白い虹

決して長いとは言えない時間に、やたらと濃い情報を交換することがある。
そうした諸々は、なにも会話を交わさなくとも、伝わってしまうことだったりする。
言語によらない情報。
言葉以外のいろいろ。表情だったり、息づかいだったり、なにがしかの気配だったりすることもあるのだが、そうした印象レベルでも受け取れることはたくさんあって、多くのことを示してくれる。たとえ顔を合わせなくても、伝わってしまうことはある。情報は十分に取れるのだ。

17時で面会時間は終了なのだが、ギリギリで間に合った。時間をめいっぱい使って、その後、退出した。
いろいろ思うことはあるけれど、まずはこの日を迎えられたことを感謝したい。
ちょっと近所の神社に行こうか？
そう切り出したのは僕だが、満面の笑みで「うん♪」と返事するさっちゃんの表情はとても明るい。
どういう事情があるにせよ、この日を迎えられたこと自体はとても幸せなことだった。

神社に向かうには、ちょっとした坂を下る。
高台から下るわけだが、そこからは少し景色が開けて見える。
ん？あれは彩雲なのでは？
僕が見つけた吉兆に
「ほー♪」と。
さっちゃんがうれしそうに空を眺める。だが、しばらくして、
「あれ？あれって虹なのかなぁ？」
とおっしゃる。
虹となΣ(´∀｀；)？
虹があるなら、僕が先に気づきそうなものだが。。。
と思いつつ、空にもう一度視線を向ける。
？！
たしかに！！
光が弧を描いている！！
しかし、この虹は七色ではなく(*‘ω‘ *)
ハロみたいな感じなのだけど、いわゆるハロとはなんか違う。
これって、ひょっとして(*‘ω‘ *)
白い虹(*‘ω‘ *)？！
見るのはこれが初めて。

僕らはよくよく虹を見ることが多いのだが、今年は別種の事情があったというか、いつもとは違っていて、まったく見ることがなかった。
久しぶりに眺めたことになるのだが、それが「白い虹」っていうことには、いわく言い難いけれども、何か意味があるような気がして仕方なかった。