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無名雇われデザイナーの流浪の日々。

地球の片隅でひらめいたことを、気が向いたときに書き綴っているページです。

【映画】 CLOUD ATLAS 簡単ガイド

2013年04月28日 | MOVIES

 さて、上映映画館も無くなって来たので、そろそろネタバレ記事もOKでしょうか?(笑)

 いや、スゴイ映画です、深いです、いろいろな意味で感動しました、、、そして、いろいろな方が、「複雑だ」「難解だ」とおっしゃられてもいますが、ここは一発、一回だけの観賞でワタクシめが感じた、超簡単な結論を述べさせて頂きたいと思います。

 この映画は、『愚かな人間の性によって、地球の環境汚染が進み、生命が維持できなくなってきたので、他の星に移住した』、という単純な内容であります。
 そして、その『愚かさ』、即ち、欲や利権に囚われた生き物の悲しいストーリーが、時代を超え、場所を変え、これでもかと丁寧に描かれているのです。
 そして、もっと悲しいのは、いつの時代にも、その大きな闇のような力に対して、愛と正義と勇気で立ち向かう人々が居て、でも、それは少数派で、時に勝つ事があっても、結局人間の愚かさは変えることが出来なくて、時代が変わればまた同じ過ちを犯し、冒頭に述べた通り、地球が駄目になっちゃうのでした。

 そして、ラストシーンでは、遠く夜空の向こうにある地球を想い、人間という生き物のどうしようも無い愚かさと、それに立ち向かおうとした実直な奴らの想いに涙が止まらなくなる、という、なんとも救いようの無い気分になる映画であります。

 この映画を観て、どんな境遇にあっても、勇気を持って正しく生きていこう、と、前向きになった方もいらっしゃるようですが、逆に、死んでも治らないバカばっかりの為に、自分の選手生命を賭けてまで正しいことを貫くなんてもっとバカらしくて、寄らば大樹の陰でうま味を享受して死んでいったほうが幸せなんじゃないか、と思ってしまうのは、自分のオールドジョージーに身も心も売り渡した人間だからか?!




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【映画】ブラック・スワン

2011年05月22日 | MOVIES


 またヒルズですが、映画を観に行ってきました。

 この映画はスゴイ、凄まじいと言うべきか、、、内容は書きませんが、バレリーナだけでは無く、クリエイターと呼ばれる類の方々から趣味でバンドやっている方々まで、自分で自分を『表現者』だと思っている方は観てみて下さい。そしてぐったりして下さい(?)


------ JUL/08追記(ネタバレ注意)------


 と、言うことで、そろそろほとぼりも冷めた頃(?)なので、一番気になったことを記しておきます。(今頃この頁を読む人が居るかどうかは分かりませんが、自分の備忘録でもあるので)

 このストーリーで描かれていることは、程度の差こそあれ、クリエイターの現場ではどこにでもある(または可能性のある)事に思えます。
 磨けば光りそうな若い逸材から、100%能力を引き出し開花させたいが為に、窮地に追い込んだり崖から突き落としたりと、プレッシャーを与えたりショック療法に走ることはあるでしょうが、特に乗り越えさせたい壁が、「技術的」なものでは無く「性格的」なものである場合は、その指導方法に注意が必要だと思います。

 もちろん、映画の中のトマス(バレエ団監督)のような、セクハラ的やり方は無いにしても、結果、パワハラで訴えられるレベルのことは行われているかもしれません。
 加えて、クリエイター本人が、自分の意思で自分を追い込むことで負の相乗効果が生まれ、より問題が悪化する原因になることも多いでしょうが、それも、鶏か卵かの話になるだけで、責任の訴追を回避できるものではありません。

 えっと、責任回避法のような無責任な話をするつもりは無く、言いたい(考えたい)のは、この問題を真摯に受け止め考える必要があるということなんですが…。

 実際、主人公のニナのように、統合失調症(旧称:精神分裂症)の症状が出るまでになりながら仕事を続けていることは考え難いですが、それに近い精神状態に苦しみながら(あるいは薬で症状を抑えながら)仕事を続けている人は、貴方の隣にも存在していると思います。

