珈琲の木は雨が好き

炭火焙煎珈琲のお店で起こるお客さんとのエピソード

おとぎ話 5

2013年09月03日 17時30分31秒 | Weblog
     「熊の冬眠」
熊は悲しんでいました
夏の乾燥した暑い日に 突然の山火事が
動物たちの住んでいた山々を全て
燃やし尽くしてしまったのです

逃げ遅れて焼け死んだ仲間達は数知れず
川へ魚を捕りに行ってた熊は
川沿いに逃げて奇跡的に助かったのですが
熊仲間の住んでいた森も何もかもが焼けて
友も女や子供の熊達を助けることが出来なかった事を
悔んで悔んで 何も出来なかった自分を責め続けました

でも熊は1匹ですべて焼けた山から
離れようとはしませんでした
毎日毎日悲しみながら気が付くと もう周りはすっかり冬に
焼け残った森には川は消え、木の実もありませんが
洞穴で熊は冬眠することにしました
仲間と一緒だった時よりも 寒さが身に沁みます
熊は悲しみでどんどん深く深くへと眠りました

鳥達の鳴き声で そろそろ春も近づいたかな?っと目を覚ますと
花が咲き 木は茂り 友や仲間が楽しそうに
走り回って 小熊や森の動物が飛び回ってます
熊は突然の風景にびっくりしながらも
うれしくなって一緒に笑い 毎日毎日泣いていた事も忘れて
楽しく仲間の輪の中へ入って行きました

山火事で真っ黒になった森に 人間の猟師が登ってきました
山頂の大きな洞穴の中をのぞくと
大きな熊がガリガリに痩せ細って死んでいました
しかしその死に顔は楽しそうに笑っていたそうです

めでたし めでたし

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして、こんにちは (liz)
2013-09-04 07:42:51
偶然お邪魔して、おとぎ話に見入ってしまいました

みんな死んじゃうんですね…
ちょっと切ないけどあったかい気持ちが残るのは
きっと、“誰かのために死ぬことは幸せなこと”
… ってなのかな。。
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Unknown (雨が好き)
2013-09-05 07:11:05
コメントありがとうございます
シンデレラや桃太郎のようにその後を考えてしまうより
マッチ売りの少女やフランダースのように
悲しいけれども本当に幸せになれたんだろうなって
おとぎ話が好きなので・・・
絵がうまく書けたら 絵本いしてみたいな~なんて
それこそ夢物語ですけどね
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