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うなぎのねどこ

鰻の寝床で日々オーディオと格闘の記録です。

伊達

2014-06-15 20:46:45 | オーディオ
自分の好みで恐縮ですが、好きな指揮者は伊達男が多いです。(←変な意味でなく)
作曲家は奇人変人が良いのに、やっぱり人をまとめるのは常識人が必要?

ジュリーニ、バルビローリ、そして本日のタイトルに最も相応しいかと思われるこの方「シャルル デュトワ」

私がちょうど音楽を本格的に聴き始めてすぐに、この人の演奏をよく聴くようになりました。
彼の演奏の特徴は、どんな作曲家の曲でも必ず自分の流儀をはめて音にしてしまうところで、ちょうどそれは大作曲家の曲のどの部分を切り取っても、たちどころにその作曲家の曲だと分かってしまう語法が散りばめられているのと似ていると思います。
いわくそれは、トゥッティの時のバランスの処理の仕方であったり、フレーズの流れが常にスッキリ整理されていたり、フレーズの最後が角を削られ決して投げやりにならないところや、時に必要に応じて局所的にオーケストラを爆発させていたりと、色々な特徴がありますが、総じて機能的なのに聴いたとたんに「ああデュトワか」と分かってしまうのは個性が強い証拠でしょう。
現代で最もフランス的な音を引き出す指揮者と言われつつ、ショスタコなんかも意外と面白い演奏で、特に9番の交響曲はそのあまりの軽さにハマってしまいます。
これまでに数多くのディスクがDECCAから出ましたが、へそ曲がりな私は上記のショスタコやエルガー(エニグマ+ファルスタッフ)などが愛聴盤です。
願わくば、彼の指揮するベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、そしてシベリウス(←冗談ぬきで絶対にいいだろうと思います)を聴いてみたいなあ。
最近、とんと新録音の話が出てこず、さみしいです(まあ、これは他の指揮者もいっしょですけれど)

とりとめの無い話ばかりでしたが、彼の録音で名盤だと思うものをいくつか。

① レスピーギ/ローマ3部作 (MSO)
MSOでの比較的初期の頃の録音だと思いますが、色数や切れ味は天下一品。噴水がいいですが、祭りで意外なくらい恐怖感や巨大感をだします。松はやや重心の高い感じですが、これも綺麗です。

② ガーシュウィン/ラプソディーインブルー、パリのアメリカ人(MSO)
パリアメは取り留めのない曲だと敬遠してましたが、あるとき演奏会の予習にこの盤を聴いて曲の素晴らしさを理解できました。ジャージーな感じよりはシンフォニックな感じの強い演奏。

③ エルガー/エニグマ変奏曲、交響的習作「ファルスタッフ」(MSO)
珍曲「ファルスタッフ」が名録音で聴ける貴重盤。もちろん演奏も文句無しです。客観的な視点でエルガーの屈折した心情を聞き取れます。

④ ドビュッシー/映像、夜想曲(MSO)
演奏はいわずもがなの彼の特徴満載の名演ですが、極めつけはその録音の素晴らしさ。「イベリア」を聴くと、DENONやBISなどの自然派優秀録音とは対局にある質感ながら所々でギョッとするようなリアルさが出現。(ちなみに同じドビュッシーでも「海+牧神」は録音面では堕盤かと)


他にも彼が得意とするプーランクの「弦楽器とオルガンのための協奏曲」なども大好きですが、枚挙に暇がないのでここらへんで。



遠路

2014-06-14 15:49:37 | オーディオ
今日は遠路はるばる、東方の隣県より3賢人が拙宅へご来訪くださった。
お待ちする私の心境は、これからテストを受ける学生のようで。

来られた御三方は、ベテランのアナログ使いであるkawaさん、ハーベスを高品位に鳴らし込まれるkazuさん、従兄弟の”一味”あらため”七味唐辛子”君。
音源の持ち込みはkazuさんのみで、拙宅の音源を中心に聴いていただいた。(ソースの種類がCDに限定されて申し訳ないなあ。)

試聴いただいたものは以下(全てCDのWAVファイルまたはCD)
①ウォーミングアップ用
 ラロ/スペイン交響曲 グリュミオー(vn)、ロザンタール指揮ラムルー管
 (フィリップス盤)
②kazuさんの持ち込み
 モーツァルト/Sym.no40、シューマン/Sym.no3 クーベリック指揮BRSO
 (CBS盤)
③勝負ディスク!
 ベートーヴェン/Pfcon.no5 ミケランジェリ(Pf)、ジュリーニ指揮VSO
 (DG盤)
④ブルックナー/sym.no4 ブロムシュテット指揮ドレスデン国立O
 (DENON盤)
⑤私の一押し
 ブラームス/ドイツレクイエム アバド指揮BPO
 (DG盤)

⑥バッハ/マタイ受難曲 リヒター指揮、ミュンヘンバッハO
 (DG盤)
⑦気分転換で
 上原ひろみ/”スパイラル”より「Return of Kung-fu world champion」
⑧モーツァルト/Vn協奏曲no4 ツィンマーマン(vn)他

2時間ほどお聴きいただいた。
概ね好評をいただいた(と本人が思っているだけ?)

