DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS 秘密会談

2016-12-11 08:10:37 | オールキャラ 黄泉×蔵前提
「反対意見は?」
低い声で男は言った。
「異存はありません。
寧ろこちらにとっても喜ばしいことです。」
高い声に似合わず何処か威厳を漂わせ少女は言った。
「では。
手筈どうりに。」
「ええ。」
二人同時に席を立ちどちらとも無く手を差し出し
がっしりと握手を交わす。
この先の魔界人間界の命運さえ決めかねない大切な
会談だったのだ。
思わず立ち会っていた女ーまだ若い二十代前半だろう。
が深く息を吐いた。
「どうしました?螢子さん。」
「ああ。付き合わせてすまなかったな。
何か食べるか?」
先程までと違いニコニコ笑う少女ー雪菜と。
好きな物を頼めとメニューを差し出す男ー黄泉。
を見ながら雪村螢子は力なく笑った。

『ー皿屋敷ファニープラザクリスマスセール!
25日まで開催。13階フードコートでは世界の
クリスマス料理フェアが・・・』
耳から締め出していた店内放送。
ークリスマス。
そう、クリスマスよね。
「今年こそは。」
「はい。今年こそは。」
雪菜と黄泉は拳を握り合い頷き合う。
「浦飯に。」
「幽助さんに。」
「「邪魔されないクリスマスを!」」

温くなったカフェオレを一口飲み込むと螢子はもう一つため息を吐いた。
毎年開催されるクリスマスパーティ。
幽助発案。黄泉出資。
螢子も参加しているヤツだ。
雪菜が雪を降らしたり氷の結晶でテーブルを飾ったりしているのも
見て来た。
大変ね~。とか思いながら。
「和真さんと二人でイルミネーション見たいんです!」
「蔵馬と修羅と三人で細やかながらも楽しいクリスマスを
家で過ごせたら・・・!」
(雪菜ちゃんの願いは可愛いけど。
黄泉さんの願いは微妙。)
「イブだけでいいんです!」
「そうだ!
その後なら正月まで毎日パーティでも構わん!」
毎日パーティとか(笑)
どんなセレブだ。あ、この人(黄泉)マジモンのセレブだった。
と薄く螢子は笑う。
「お願いします螢子さん。
これは螢子さんにしか頼めないんです!」
真剣な顔で雪菜が言う。
「浦飯を止められるのは君だけだと聞いている。
金銭的な協力は惜しまない。いくら掛かっても良い。」
「お金は私ありませんけど毎年夏のクーラー代は
掛からないようには出来ますから。」
「海外に連れ出して貰っても良い。
寧ろその方が安心だ。」
セレブ(笑)の言うことは違うわ〜と螢子はまた笑う。
てか。
桑原くんと二人きりでクリスマスしたい雪菜ちゃんは
ともかく。
蔵馬さんと修羅くんとファミリークリスマスしたい
黄泉さんは自分で幽助に言えばいいじゃないて思う。
「蔵馬は浦飯に甘い。」
螢子の思考を読んだかのように黄泉がボソっと囁いた。
ー確かに蔵馬さんは幽助に甘い。
けど。
(私。
幽助ととっくに別れてるんだけど。)
ずずと最後の一口を飲みながら
私も変な知り合い増えちゃったなあ。と手元のスマホの画面を
見ながら螢子は困ったように笑った。


スマホの画面には。
『シュトーレンてなんだ(︶^︶)』と言うメッセージ。
送信者は躯。
本当に私ただの人間なのになあ。
と螢子は思っているが。
混み合うフードコートの中。
自分も含めたこの三人が周りから見て非常に
浮いていることに気付いていなかった。


〜あんまり秘密でもない。
イブは桑ちゃんとだけ過ごしたい雪菜ちゃんと
イブは家族で過ごしてその後は蔵馬さんとイチャイチャしたい
黄泉様が幽助の牽制に螢子を使う姑息な話し。
簡単に言うとこんな話し。
螢子大迷惑ですね。