これからの100年を思う
A.感謝
1.先ず、現在の医療の現場において、新型コロナウイルスによる感染症肺炎に侵(おか)された患者の
皆様の治療とケアに当たられている医師の方々、看護師の方々、検査技師の方々、ケアスタッフの方々、
事務スタッフの方々、病院の業務が回転するにおいてそれを支えられているスタッフの皆様に、心から
尊敬と敬意と感謝の念を表します。
2.そして、政府が表明しました緊急事態宣言のもとにおいて、スーパーマーケットの食品売り場を支え、
物流を支え、業務の切れ目のない回転を支えていらっしゃるスタッフの方々、鉄道、電車、バス、トラッ
ク、飛行機において、交通網と物流網の運行を担われ、業務を支えていらっしゃる皆様とスタッフの方々、
自治体において家庭から出る食品等の廃棄物の収集と焼却、上下水道の維持管理の業務に携わられている
皆様、金融機関において途切れることのない業務を支えていらっしゃる皆様、そして社会を支えていらっ
しゃるすべての皆様に、心からの尊敬と敬意と感謝を申し上げます。社会が支えられ、私たちが生きてい
られるのは皆様があってのものです。
3.また、今、4月の末から5月最初の週の休暇を、‘STAY HOME WEEK’として過ごそうという
キャンペーンがなされ、それに賛同する呼びかけが、日本の各地から起こっています。私たちが、自分一
人一人の命と健康を守ろうとする行動は、社会の負荷(より直接的には現在の医療現場の負担)を減らし
ます。私たちは、新型コロナウイルスに感染しない行動を取り、家に留まりましょう。
B.新型コロナウイルスワクチン製造に取り組む日本の企業、大学、団体
1.以下は、私が知り得た情報の範囲での、新型コロナウイルスワクチン開発・製造に取り組む日本の企
業、大学、団体です。順番は発表順としています。ここに治療薬の開発は含んでいません。
a.大阪大学、アンジェス(株):DNAワクチン(2020年3月5日)
b.田辺三菱製薬(カナダ子会社 メディカゴ社):植物由来のウイルス様粒子を使用するVLPワクチン
(2020年3月12日)
c.大阪大学微生物研究所、BIKEN財団、国立研究開発法人・医薬健栄研:DNAワクチン、VLP
ワクチン、弱毒化したウイルスを使う「不活化」ワクチン(2020年3月18日)
d.NEC:AIを活用した新型コロナウイルスの遺伝子解析の公開(有効なワクチンを設計するための
モデルとなります)。(2020年4月23日)
e.塩野義製薬:組換えタンパクワクチン(2020年4月27日)
C.ウイルスの変異
1.ウイルスは感染の過程で、人体内で変異します。その変異のパターンを、京都大学iPS細胞研究所
所長・山中伸弥教授が情報発信されていますので略記します。2020年4月7日までのパターンは3タ
イプ(報告数253名)です。
a.Aタイプ(42名):コウモリのコロナウイルスに一番近い。これは更にA-TとA-Cに分類でき
る。
A-T(9名):広東省 4、武漢滞在歴のあるアメリカ人 2、日本人 3
A-C(33名):武漢などの中国や東アジア が約半数、アメリカ、カナダ、メキシコが約半数
Bタイプ(93名):武漢などの中国や東アジア(74)、アメリカ、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ
(19)。東アジアの変異は少ないが、ヨーロッパ、アメリカでは多くの変異があった。
Cタイプ(サンプル数未記載であるが、253から上記を引くと118名となる):Bタイプから1カ所
の遺伝子変異が共通している。ヨーロッパで多く見られる。中国からは報告がない。シンガポール、香港
では見つかっている。
2.ワクチンを作っても遺伝子変異で無効になる可能性がある。遺伝子変異に応じて、治療法を変えるべ
きかもしれない。(山中伸弥教授)
D.田辺三菱製薬のレポート
1.田辺三菱製薬が、子会社メディカゴ社がアメリカで行っていた季節性インフルエンザワクチンの第3
相臨床試験の結果を発表(2020.4.28)しています。それを略記します。このワクチンは、先に
B-1-bで記しました新型コロナウイルスに対するものとは別の植物由来のVLPワクチンです。しか
し、季節性インフルエンザウイルスも新型コロナウイルスも共にコロナウイルスであり、参考になります。
a.試験対象:18~64歳の成人と65歳以上の高齢者
b.主要評価項目に対する成績:成人→成功基準を満たさず。
安全性に問題なし。
高齢者→成功基準を満たす。
安全性問題なし。
鶏卵ワクチンに対し非劣性を示す。
c.上記により、メディカゴ社は、これ以上の臨床試験を中止し、現行の製剤に、更に有効性を向上させ
るアジュバント(ワクチンと共に投与する補助物質で人体の免疫機能を高める効果を持たせるもの)を加
えたワクチン開発の検討を、開始した。
2.レポートでは、高齢者グループで有効性を示しています。このことから、新型コロナウイルスに対し
ても、先のB-1-dで示したNECのゲノム解析モデルから開発したワクチンにアジュバントを加えれ
ば、新型コロナウイルスに対するワクチンの開発と製造は可能のように思います。また、タイプ別のワク
チンを作るという結論となることも考えることができます。
4月の空
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