DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS  聖なる夜に

2016-12-24 23:44:51 | 妄想黄泉×蔵馬SS
相対的に言って。
今年は良いクリスマスイブだったと思う。
何でか知らないが黄泉だけが金を出して
行う馬鹿騒ぎー因みに25日の昼間まで続く。ーでは
なかっただけでも上出来な上。
22日の仕事終わりに食材を持って癌陀羅まで徒歩で
向かうと言う何の苦行だか解らない行為も
人間界の蔵馬の自宅に『来ちゃった♡』した
修羅と黄泉のせいと言うかおかげでせずにすんだし。
飯は用意してあると言う黄泉の言葉に一瞬死を覚悟
したがなんのことはない冷凍庫に入っていた母のキーマカレー
をレンチンしただけの生命に関わるものでなく。
ボクがお米研いだよ!と誇らしげな修羅をぎゅうして
三人で丁度冬至だしと柚子湯に入りゆっくりと寝て。
次の日は修羅を真ん中にクリスマスの買い物に行き
イブは朝から黄泉の面倒を修羅に任せ志保利直伝
『安い食材でも時間と手間をかければ豪華なクリスマスディナー』
を完成させる偉業を達し。
凄い!美味しい!全部!なんで!とすべての褒め言葉に!マークを
つけ喋る修羅に微笑み。
おお。とかうむ。とか言いながら料理を平らげてゆく黄泉に
人肉しか食えないってただの食わず嫌いだったんじゃないかと
長年の疑問がまた頭をもたげてきたりもしたが。


「寝たぞ。」
2階から降りて来た黄泉が台所(築30余年のこの家ではキッチンよりも
台所がしっくりと来るのだ。)で食器を洗い終え湯を沸かしていた
蔵馬に声をかけた。
「コーヒー?紅茶?」
「紅茶で。」
棚からアッサムティーのティーパックを取り出す蔵馬の動きと音で
疲れているなと黄泉は気付く。
案の定。
居間のテーブルにカップを置いてソファに座りこんだ蔵馬は
深々と溜め息を吐いた。
「世の中の母親って・・・。」
「ん?」
「偉大だなあって。
だって毎日あんな体力お化けを相手にしながら仕事したり
家事したり本当に足向けて寝られない。」
(修羅はまあ体力的には特殊な部類に入るが)
しばし無言で紅茶を啜っていると。
「蔵馬。」
と黄泉に声をかけられうとうとしていた蔵馬は
何と小首を傾げた。
「やろう。」
握り込まれた右の拳の下に手を差し出す。
ころり。と落ちたのは七色に輝く八角形の石。
「・・・黄泉これ。」
「ああ。
癌陀羅の地下図書室の鍵だ。」
古今東西魔界人間界霊界に限らず貴重な書物の収められている
学術的にも金銭的にも非常に価値のある図書室。
「いいのか?」
「まあ1番お前が活用してくれるだろうしな。」
「うん、でもあの、な。」
「何だ?」
「悪い。オレお前に何も用意してない。」
何だそんなことかと黄泉は嗤う。
一生手の届かないと思っていた相手が横に居て。
息子と三人で買い物に行き食事をし。
本心を隠す事に長けたこの狐が『嬉しさ』と『すまなさ』を
滲ませた声を聞かせてくれる。
これが贈り物でないならなんだというのだろうか。
「充分だよ蔵馬。」
ぽんぽんと数度黄泉の手が柔らかな蔵馬の頭を叩く。
不思議そうな顔をした蔵馬は黄泉のセーターの袖を掴んだ。
「・・・どうした?」
「明日は・・・師範の家で幽助達とパーティだろ?」
「ああ。まあそうだな。」
雪村螢子の力を持ってしてもクリスマスイブだけしか死守できなかったが
逆に考えるとイブだけでも死守させてくれた彼女には何か褒賞を贈らねばと
黄泉は考える。若い娘なら金よりも装飾品か。二百万くらいのモノならば
いくつか明日買うかと螢子が聞いたら全身で拒否りそうなことを考えて
いた黄泉は蔵馬の言葉を聴き逃した。

