写真:玉置神社の周辺には杉の樹林が広がる
熊野本宮大社を起点とするもうひとつの古道、「大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)」は、2000m近い山々の尾根を伝って吉野山に至る厳しい修験道の根本道場となっています。
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その昔は谷伝いより、尾根伝いの方が道路も作りやすかったのでしょうね。特に紀伊山地にこうした数多くの霊場が作られたのはどんな意味があったのでしょうか?都に近いから、だったのでしょうか?いずれにしても、ヒトは古来より身体を極限まで酷使して、精神を鍛えていたのですね。もちろん今でも修行している人は多いようです。
写真:オブジェのような珍しい形の大木が目を引き ます。これも杉なのかな?
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金峰山修験本宗宗務総長の田中利典さんは読売新聞(2008/8/19付け)の「修験道と今」で、「修験道は日本古来の山岳宗教に、神道や外来の仏教、道教などが集合して成立した日本独自の民俗宗教であり、その基盤は山岳信仰にある」と説明しています。そして「大自然の中に分け入り、神仏を隔てなく拝み、大自然と一体になる宗教。(中略)自然との関わりこそがその生命なのである」と教えています。<o:p></o:p>
写真:玉置神社の本殿にはどことなく幻想的な雰囲気が。
大自然を道場に、日本古来の八百万(やおよろず)の神々が見守るなかでの心身修行は、ことに都会生活の現代人には、必要とされるかもしれません。近年実施される「体験的修行」「山伏修行」などへの参加者は増加する一方だということです。
宗教、宗派などの境界がなく、神と仏も等しく尊ぶ懐の広さにはとても共感できます。<o:p></o:p>