何よりほっとしたのは、ちゃんと予報どおり晴れたこと。雨が降ると環境SNが一気に悪くなる(つまり雨音がうるさい)のです。

久しぶりにお会いし、オーディオや音楽の楽しい話で盛り上がりました。
本当に遠路はるばるありがとうございました。

ということで、次回は「七味唐辛子」邸での開催か!?




ブラ4

2014-06-10 21:01:41 | オーディオ
こんばんわ。
ちょい早めの帰宅(←仕事を放置しただけ)だったので平日投稿です。

今日のタイトルは、私が愛して止まない「ブラ4」です。
ベト5でもなく、ドボ8でもなく、さりとてマラ9でもなく、いわんやミャス27でも(注:知らない人へ。ミャスコフスキーの交響曲27番のこと、てロシア音楽ヲタクしかしらんてか!)なく、ブラ4、すなわち「ブラームスの交響曲第4番ホ短調作品98」のことです。通称「ブラ4。」いい響きだ。まるでブラ4と口に出して唱えるだけで音楽を聴いたような気になる、ああありがたやブラ4ブラ4。
さて、私の愛鳥飯、じゃなくて哀調版(←タイトル的にこれもありか?)もとい、愛聴盤はこれ。


美しい。ブラ4の中のブラ4。名盤である。一部その遅さから「と盤」扱いする不届きものもいるが、わしの目の黒いうちは断じて許さ~ん!! と言ったところでどうしようもないのですが、、、

ジャケ写だけで分からない方に解説。
バルビローリ指揮のVPO,1966年のEMI録音です。ブログ主もまだ生まれておりませぬ。

で、これだけ褒めちぎっているからには、もちろんヲーヲタの私のリファレンス版でもあるわけです。

思い出話を1つ。この録音との馴れ初めについて。
学生時代の夏休みに、私のいとこ(仮名「一味唐辛子」とします。”略”『一味」)と彼の高校時代の恩師N先生宅へお邪魔したときのこと。一味君はこの録音のアナログ盤他を持参しました。N先生はベテランのマニアで、アナログも年期の入ったシステムをお持ちでした。増築されたという専用室に通され、持参したディスクやN先生のディスクなど色々聴かせていただいたのですが、一味君はやおらこのディスクを取り出しました。私はそれを見て「大昔のアナログ盤じゃないか。どうせ録音悪いんだろう」と高をくくっておりましたが、ディスクに針が落ち、音楽が進むにつれ、信じられない思いでした。「美しい。いや~美しい。」もうそれしかなかったのです。なにせ「黄昏の音」がするのです。決して音が黄昏ていたわけでなく、、、言い換えれば「黄金色」の音なのでした。
やがて夏休みが終わり、地元から学校のあるアパートへ戻った私は躊躇することなくこの録音の「CD」を買い求め、期待に胸を膨らましていざ再生、、あれ、すんごいおとわるいし、、、

以来、ことあるごとに、あるときはシステムの欠点を暴きだし、またあるときは部屋の不条理さを提示し、そしていつもそれに加えて再生者の腕の悪さを開陳するがごとく、いやはや何年闘った、まさにかわいさ余って憎さ100倍のディスクなのです。

そんなバルビのブラ4も、最近はようやくなんとか良い音で鳴ってくれてるような、いや、私に合わせて仕方なく鳴ってくれているような気がする今日このごろです。

ポイントを1つ2つ。
3KHz付近、5KHz以上、800Hz前後のコントロールが重要かと。まあ、どんなソースもそうかとは思いますが、この盤はことさらこのポイントをうまくコントロールしないと厳しいっす。

読んでくださっているかたで、私も泣かされた、脅された、騙された、殺されかけた、などという経験のある方、ぜひご意見、ご感想などおねがいしまーす(←最後だけなんか軽いノリだな)

調整、調整、また調整

2014-06-08 11:22:02 | オーディオ
来週、東方の3県人、いや3賢人が拙宅を訪問する予定ですが、対策のため、昨日の夜も今日の午前中もイコライジング調整。昨日の夜に問題点は大体クリアしたので、今日は仕上げ。午前中は家族全員出払っていたので、これ幸いと大音量で気兼ねなく確認作業&微調整。
800Hz付近の谷は深く、2KHz付近の峰を鋭くしてバランスが取れた。


