
またヒルズですが、映画を観に行ってきました。
この映画はスゴイ、凄まじいと言うべきか、、、内容は書きませんが、バレリーナだけでは無く、クリエイターと呼ばれる類の方々から趣味でバンドやっている方々まで、自分で自分を『表現者』だと思っている方は観てみて下さい。そしてぐったりして下さい(?)
と、言うことで、そろそろほとぼりも冷めた頃(?)なので、一番気になったことを記しておきます。(今頃この頁を読む人が居るかどうかは分かりませんが、自分の備忘録でもあるので)
このストーリーで描かれていることは、程度の差こそあれ、クリエイターの現場ではどこにでもある(または可能性のある)事に思えます。
磨けば光りそうな若い逸材から、100%能力を引き出し開花させたいが為に、窮地に追い込んだり崖から突き落としたりと、プレッシャーを与えたりショック療法に走ることはあるでしょうが、特に乗り越えさせたい壁が、「技術的」なものでは無く「性格的」なものである場合は、その指導方法に注意が必要だと思います。
もちろん、映画の中のトマス(バレエ団監督)のような、セクハラ的やり方は無いにしても、結果、パワハラで訴えられるレベルのことは行われているかもしれません。
加えて、クリエイター本人が、自分の意思で自分を追い込むことで負の相乗効果が生まれ、より問題が悪化する原因になることも多いでしょうが、それも、鶏か卵かの話になるだけで、責任の訴追を回避できるものではありません。
えっと、責任回避法のような無責任な話をするつもりは無く、言いたい(考えたい)のは、この問題を真摯に受け止め考える必要があるということなんですが…。
実際、主人公のニナのように、統合失調症(旧称:精神分裂症)の症状が出るまでになりながら仕事を続けていることは考え難いですが、それに近い精神状態に苦しみながら(あるいは薬で症状を抑えながら)仕事を続けている人は、貴方の隣にも存在していると思います。
最近こういった問題に対し、企業ぐるみで対処法の講習・指導も行われていますが、クリエイターにとってはそんな単純なものでは無いだろう、的な内容にいつも憤慨してしまいます。
才能を100%開花させて精神が壊れるのと、2流3流のままそこそこやって行くのと、人生にとってどちらが良いのか、なんて短絡的な思考で解決するものでは無い、根の深い難しい問題ですが、そう言った目でこの映画を観ることで、何かを感じることが出来るような気がしますので、いままで全く問題の無かったクリエイターやその上位者にこそ、是非観てもらいたい映画です。

これから社会に増えるゆとり世代の分岐点は、さらに下がっているようですので、世の監督者達には、より真摯な対応が求められると思います。
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