奇門遁甲の十干の組み合わせ――庚辛篇です。
意味合いについては、「キーコードから導く、あなたへの語録集 β版~」を、
庚と辛の大意については「奇門遁甲の十干の意味合いの考察」を併せて参考になさってください。
§ 庚
庚甲 61 |
急激な運動やハードワークにより心身を酷使し、時に打ちのめされてしまう傾向。飛び出し事故、飲酒運転や無謀運転、既往症の再発、病状の悪化などに注意が必要。生命が危ぶまれる恐れがあるので、心臓病などで常備薬が必要な人は絶対に切らさないように。親しい人との離別(生別死別、異動などで縁が消えること)を近々見る可能性が高い時です。他、辛い体験がトラウマになって後の人生に影響するなど。外側のみでなく内側からも用心し、まずはネガティブさを中和する考えを心がけて下さい。 |
庚乙 62 |
身内や親しい友人が悪い道へ進もうとしたり、危ない橋を渡ろうとしている時、それを嘆いて抑止しようとする働き。及び、その関係者との接点を示します。欲に目が眩んだり、身の危険や家族を顧みずに状況に深入りする傾向。偽りの正義と嘘、亡き人の意志の誤解、日常生活の軽視、利益を巡っての争いなど。悪い予感がしたら速やかに退避を。命の危険を感じたり、本当に心配してくれる人の泣きっ面を見て初めて、我を失っていた自分に気がついて猛省、安堵する事例もありました。 |
庚丙 63 |
他者の都合で自分の名義を奪われたり、権力を揮われて面目を潰される傾向。外発的に生じた問題で、理不尽にも中心的な被害を被りやすい(すり替えや誤解によって容疑者としてマークされる、生活の基盤を奪われるなど)。また、自分勝手な理由から打算的な性質が浮き彫りになるか、ストレスや貧困、感情のもつれから、強奪・窃盗・傷害・詐称(嘘)・罵倒といった行為に及ぶ場合も。そうした態度によって周囲の不評不信、反感を買うことが目立ちます。 |
庚丁 64 |
友達として心配したり、真心から相手を助けたいと願いアドバイスや直接的なサポートをしようとする傾向。ところが、相手は何かに心を奪われていて聞く耳を持っていないことが往々にしてあり、その上、「正義感ぶって面倒な奴」と受け取られる可能性も。ことに物事の進め方が強引だったり常軌を逸しやすいため、周りが付いて行きづらい面があります。目的不明な態度のせいで信頼を得るのに苦心するなど。戦略的な言動を控え、分を弁えて素直な気持ちで事に当たりましょう。 |
庚戊 65 |
何らかの問題のある状況(人の集まり)に介入する傾向。良かれと思っての行動でも、なぜか順調に行かない場合が多く、好意的に受け入れてもらえないばかりか邪険に扱われやすい。原因としては、要領かタイミングが悪い、配慮・準備不足、余計なお世話、意地を張っている、下心が感じられる、運命的に介入すべきではないなど。この他、嫉妬や不信感から憎まれたり、敵(競合相手)の急襲や妨害を受けることも。友好的な関係が作りづらいか、持続しづらい時。 |
庚己 66 |
個人としての重要な問題あるいは秘密が、社会の(時に隠された)一面と不可分に結びついており、問題を克服しようとしたり探求・調査を進めていくと大きな壁にぶつかる傾向。社会的事件や個の範疇を超えた問題に対して、一個人が責め立てられたり、村八分的なイジメだとか仲間外れに遭いやすい時。異端分子のような何かしらの許容できない人や事柄に対して、それを排斥したり抹消しようとする勢力が存在するケースが多いです。しかし、腐らずに自分を保たなくてはなりません。 |
庚庚 67 |
何かをしようとする際に、ノイズ(理不尽に不安にさせたり異を唱えるもの)が現れやすい時。騒音など、人騒がせな迷惑に悩まされたり、互いに主張を押し通そうとして衝突しがち。憎しみを憎しみで返すべからず。大人としての冷静さをもって話し合いましょう。反対意見や否定的な事案に過剰反応するのではなく、どうすればトラブルを回避できるか、注意点は何か、より優れたアイデアはないか、根本的な解決方法はないかなどに聞く耳を持つことが必要です。 |
