あまりにもよいお天気の日曜日。
先日、新聞で見かけたあの遺構を見学に行こうと思い立ち行ってきました。
旧東海大学阿蘇キャンパス内の震災遺構 。
震度7以上の地震を二回経験した熊本。
(今でも忘れられない経験です)
その経験を教訓とし、世界へ発信するため、点在する震災遺構等を巡り
学べる回廊形式のフィールドミュージアム
「熊本地震 記憶の廻廊」を整備していると聞いていました。
そして、8月1日からこちらが公開されているということを新聞で読み
夏の間に行こうと思っていました。
熊本市内から一時間ちょっとで着くこちらは、なにも知らなければ
非常に牧歌的で美しい場所です。
遠くからでも見える、タワーが特徴的なこの建物は山田守氏の建築。
(京都タワーを彷彿とさせます)
今回は地元の方に案内をお願いしました。
だから、ほぼ案内板は読んでいません。
(一通り案内していただいた後にもう一度読んだけど)
これが、「地表地震断層」 。
特殊な薬品で断層を固定しているそうですが
今見ても地震の力が伝わってきて、背中がぞわぞわします。
一号館の被災部分。
この曲線美の建築で、どうやって耐震強化を行うか検討していた時に
まさに、その時に熊本地震が起きたのです。
曲線を描いていない建物には耐震強化が図られており、
ほぼ被災していない様子も見ることができ、対策の大切さがわかります。
建物は三分割されており、見学のためにきちんと補強もなされています。
事務室の中を走る断層!
隆起した床・・・ああ、そうでした、市内の道路もそうなっていました。
獣や鳥が侵入しないようにしながらも、室内が見えるよう工夫されてます。
机やいすも、すべてその時のままに止まった室内。
時計は前震の時間を示していました。
地震のエネルギーはここにも。
なんという破壊力。
本当に優美な正面玄関。
さすが、山田守デザイン!
しかし、ここでは写していない地面に残る傷跡の生々しいこと。
傷跡といえば。
阿蘇大橋近くの大規模山腹崩壊。
うっすらと緑が生えているようです。
そう、あれからもう4年と4か月。
案内ボランティアの方の
”あの時の衝撃は、地震ではなく、自分の家の駐車場の車が爆発したか
と思ったくらい。ベッドの上で、トランポリンのように何回も跳ねた”
という証言、そして
”設備が整ったから復興ではない、私たちはもとの生活がしたい”
という生々しいことば。
ここに来ないとわからないことがたくさんあります。
もし、時間が許せば、そして移動ができるようになったら。
是非、一度こちらを訪れてみてほしい。
そう心から思いながら、旧東海大学阿蘇キャンパスを後にしたのでした。