス製のスピーカー固定用具:1個150円を12個(三点指示でスピーカー4つ分)
実は水槽に入れるクリスタルの飾りを流用。アンプなど結構な重量にも耐えられることは実験済み。
・御影石:1枚(40cm×40cmの)500円
S55Twinの上に載せ、その上にガラスのスピーカー固定具を載せ、その上に「Pino Parlante Acer」をセッティングしようとの目論見です。ちょうどよい大きさになるように切断して加工してもらいました(加工料の方が高くつき、1000円也)。
御影石とガラスのスピーカー固定用具はオーディオ用ではないので邪道と勘違いする方がいるかもしれませんが、「音の伝達速度が速い素材」という視点で選んだと速度比較表を提示して説明してくれましたので、説得力があります。
伝達速度が速いほど音が拡散しやすいので、干渉作用による音の濁りが少ないとのことです。