 最近こういった問題に対し、企業ぐるみで対処法の講習・指導も行われていますが、クリエイターにとってはそんな単純なものでは無いだろう、的な内容にいつも憤慨してしまいます。
 才能を100%開花させて精神が壊れるのと、2流3流のままそこそこやって行くのと、人生にとってどちらが良いのか、なんて短絡的な思考で解決するものでは無い、根の深い難しい問題ですが、そう言った目でこの映画を観ることで、何かを感じることが出来るような気がしますので、いままで全く問題の無かったクリエイターやその上位者にこそ、是非観てもらいたい映画です。


 これから社会に増えるゆとり世代の分岐点は、さらに下がっているようですので、世の監督者達には、より真摯な対応が求められると思います。


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AVATAR

2010年01月24日 | MOVIES
 いままで、映画を観てもあまりコメントはしていないのですが、先日観たアバターについて、少し感想など…。

 やはり1番の興味は、どれほどの3D映像なのか?というところ。実は、アバターの3D方式は、映画館により4つの方式が混在していて、その違いは、こちら様のブログで詳しく紹介されているので、是非、ご参考下さい。

 で、我々は、IMAX3Dまで足を延ばすのもなんだったので、ワーナーマイカル系のRealD方式で鑑賞。もちろん、先のブログの指示に従い、後ろ寄り中央付近の席を確保して!

 と、前置きはこのくらいにしてその映像ですが、、、スゴイ! 綺麗! 当然、3Dならなんでもスゴイ訳ではなく、この映画の、状況設定や造り込みの素晴らしさがあってだと思いますが、とにかく、ビジュアル表現に興味がある方は、一度観て損は無い、というか観るべきと思います。

 世界観としては、日本のビデオゲームやアニメの影響も色濃く感じられますが、自分は、それがネガとは思えませんでした。むしろ、この手法でリアルな○○や○○を観てみたい、とさえ思います。
 そういった意味では、それまでのハリウッドものも含めた、SFファンタジー界の集大成を、最先端技術で表現したらどうなるか?の答と言えるような映画でもあります。

 間もなく、家庭用3Dテレビが市場に出始め、ESPNが3D中継配信を発表するなど、にわかに3D映像関連情報が賑わっていますが、そうは言ってもどんだけ? と、思っていたフシも、こんなの見せられた日には、「早く欲しい」と思わせるチカラがある出来です。(まあ、通常のプログラムは映画と違うでしょうが…)

 但し、3時間近く3Dメガネをかけて観ていると、若干、脳ミソが疲れる感じがするのも事実です。また、先のブログでも言われていますが、配役の生声に拘るヒトでも、今回だけは英語が分かる方以外は吹き替え版がお勧めです。字幕も映像の空間に配置されることになる為、距離合わせがたいへんで、映像に100%浸ることができません。

 ストーリーの方は、行き過ぎた経済優先の物質主義への警鐘と共に、環境保護的な要素も加えられており、リーマンショック後のアメリカ人には身に染みる(?)展開になっていますが、正義、勇気、人種を超えた「愛」など、アメリカ人を感動させる為の、ハリウッド映画としてのたしなみも忘れていません。

 日本人的には、コンセプトはAGREEでも、表現が少々単純過ぎない? てか、安っぽい、みたいな。
 細かいところでは、森が知能レベルの交信を行っているという設定が、最後のシーンの複線であることは分かるけど、知能が高いものは守るべき(低いものはどうでも良い?)的考え方に感じられ、鯨問題の欧米的捉え方とダブる、ってゆーのは考え過ぎか?

 一方、世界経済を引っ張っている某国(方々)は、このコンセプトをもっと深刻に受け止めているようで、まだまだ、強行手段を使ってでも、強引に開発を進めているところに水を注されちゃマズイ、という危機感から、公開縮小を指示したとかしないとか。

 ま、ストーリーよりは、世界観とその表現の素晴らしさを楽しむ映画であり、最先端の映像技術を体験すること自体を楽しむ映画であるとも思います。

 話は変わりますが、我が家の最先端機器であるXPS16君ですが、一端帰還されたものの、翌日、再びサービスセンター行きが決定しました。なんなんでしょう???
 今回も、DELLプレミアムサポートデスクは、日本人の方が親切に対応してくれたので、その点は良いのですが、その真紅の躯体を眺めていると、気難しいイタ車を手に入れたような気分になるので、「赤」を選んで正解だったと満足しています。(なんのこっちゃ)



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日本以外全部沈没

2007年02月07日 | MOVIES
!完全ネタバレしてます!

