私の音楽 & オーディオ遍歴

お気に入りアーティストや出会った音楽、使用しているオーディオ機器を紹介します(本棚8)。

広上淳一指揮、京都市交響楽団演奏会

2014年04月21日 | オーディオ
NHK-BSで2014年3月30日放映されたものを試聴しました。

広上淳一(ひろかみ じゅんいち)指揮 京都市交響楽団演奏会
(収録:2014年3月14日/京都コンサートホール)
◇ 「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18(ラフマニノフ)」
(ピアノ)ニコライ・ルガンスキー、(管弦楽)京都市交響楽団、(指揮)広上淳一
◇ 「交響曲 第1番 二長調“巨人”(マーラー)」
(管弦楽)京都市交響楽団、(指揮)広上淳一
◇ 「歌劇“カプリッチョ”から“月光の音楽”(リヒャルト・シュトラウス)」
(管弦楽)京都市交響楽団、(指揮)広上淳一


演奏題目は広く知られるメジャーな楽曲です。

広上さんの指揮は、小さな体を大きく動かし音楽を体現するパフォーマンス系。
なんとなく落語家の桂枝雀さんを思い出します。
すると佐渡裕さんが連想され・・・。
以前にも書きましたが、私は眼力と指揮棒の先でオーケストラを操る、カール・ベームのようないぶし銀タイプが好きなので、昨今人気のパフォーマンス系指揮者はどうも好きになれません(笑)。

でも、この演奏会、まあまあでした。
ラフマニノフはピアニストの演奏にちょっと荒さが目立ちましたが、2曲目のマーラーはよかった。
指揮者がオーケストラを率いるという印象はなく、楽団員は伸び伸びと音楽を奏でていました。
楽団員を支配して自分の音楽に染めるのではなく、楽団員の潜在能力・音楽性を上手く引き出す指揮者。
音楽の躍動感や色気さえ感じられました。

この辺が人気の理由なのかな。

やはり KRIPTON KX-5

2014年04月03日 | オーディオ
 一度封印したはずの「KX-5愛」。
 ところが、消費増税前のどさくさに紛れて、気がついたら購入していました(笑)。

 システムは SA-50CONCENTRAKX-5 というラインナップ。

 前にも書いたかもしれませんが、KX-5 には Victor SX-3 の遺伝子が受け継がれています。

(「麻倉怜士が“喝” 名門企業・ビクターが残したものに学べ!」2013年01月11日より抜粋)
 ビクターはいかに有能な人を抱えていたか。クリプトンという会社があります。スピーカーやPCオーディオで伸びているメーカーです。クリプトンの技術部長は元ビクターのスピーカー設計者で、D-ILAプロジェクター開発も手がけた、映像技術も音響技術も身に付けた人物です。昔からのオーディオファンなら、1970年代にビクターの「SX-3」という2ウェイスピーカーが大ヒットしたのをご存じのことでしょう。SX-3の発売当日には、ビクターの工場前に運送会社のトラックが列をなして出荷を待ったという逸話があるほどです。彼はその設計を手掛けたエンジニアなのです。
 クリプトンは航空シミュレーター用や医療用の先端映像機器を手がけていましたが、現在はそれに加え「KXシリーズ」という高級スピーカーが看板商品になっています。かつてのSX-3などで培ったウーファーとソフトドームツイーターという2ウェイの原則を援用して開発された「KXシリーズ」は大ヒットしました。オーディオ・ビジュアル専門誌「Hi-Vi」のベストバイ企画でも毎年、ずっとナンバーワンの評価を得ています。


(2005年、KX-3発表時の記事
■ 「蘇る Made in JAPAN」がテーマ
 濱田正久代表取締役は日本のスピーカー市場について「大手音響メーカーや家電メーカーは、のきなみオーディオ用スピーカーの生産規模を小さくしたり、やめてしまったりと、国産スピーカー市場は元気が無い」と説明。「店頭のスピーカーの大半は海外製品であり、国内スピーカーも海外生産が大半。技術も海外に流れ出てしまう。こうした現状を打開したいと考えた」という。



技術開発室の渡邊勝室長

 そこで、元ビクターの技術者で、SXシリーズの原点となった名機「SX-3」を開発した渡邊勝氏を技術開発室の室長に迎えた。KX-3は、エンクロージャーの製造・組立てから、ネットワーク、総合的な組立てまでは、全て国内で行なっているという。
 渡邊氏は「テーマは“蘇る Made in JAPAN”。日本の最新素材に熟練した技術を取り入れ、オーソドックスでスピーカーの基本に忠実な設計を行なった」という。なお、愛称である「vigore」はイタリア語で「活き活きとした」という意味に加え「再生」という意味もあるという。
 また、型番のKX-3については「様々な試作機を経た3台目という意味もあるが、SX-3のクリプトン版としてKX-3という意味も含まれている」とのこと。


 SX-3 の特徴は「密閉式」。
 スピーカーの筐体が密閉しているためタイトな低音が出るタイプで、ぼけないため音程が正確に聴感できます。
 一方筐体に穴を開けて低音の量感をかせぐのが「バスレフ式」で、「腹に響く」とか「地を這うような」低音でないと物足りない方用、という捉え方もありますね。

 当時はスピーカーは重ければ重いほど優秀と評価された時代で”59800円戦争”とも揶揄された頃。
 そこに登場した SX-3 は他の人気モデルより小さく、異彩を放っていました。
 しかし時代に埋没することなく、高評価に押されてモデルチェンジを繰り返し、長寿スピーカーになり得たのでした。

 さて、KX-5 のファースト・インプレションは・・・「遊びのない、まじめな日本製スピーカー」
 全体的に「磨かれた美音」という印象です。
 予想通りタイトで引き締まった低音が心地よい。
 高音もクリアながら耳に刺さるうるささはあまり感じません。
 中音量でも音痩せせず、私にとっては軽くBGMに流すのに合っていそう。
 オーケストラのような量感・豊穣感を求める音楽には CREMONA、現代的なフュージョン系を小気味よく鳴らしたいときには KX-5 と使い分けようかと考えています。