庚辛 68 |
まだ事情がよく呑み込めていないか初歩的なことが習得できていないために、足手まといになったり周りの人の癪に障る傾向がある時。創作家が納得のいかない作品を粉々に叩き割るように、相手や自身の内にイライラさせる原因があります。しかもそれを拒絶できない場合、訓練や教育をするために骨を折ることになります。痛みをこらえて無理をするなど。ただ、最初は呆れられたり頭ごなしに貶しても、学習が進むにつれて意外な一面を見せ始めるなどで、連携とかライバル意識が目覚め出すこともあります。 |
庚壬 69 |
本篇から逸脱した番外編のような時。しばらく脇道へ逸れたり、ひとり寄り道をする中で経験した諸々――浮かれ・不注意・悔悟・葛藤などを踏まえて、改めて本来の目的(本筋)に立ち返ることができれば、さして問題はないでしょう。ちょっと勢いで調子に乗って傲慢になったり、ウケを狙って失笑を買ったり、相手の内情を知って世話奉仕に通ったりと、普段とは違うことをしやすいのですが、実状を把握して「用済み」になったと分かった時点で我に返ることになるはずです。 |
庚癸 70 |
重圧や因縁による心労が主なテーマ。歴史を遡って経緯や真実を聞いて動揺したり、自分の過失を隠すためについた嘘のせいで怖い思いをしたり、取り繕うために面倒を抱え込むなど。美味しいからと食べ過ぎて吐いてしまうようなもので、消化不良に陥りやすい時。力の差が歴然で勝ち目のない状況に強いストレスを感じて調子を崩したり、極度の疲労に加えて衝撃的な情報が加わったことで過呼吸になってしまった人も。不安や混乱に潰されないよう、自律的な心の制御や休養、周りの保護が欠かせません。 |
§ 辛
辛甲 71 |
個人の力ではどうしようもないことは分かっていても何かせずにはいられない、という時はあります。効果があるかどうか定かでなくても、主張することで多くの人に問題に対する関心を促そうとするなどです。複雑な事情があったり相手の素性が分からなかったりで、思うように事が運ばないと感じがちですが、そのことで悲観したり誰かを妬んだりしても仕方ありません。辛い境遇でも今できる最大の努力をすることを心がけることが大切です。そうした過程で、やがて突破口や賛同者が現れてくるかもしれないのですから。 |
辛乙 72 |
よそから来てふと人助けに加担したがために、かえってトラブルや危険を招いてしまうような状況になりやすい時。急激な状況の冷え込みや波瀾がもたらす出来事。どういうわけか達人的(プロ並み)な技量をもっている人が多いのですが、その強さを逆恨みされてしまうとか、身元や目的を知られては困る事情があるとかで、調和したくてもできなかったり、場合によってはこの時がキッカケで精神的支柱を切り倒されたかのような大ダメージを受けることも。身近な人の命に関わるような事故やパートナーとの決別などが近く迫っているかもしれません。刃物関係の事例も二・三あり、注意が必要だと思います。 |
辛丙 73 |
世論や周囲の評価が運気を左右する時です。まことしやかな情報やガセネタを真に受けて判断を誤りやすいので、ボッタクリや詐欺などに注意し、何が真実なのか見極めなくてなりません。同様に、正しい情報伝達(指示)が必要です。また、体のいいことを言うだけで期待を裏切って失望させたり、恩を仇で返さないように力を尽くしましょう。自分の力を過信せず、味方してくれる人と協力して事に当たること、そして価値ある結果を残すよう心がけることで良い成果を得ることができるでしょう。 |
辛丁 74 |