いつものリファレンスソースに加えて使ったのは、タイミングよく注文が届いたこのディスク。

有名なディスクなようですが、私最近まで存じませんでした。
一応紹介です。
DG盤、ミケランジェリのPf、ジュリーニ指揮、VSOの「皇帝」です。(1曲しか入ってないのでものたりぬ)
実はこのディスク、3賢人の1人でアナログの達人の方のお宅で初めて聞きまして、、、
私と残2方でお邪魔したときに、マイクロの糸ドライブターンテーブル+FR64アーム+SPUの組み合わせでアナログ盤を聞かせていただいたのですが、あまりの音の静けさに3人とも口あんぐりの状態で、、
帰り道に誰とも無く「静かな音ってああいう音だ」との話になり、その流れで拙宅への訪問が決まってしまったのでした。
で、無謀にも私はそのすんごいアナログと勝負しようと入手したのでした。
肝心のディスクのことですが、演奏内容は組み合わせから言わずもがなの超名演です。でもオーディオ的な最大の聞き所は、1楽章と2楽章の曲間の演奏会場の聴衆ノイズかも。いい装置、バランスの取れた装置はここで広大な空間が出現します。でもさすがにこれを参考に調整するのは至難の業なので、Pfの質感やオケのバランスで調整です。
アナログ録音末期の大傑作だと思います!!

で、おまえのリファレンス版は何かですって?
そこらへんは、またぼちぼちリポートします(汗)

DG28

2014-06-07 12:43:33 | オーディオ
1週間ぶりの更新です。遅くてすいません。
さて、訂正がてらお詫びですが、前回の紹介記事で
SPが、カーマ社の「セラミック3.0」としていましたが、
正しくは「セラミック2.0」でした。
ユニット構成も値段も別物です(汗)



今回は、アキュフェーズの「DG28」についてです。
じつは、ここ1週間で長年の成果か、やっとバランスが取れるポイントが見えてきた
ところです。
現在のイコライジングはこんな感じです。



ブログタイトルのとおり、私のオーディオ部屋は「うなぎのねどこ」なのですが、
概要は、天井が最高点約5m、最低点約2m、間口約2.5m、奥行約7mと
一般的な居室と比較すると、かなりヘンテコな寸法です。
これは、当初使用していたSPが、マーチンローガン社の「CLSⅡZ」というコンデンサー
型のSPで、指向性がダイポールでSPの後ろに距離が必要だったためで、この寸法比で大丈夫と
思ったからなのですが、、、
ご存知の方は当然だと思われるでしょうが、実はかなり音がまとまり難い寸法比なのです(泣)
現在部屋の短辺にSPを設置して聞いていますが、ながーい部屋にも関わらず、リスニングポイント
はニアフィールドです(悲)。ただし、SPの後方は十分な空間が取れるのが幸いし、奥行き感だけは
よくでます。あと、後壁の影響がほとんどありません。
この手の部屋は、長辺にSPを設置すべしとのご意見もあるでしょうが、奥行き感が欲しいのと後壁の影響
を避けたいため、やっぱり短辺設置になってしまいます。


そうそう、DG28の話でしたね。忘れそうでした。
出て早々飛びついたのは、やはり処理がデジタル領域で完結するからです。
当時は職場であてがわれた寮で、この部屋がまた変な形でして、L字型の実効床面積12畳相当の部屋でした。
SPを設置した左手は疑似開放空間(寝るスペース)で、右側がコンクリートの壁。当然バランスが取れません。
加えて、SPがマーチンローガンで、聴感上の低音域が確保できず、DG28の登場は渡りに船だったのです。
DG28の使い方ですが、最初は謳い文句の自動補正しか使っていなかったのですが、これもご存知の方には当然、
自動補正だけでいい音が出る訳はないのです。でも、ちょっと聞きにくいか?と思いながらそのままでした。
その後、生活環境の変化(結婚)でアパートに転居し、そこで確保できたのが7畳相当の正方形に近い部屋です。
当時マーチンローガンのために、SP後方の空間確保に腐心していましたが、あるときふと思いついたのです。
「補正したイコライジングは実際の聴感上はどう聞こえるのか?」
そうです。DG28はマニュアル補正を選ぶと各周波数ごとに補正された音量で発音してくれるイイ奴なのです。
聞いて驚きましたね!! 以後、自動補正は参考値としてしか使用していません。
自分の耳にあわせて補正すると、今まで聞いたことのない良いバランスで音楽がなりました。
そして、ここからが、本当の意味での泥沼の始まりなのでした。

と、とりあえず今回はここまで。

話は代わって、来週、地獄耳の御一行が拙宅にきます。
調整がまとまったから良かったものの、果たしてどう反応されるやら。
戦々恐々です。