 これから、この映画を観ることを楽しみにしている方は、お読みにならないことをお勧めします。最後の大どんでん返し(?)についても触れています。何故言うかって?、だって、観ること自体がお勧めじゃないんだもん ヽ(~~~ )ノ

 DVDの購入動機ですが、この映画の原作は読んでいません、映画「日本沈没」の方は観てません、てゆうか興味ありません。ただ、アマゾンの批評欄を読んだだけで即買いしました、はい。

 一応知らない人も多いと思いますので、あらすじを大雑把に言うと、地球の大規模な地殻変動により、日本以外の大陸がどんどん沈没し始めるのですが、日本だけは、プレートの動きに助けられ生き残ります。
 そのため、日本に命からがら逃げて来た「外国人(しかも要人が多い)」は、難民としての暮らしを余儀なくされます。そのとき、地球上の民族で日本人が一番偉いことになり、そこから生まれる、日本人の様々な差別的行動や人間関係が、コミカルに描かれています。
 そうこうする内に、密かに入国して身を潜めていた北朝鮮の面々がクーデターを試みるも、時既に遅し、最後まで安全と思われた日本も沈没し、全ての人類が滅亡してしまう、と言う話です。
 ただ、その滅亡の寸前に、様々な文化や民族の違いがあっても、狭い土地でも、そこで仲良く暮らしていく平和の尊さに、みんなやっと気が付く、と言うオチも付いています。

 いや、企画はスゴイAGREEなんです。前半の、日本人が民族として優位に立ったことを想定したドタバタや、最後のオチまで。何故もっと真面目に取り組まなかったのか? 何故こんな中途半端な表現で済ませてしまったのか? が、非常に惜しまれる作品です。

 外国人差別の表現一つとっても、海外の人には見せられない、と言う意見もありますが、表現が中途半端でリアリティが無い、まあ、3流役者ばかりで下手っぴってのもあるかもしれないけど、このへん、もっとリアリティのある設定で、本当に国際問題になるくらいズバズバ斬ってくれれば、例え演技が下手でも共感できるのに…。自分としては、日本人の情けなさの方が印象に残る場面が多く、別の意味で海外の人に見せたくないです。

 まあ、ウルトラ7世代が懐かしむような特撮レベルも含め、全部シャレってゆーなら、それはそれで良いのかもしれないけど、企画が面白いだけに、なんか納得できないなぁ~、、とにかく煮え切らない気持ちで一杯になった映画ですわ。

 少なくとも、アマゾンの批評を読んで期待をしていた、『自己中外人 異なった文化/風習をバックボーンとし、異なった言語を使用する方々とのリレーションで、ムカついた時の特効薬(うさ晴らし)』にはならない、と言うことは判りました。はぁ~。(そもそも購入動機が不純、と言う意見は却下します)

LOST IN TRANSLATION

2006年11月26日 | MOVIES
 
 2003年のこの映画はいろいろ話題になったので、ネット上でもいろいろな批評が公開されています。特に、この映画で表現されている日本の捉え方を論じているものも多く、なんとなく見る前から、内容が想像できる部分は無きしもあらず、と言う感じだったんだけど、それ観たさもあって、あえてDVDを購入してみました。

 で、感想ですが、一言で言えば共感しました。日本の捉え方なんて、この際どうでも良いことに思える位の位置付けでしたね。
 誰も動かすことができない事実が事実としてあり、その世界に人は順応して生きていくしかない。沸き起こる感情もいつか自分の中で濁汰され、結果、誰も幸福にも不幸にもならない、そんな世界観を感じました。
 
 そんなストーリーのベースとして描かれていた、ボブとシャーロットが東京のHOTELで感じる、孤独感とも焦燥感とも思える感覚ですが、実は、数年前海外駐在していた頃、日本出張の度、自分も似たような感覚を感じていたことを、この映画を観て鮮烈に思い出したことに驚きました。
 きっと、映画の中の彼等は、言葉も文化も違う遠い異国(日本)にやって来て孤独感に苛まれている、と言う設定で、映画を観ている人も納得しているんだと思うし、自分も事前情報ではそう思っていたのですが。
 東京都心のHOTEL(パークハイアット程高級ではないけど)の高層階の部屋に一人戻り、永遠に煌き続けそうな夜景や、眠れなくて(自分の場合明らかに時差ボケですが)夜が明けてだんだんと明るくなる都心の街並みを見ていると、以前自分が働いていた日本の職場への出張で、30分も電車に乗れば親兄弟に会える、慣れ親しんでいたハズの場所に居ながら、自分が何か現実とは切り離された世界に1人取り残されているような、まさに映画の中で表現されているような感覚を覚えていたのでした。

 NYでもロンドンでも、パリ、ミラノでも感じたことの無い孤独感を、ホームタウンで感じさせる『東京』ってなんなんだろう? この感覚、日本に戻ってからは全く忘れていたのですが、思い出しました。そして、この映画の舞台が、単なる異国の地や最果ての地では無く、東京である必然性を強く感じました。陰と陽が強烈に対比する街に、水と油のように、永遠に混じり合うことは無いと感じてしまう可哀想な彼等。

 そして行き場を失いそうな人間が、心通じ合え安らげる場所を求め彷徨い、とりあえず目の前のなにかに摑まること、また、目の前で弱まり彷徨える人を癒すことで、自分も癒される共依存な関係に陥ること、これもまたAGREEです。
 ボブとシャーロットの微妙な関係、一見、目線は同じようですが、二人の人生経験の違いによる感覚の差は少なくないと思います。と言うか、シャーロットは、ボブの感情の意味だけではなく、彼に対する自分自身の感情さえ、完全には理解できていないんだろうな。でも、彼等の関係は全然アリと感じます。

 どうでも良いことですが、ボブとシャーロットが映画の中で「しゃぶしゃぶ」は最悪とか言ってましたが、以前、アメリカの職場のスタッフ(女性)も、同様のことを言ってました(笑) 彼女の場合、「料理を客に作らせる」とかの高尚(?)な問題ではなく、皆で鍋をつついていると、出し汁を、大勢の人がくわえた箸で共有するだけではなくて、湯気で熱くなって出てくるみんなの額の汗や、頭の油まで、全てごっちゃになった料理を食べているような気分になるようです。(うげっ)
 ちなみに、LAのしゃぶしゃぶ屋は、小さな鍋が1人づつ設置できるテーブルになっているので、複数人で同じ鍋をつつく必要はありません。

Always三丁目の夕日

2006年07月23日 | MOVIES
 
 東京パワーの原点を見た映画【DVD】だった。

 東京の50年後の夕日も綺麗だから安心しろと、一平に教えてやりたかった。
そして、東京のパワーは衰えていないし、みんな頑張って時代を生き抜いているし、別に人情だって嘆くほど廃れちゃいないと言いたかった。

 土手の上からの、見渡す限り何も無い関東平野の夕景の中に、唯一そそり立つ東京タワーの綺麗な眺めには、未来への夢と勇気が詰まっていただろう。でも、そのお隣に六本木ヒルズや東京ミッドタワー、右遠方には新宿の高層ビル街等々が加わった現在の夕景も、夢や勇気が湧いてくる綺麗な景色だと思う。

 この映画を見て懐古趣味に浸るのでは無く、いままでの50年は間違いでは無かったし、これからの50年にも夢や希望を抱いて行こうと思う、今日この頃なのである。
 出来れば、いまから50年後の東京の景色も見てみたいし、そのまた50年後の景色も見てみたい。Always I♡TOKYO

 東京の街と人と生き様を感じるための原点が、この映画には詰まっている。

 
 まあ、江戸文化にもちょっと興味あるけど。。。