自由と社会
A.自由と社会
1.皆さんは、「自由には責任が伴う」ことを、繰り返し学校で学んでいると思いま
す。
2.自由には責任が伴います。それは社会に対する責任です。そしてそれは、社会を継
続させ、成立させ、発展させるための責任です。
3.この責任とは、「約束を守る」、「嘘をつかない」などと言ったやさしく、かつ、
簡潔な言葉で表現される、私たちが日常の振る舞いにおいて守らなければならない約束
事を守ることを言います。
4.この約束事を道徳と言います。
5.道徳とは、人と人との繋(つな)がりにおいて、私たちが守らなければならない約
束事です。
6.この人と人との繋がりにおいて社会が成立します。アメリカのNASA、ロシアの
ロスコスモス社、日本のJAXA、アメリカの民間ロケット会社であるスペースX社
が、宇宙飛行士をISS(国際宇宙ステーション)に送り迎えをし、物資を運ぶのも、
その組織システムの合理的なあり方、習得される科学技術、訓練の高度性に差はあるも
のの、あなたの学校や、お父さんやお母さんが勤務されている役所や会社が運営される
のと一緒で、人と人との繋がりにおいて成立しています。
7.社会はこれらの運営体の集合で成り立っています。
B.社会の規範
1.社会には規範があります。規範とは、社会の中の人と人との繋がりの集合を、会社
と言ったり、公社や公団、営団、官公庁と表現したりするそれぞれの団体が、それぞれ
に自分たちは「かくあろう」、「かくあるべきだ」と定める行動やふるまいの基準、持
とうとする文化の基準、あるいは維持しようとする文化の水準を言います。
2.自由社会の規範とそれ以外の社会の規範は異なります。ここでは自由社会の規範を
考えます。自由社会の規範はその組織や運営体、集団によって異なります。規範意識の
ルーズな集団もあれば、高い倫理規範を持つ集団もあります。現代の日本社会では、高
い倫理規範を持ち、それが実際に企業の日常の業務に、例えば技術や品質でいえば、国
際基準に基づいた正しいデータを計測し記録し、報告すると言ったことが、その集団の
当たり前の行動として表現されなければ、人々がその企業や団体を認知しなくなってい
ます。
3.人が規範の意識を持つとき、組織(集団)の在り方をめぐって、個人と組織(集
団)、あるいは組織(集団)Aと他の組織(集団)Bの間に葛藤が生じる時がありま
す。他集団間に生じる時もあります。組織(集団)間の葛藤と対話の例としては、アメ
リカ環境保護局とドイツ・フォルクスワーゲン社の間で生じたディーゼル車の排ガス検
出値の不正発覚を思い浮かべると良いでしょう。これは、フォルクスワーゲン社が自社
のディーゼル車の排ガス測定において、実際の走行値と検査時の検出値ではソフトのモ
ード変換によって検査時は低い値となるよう行っていたものです。このような葛藤と対
話は、問題がより良い方向で解決されると、社会を発展させます。人は、考え、対話
し、問題を解決するのです。
4.個人にとって、集団との葛藤は、それが否定されたり改善されなかったりすると、
辛(つら)いものがあります。しかし、それを恐れてはいけません。
C.自由主義社会
1.自由とは何でしょうか? 自由とはすでに見てきたように、野放図に生きることでは
ありません。自由とは、このブログの筆者の考えるところは、ある人(個人)が自分の
成し遂げようとする目標を掲げてそれに挑(いど)み続ける時、それを支えて達成させ
る社会の総合力と許容力があって、この人の自由は保障されるのだろうと思っていま
す。つまり、ある個人は、自分が達成しようとするものを、段階を踏んで、それぞれの
成果を得た上で、次のステップに進んで行かなければなりません。そして次第に目標に
近づき達成に至ります。この個人と社会の相互の関係、換言すれば社会の許容力(多様
な総合力と言っても良いと思います)があってこそ、この人は、「私は自由である」と
言うことができるのだろうと思うのです。そして、この両者が相関をなす社会を、自由
主義社会というのだろうと思うのです。
2.自由主義社会とは、人が中心の社会であり、それらの人々が上記に見たような規範
と意欲を持ち、それを実現させる社会を言います。
(次回に続きます)
<お願い>
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知人にこの記事を拡散してください。そして自由と自由主義について考えてみてくださ
い。
筑波宇宙センター 星出宇宙飛行士と宇宙服
*写真は、記事の筆者とは全く無関係です。
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