個人や中小規模の活動で効果を上げやすい時で、辛の中でも有効に使える配合ですが、能率や利益を優先して欲をかき過ぎると後悔する羽目になるかもしれません。基本的に誠意と慎重さが要の時なので、ろくに書面を確かめもせずに事を急いだり、テキトーにしておけばいいという考えは良くありません。それが原因で食い違いなどの問題が起きてしまう恐れもあるからです。こちらの意を了承してもらうためにも、相手の価値や尊厳を認めることが肝心です。丁寧な態度を保ちましょう。 |
辛戊 75 |
注意力散漫、集中力不足といったことが問題の原因になりやすい時です。何か事を進める上での阻害要因が出てきて、それに対処するために“もがく”ことが、かえって危険度を高めてしまう傾向があります。何かの犠牲や心の動揺を誘う状況にさらされることが多いですが、心を静めて精神を集中したり、自然体でいることを心がけて下さい。また、口車に乗せられて安易に信頼してしまったばかりに失態を曝すことも。平常心を忘れず、状況を見る目、人を見る目を鈍らせないことです。 |
辛己 76 |
広い意味での家族とか仲間内(同類)に根をもつ問題に巻き込まれる形になりやすい時。過去の因縁――過失、問題行動、背信行為(裏切り)、浮気や恋敵などで追われたり、または家族など大事な人をかばおうとする想いから自ら罪を被るような行動に出る人も。どういった経緯があって現状に結びついているのか情報を集め、誤解なく的確に対処することが求められます。ただ、もし相手の信頼を損なっている原因が自分自身にあると自覚しているならば、潔く心を改める必要があるでしょう。 |
辛庚 77 |
力に力で対抗するために憎しみや恨みを買いやすい時。恥をかかされたことで復讐心に駆られるか、攻撃される状況。実力差を埋めるために鍛錬したり、状況対処のために心身が疲労困憊しがちです。ケンカ沙汰、またはダメージ量を重視するような対戦試合(ゲーム)。仮に実力に自信があっても、無駄に敵を作らないためにも人前でみだりに力を誇示ないようにしましょう。一方で、陰陽虚実の理を学んで剛と柔のバランスを計れるようになるか、物理的な勝敗を超えた深い理解を得ることで、考え方や心が変わることもあります。 |
辛辛 78 |
見解の相違や状況的なすれ違いが起きるか、周囲の事情や相手の意向などお構いなしに自分の都合を優先する傾向。他の何ものにも配慮せず、ただ己の誇りと目的のために動くので不信を招きやすく、今まで築いた人気や地位・信用が失墜しがち。しかしそれすら厭わず実行に移す場合も。そして、これに捲き込まれた人は卑怯さや不可解さを感じては、やりきれない思いに苛まれます。傍若無人な勝手さ、自分を過度に売り込もうとする意思などのために、人々の気持ちを汲み取れなくなっているようです。 |
辛壬 79 |
実力はあっても性格が悪かったり、技に対する心が伴っていなかったり、高飛車になって我がままなことを言い出すようなところがあります。当然、周囲の人への配慮にも欠けがちで無理な要求を押しつけてしまうことも。相手を引きつけ、あるいは留まらせるにはそれなりの魅力が必要ですが、口先だけで体裁を取り繕ったり、誇大妄想に終わらないように日々の努力を伴わせなくてはなりません。また一方で、力あるものは同時に謙虚でなくてはならないことも覚えておきましょう。 |
辛癸 80 |
洞察力や冷静さが問われるような状況になることが多く、公私に亘ってその陰日向を察知する危機意識が求められます。悪事を企む他者の思惑や策略に嵌って騙されたり、うまい話に乗せられて損害を被りやすいので注意が必要です。他方、拾った落し物を悪用するような人間性を疑われてしまう考えに染まらないように自分を律して下さい。大抵、心に巣食う悪は気配もなく忍び寄ります。こういう時にこそ、明察と道徳心が必要だと心得ましょう。 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます