写真上:千枚田第二弾 三重県「丸山千枚田」
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☆自由な国で 人権も守られて 幸せに暮らすために
☆降伏はできない
☆命があったとしても 幸せに暮らせないと 意味がない
☆ウクライナ人として
関西で暮らして30年となったウクライナ人・ソフィアさん(32)のことばは、祈りのようであり、強い決意でもあると感じました。
5/27のNHKかんさい熱視線「亡命のウクラニアン 百年の記憶」では、「現在起きているロシア軍のウクライナ侵攻で、世界各地に離散するウクライナの人々ですが、実は100年前の関西でも同じ光景が広がっていた」という事実を伝えています。
100年前といえば、帝政ロシアから社会主義国・ソビエト連邦に変わる「ロシア革命(1917~1923)」の激動期。港町神戸には白系露人(多くはウクライナ人)と呼ばれた数千人の亡命者が「深江の異人村(ウクライナ文化村)」を作っていました。
神戸には才能豊かな音楽家が結集し、特に指揮者のエマニエル・メッテルは、作曲家・服部良一氏や世界的指揮者・朝比奈隆氏など多くの音楽家やオーケストラを育て「日本の音楽界の恩人」と呼ばれます。その妻エレナ・オソフスカヤ・メッテル氏はプリマドンナであり、創成期の宝塚歌劇団でヨーロッパのダンス・舞踊を伝えました。
ソフィアさんは「映画監督のスピルバーグ、音楽家ボブ・ディラン、指揮者レナード・バーンスタインなど、ウクライナに起源がある多くの才能が世界に散らばっている。そしてまた多くの才能が無名のまま消えてしまっただろう」と話します。ウクライナ人の音楽や舞踊など文化的才能のすばらしさを知りました。
しかしソビエトはロシア革命時に、独立をはかったウクライナにすぐさま侵攻して、処刑やウクライナ語の使用を禁止するなど、激しい弾圧を加えました。そして1930年代に世界大恐慌の嵐が襲った時には、「ホロドモール(飢餓による殺人)」で大量殺人・ジェノサイドを行っています。
1932~1933年当時、ウクライナで収穫された小麦は貴重な外貨獲得手段だったこともあり、スターリンは農民に過剰な農産物の供出を課し、その結果農民たちには食料がなくなり900万人とも1500万人ともされる人々が餓死したのです。
ウクライナの人たちが、この辛い事実を話し始めたのはつい最近のことで、映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地」が2020年に公開されています。
プーチンは侵攻前に歴史書を読んでいたとのことで、今回のウクライナ侵攻の思想や戦術もそこから得ていると言われます。以前マリウポリのアゾフスタリ製鉄所でも「兵糧攻め」が嫌な戦術でした。最近では黒海の封鎖による穀物輸出ができず、アフリカ諸国などへの影響が深刻です。彼が「世界がロシアのせいにしている」とムキになって「矛盾する抗議」をするのも空しい。歴史からなにかと影響を受けている、あるいはプーチン自身に「食料、飢餓などが支配に効果的」といった考えがあるのかと想像します。
写真下:近年新種として発見された「くまのざくら」ソメイヨシノより開花期が早 く、全体が金色に輝いている!