下から見上げる蔵馬の体温が僅かに上昇している。
袖を掴んだ指も微かに震えている。
「・・・いやか?」
「え?」
嫌って何が?と聞ける空気ではない。
「だから。」
真剣な声音に思わず居住まいを正す。
「何も用意してないのはオレの落ち度だから。」
その。と口籠る。
んだよ早く言えよオラァ!と千年前の自分なら
宣っていたが(それが見限られた原因の一つとも今ならわかる。)
頭の中で言いたいことが上手く口から出ない子供と暮らしているし
肉体言語(平たく言えば殴り合い)ばかり得意で実際の恋愛は
からきしあかん若者(例 幽助。酎など)や恋愛何それ美味しいの?
な飛影などとも付き合いのある今現在の大人な(笑)黄泉は違う。
言いにくいことを待つ気長さも養った。
捻くれ者で解りにくいー特に黄泉に限ってだー好意を示す蔵馬の
言葉くらい何時間でも待てる。
(オレも大人になったものだ。)
と雷禅が聞いたら腹抱えて爆笑しそうなことを思っていたら。
「・・・あ、明日早いし。
い、いつもみたいなのは無理だけど。
一回とかくらいなら。」



がしっ!
「痛・・・!」
S級上位の本気のがしっ!だ。
掴まれた蔵馬の左右の腕は悲鳴を上げた。
「す、すまん。
いや蔵馬お前今の・・・」
正面から顔を見られるのが(見えてないが)恥ずかしいのか
蔵馬は顔を背けたまま消え入りそうに呟いた。
「いい・・・よ。」
ゆっくりと顔をこちらに向けて。
黄泉の頬に手を添えると。
意外にも蔵馬から黄泉の唇に触れた。

一瞬開かない筈の目が開眼しそうになりながら
その細腰に腕を回し
形の良い頭を左手で支え蔵馬の身体を逃さないように
抱き締め嗚呼もう明日死んでも悔いはないなと阿呆な事を
考えながら黄泉は慣れていない蔵馬からのキスを
しばし堪能した。


2階にある修羅専用の部屋。
一昨日パパと買って来たクリスマスツリーの横に
置いた小さなテーブルの上に紙皿に載せたクッキーに
パウンドケーキにマドレーヌ。全部修羅が自分のお小遣いで
買い揃えたものだ。
ぐっすり眠る修羅のベッドに引っ掛けてある赤い靴下の中には
『さんたさんへ。
おとうとください。しゅら』
と書かれた短冊がひらりと入っている。
微妙に七夕が混じってはいるが。
全身真っ赤な服着たお爺さんは困ってしまった。
お爺さんがあげられるものは限られているし
万が一赤ちゃんをあげられるとしてもそこらへんは
天使とかあたりと相談しなければならないし。
階下でイチャイチャしてる二人はお爺さんから見ても
お似合いで赤い髪の方は大層美しいが二人とも男だ。
男同士でも妊娠できるぜ!とか何処かの国の研究機関が
発表してたが科学とかはお爺さんの専門外だ。
お爺さんはしばらく唸ると袋から全世界的に子供に人気のある
ゲームソフトの特別限定版を枕元に置いた。
しばし考え靴下から出した短冊の裏にメッセージを書く。
『パパ達にもらおうね。』
紙皿の上からマドレーヌを摘みあげる。
今時珍しく菓子が用意してあるとは。
子供とは言えなくもない逆毛の少年の事を考える。
あの子にはまだプレゼントをしたことがないがあの子が
欲しいものは何かな?と考えながらお爺さんは
音もなく窓をすり抜けた。




〜やだー。
もう少し頑張れよって感じですな。
でも初めてお誘い蔵馬さんです!
蔵馬さんから初ちゅーです!
てかこのブログでちゅー書いたの初めてでなくて?
いやあ。ローストビーフ美味い。美味い。←照れ隠しだ。