またまた長い間ブログの更新をさぼっていたので、勝手にブログデザインが変更されちゃってたのですが、変更後、何故かページビューが増えたので、暫く様子を見てたらどんどん時間が過ぎてしまい、今さらになってしまいましたが、8月に行ったカラーハンティング展の様子をアップします。
今さらとはいえ、10月6日(日)まで六本木の21_21 DESIGN SIGHTでやってますので、興味のある方はまだ間に合います、一般入場料1000円です。
中の様子はこんな感じで、カラーハントされた色が様々な方法で展示されています。

そもそも、カラーハンティングとは何か? 主催者の言葉を引用すると次のようになります。
海、空、木、星・・・・・。自然界には、無限の色が存在します。展覧会ディレクターの藤原 大は、シンプルな好奇心とパワフルな行動力をともなったデザイン手法「カラーハンティング」を生み出しました。自然や都市に現実の色を、自ら水彩絵の具を調合してその場で紙片に写し取っていく行為は、文字通り色の採取(カラーハンティング)です。
ということで、下の写真は、藤原氏が様々な場所や時間で写し取った、膨大な量の「空の色」のカラーチップ。

この他、カラーハンティングされた色をプロダクトに落とし込んだ具体例として、アフリカの大地とライオンの色を採取しシューズデザインに織り込んだ「カンペール」のプロジェクトや、人の肌の色をメガネフレームに取り入れた「JINS」のプロジェクトなどが展示されていましたが、なかなかカラーハンティングの奥深さを伝えるのは難しいな、と思いました。
ここでまた藤原氏の言葉を借りると、
色は生きもののようです。音や香りを同じように流動的で、感覚、科学、文化といった側面からいろいろな理解ができます。また、色はモノ、空間、情報のそれぞれに存在し、多くのメッセージを優しく伝えてくれます。(後半略)
つまり、見た色を記録してモノに塗る、という表面的なことだけでは無く、色を採取するという行為によって、クリエイターがその場で感じた全ての情報(意識・無意識レベルに関わらず)が投影されることが重要なのであり、それは色を通して世界観を表現しているのです、ということがちゃんと伝わっているかどうか、、、
まあ、カラークリエイター諸氏は、わざわざこのようなパフォーマンスをしなくても、常に自分自身の中で消化していることですから、と思っているかもしれませんけどね。
さて、カラーハンティングからは少し外れるかもですが、その他の気になった展示物を紹介します。

微妙に色の違うパープルに染められたいくつものファブリックですが、実はコレ、染料のレシピや工程(時間)は全て同一、違うのは、使っている“水”、全国の様々な水を使うことによって、その水の採取地ならではの色を発色させています。
左下に際立って色調の違うのがありますが、これは温泉水を使って染めたものだそうです。
従って、どこの工場でも正確に目標色を再現するためには、ファブリックの染色工場に、水のpH値を調整する装置なんかも必要になるという訳です。
最後は、会場の出口付近にある「未来の色」の展示。

これは、来場者が思い浮かべる「未来の色」のカラーチップを、タペストリー状の紙に貼りこんでいく、という試み。長い紙は上のほうで巻き取り式になっています。
こうして見ると未来の色は千差万別、お先真っ暗な人から真っ赤に燃えてる人、暖かい未来、冷たい未来、いろいろですが、でも、この色分布、時代や環境によっても大きく違いが出るような気がします。特に、バブル期といまでは相当違うからもしれません、ある意味、逆カラーハンティング的な。

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