来年の宙組演目が白洲次郎を主人公にした「黎明の風-侍ジェントルマン」に決まったようです。
(作・演出/石田昌也)
(専科/轟悠、宙組/大和悠河ほか)
白洲次郎が2年程前にブームになり、NHKの番組でも取り上げられました。わたしも青柳恵介著『風の男 白洲次郎』をその少し前に読みました。ブームに先駆けて、と言いたいところですが、要はまったく予備知識のない段階で読んだということです。(奥さま、白洲正子さんの方が有名ですよね)日本の近代史の勉強をしっかりしていないので、わからないことも多かったですが、学校の授業でこの人のことを教えてくれていたらもっと身が入ったのに、と思いました。
1902年(明治35年)生まれ。裕福な家庭に生まれ、あの時代にケンブリッジに留学し、高級車を乗り回していた。商社勤務でロンドン赴任中に吉田茂と仲良くなった。開戦前から日本の負け、やがて訪れる食糧不足を予見して田舎で(といっても町田市)カントリー・ジェントルマンの生活を送っていた。農業を営みながらも外務大臣に就任した吉田茂の懇請で、占領軍と日本政府の交渉窓口を務めた。また、その後の憲法改正にあたる。
抜群の英語力とイギリスで叩き込まれた完璧なマナー、押しの強さでマッカーサーに対しても堂々たる物言い。一度はどなりつけたこともある。GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた。徹底して原理原則にこだわる考え方、「洗練」と「野性」が同居する生き方から、数々の胸のすくエピソードを残している。
「葬式無用、戒名不要」は有名。日本人であることに誇りを覚えさせてくれる豪傑。
日本国憲法前文は、英語の勉強をする人が必ず通る道。直訳調の訳文も、彼の顔が目に浮かび、多少真剣にやりました、当時は。え~と、もう忘れましたけど。
「ベスト・ジーニスト」の殿堂があれば間違いなく彼でしょう。初めてジーンズをはいた日本人といわれています。白いTシャツとジーンズをはいた有名なポートレイトは、ジェームズ・ディーンが長生きして歳をとっていたらこんな感じ?
晩年で三宅一生のモデルが務まるってすごい。確かその雑誌広告を見ましたよ。ツイードのコートをマフラーや帽子やブーツで着崩して(確か)、仁王立ちで真正面を見据えた図体のでかい初老の紳士を見て何者?と思いました。多少記憶違いかもしれませんが、きっと彼でしょう。
彼を主人公にした作品……正子夫人とのラブラブエピソードもありますが、テーマは恋愛ではなく、男の生き方を描いた骨太のロマンになるでしょう。男のロマンを描くということでは、ある意味で宝塚らしいと言えるかも。土臭さを感じさせる男っぽい轟悠にぴったりです。
石田昌也は日本の近代史を題材にした作品が好きなようです。
土方歳三を主人公にした「誠の群像」はわたしも好きな作品。
麻路さき、稔幸、紫吹淳、絵麻緒ゆう、湖月わたる、彩輝直など、後々トップに名をつらねることになる豪華な役者陣。渋い、重厚感な芝居のできる役者が揃ってました。稔幸の山南敬助(榎本武揚と二役)、紫吹純の勝海舟はとてもよかった。
三菱財閥の創始者岩崎弥太郎を主人公にした猛き黄金の国は轟悠のド迫力にびびりました。
成瀬こうき、湖月わたる、絵麻緒ゆう、貴城けいなど、役者が揃ってました。(朝海ひかるは現代の青年役)月影瞳も含め、役者が「誠の群像」とだぶってますね。
「維新回天竜馬伝」重厚というより洒脱な演技が必要。女性が演じるのはなかなか難しかったかも。真矢みき、再演では貴城けいが演じ、2人ともよくやったと思います。貴城けいはこの役で大きく演技の幅を広げたし、包容力のある好青年でした。
しかし竜馬に見えたか?と問われれば厳しい。多少物足りなさが残りました。
轟悠の場合、物足りないということにはならないでしょう、きっと。髭のないレット・バトラーみたいなかんじでしょうか?
舞台の配役発表は先の話ですが、白洲正子は陽月華でしょうか? ハイカラな感じがあっていなくもない。大和悠河は 日本人離れした容貌をいかして、主人公と対立するGHQ側の人間でしょう。その他の役者も日本人側、GHQに分けるのでしょう、きっと。
調べたかぎりでは白洲次郎を主人公にした舞台、映画はない。ある映画が彼をモデルにしている、とあったが、主人公ではないし、どうも話の設定は全く異なる。宝塚ならずとも実写版で映画化、またはテレビドラマ化してほしいほどです。
まだまだ先の話ですが、要は、楽しみにしているということです!
(作・演出/石田昌也)
(専科/轟悠、宙組/大和悠河ほか)
白洲次郎が2年程前にブームになり、NHKの番組でも取り上げられました。わたしも青柳恵介著『風の男 白洲次郎』をその少し前に読みました。ブームに先駆けて、と言いたいところですが、要はまったく予備知識のない段階で読んだということです。(奥さま、白洲正子さんの方が有名ですよね)日本の近代史の勉強をしっかりしていないので、わからないことも多かったですが、学校の授業でこの人のことを教えてくれていたらもっと身が入ったのに、と思いました。
1902年(明治35年)生まれ。裕福な家庭に生まれ、あの時代にケンブリッジに留学し、高級車を乗り回していた。商社勤務でロンドン赴任中に吉田茂と仲良くなった。開戦前から日本の負け、やがて訪れる食糧不足を予見して田舎で(といっても町田市)カントリー・ジェントルマンの生活を送っていた。農業を営みながらも外務大臣に就任した吉田茂の懇請で、占領軍と日本政府の交渉窓口を務めた。また、その後の憲法改正にあたる。
抜群の英語力とイギリスで叩き込まれた完璧なマナー、押しの強さでマッカーサーに対しても堂々たる物言い。一度はどなりつけたこともある。GHQに「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた。徹底して原理原則にこだわる考え方、「洗練」と「野性」が同居する生き方から、数々の胸のすくエピソードを残している。
「葬式無用、戒名不要」は有名。日本人であることに誇りを覚えさせてくれる豪傑。
日本国憲法前文は、英語の勉強をする人が必ず通る道。直訳調の訳文も、彼の顔が目に浮かび、多少真剣にやりました、当時は。え~と、もう忘れましたけど。
「ベスト・ジーニスト」の殿堂があれば間違いなく彼でしょう。初めてジーンズをはいた日本人といわれています。白いTシャツとジーンズをはいた有名なポートレイトは、ジェームズ・ディーンが長生きして歳をとっていたらこんな感じ?
晩年で三宅一生のモデルが務まるってすごい。確かその雑誌広告を見ましたよ。ツイードのコートをマフラーや帽子やブーツで着崩して(確か)、仁王立ちで真正面を見据えた図体のでかい初老の紳士を見て何者?と思いました。多少記憶違いかもしれませんが、きっと彼でしょう。
彼を主人公にした作品……正子夫人とのラブラブエピソードもありますが、テーマは恋愛ではなく、男の生き方を描いた骨太のロマンになるでしょう。男のロマンを描くということでは、ある意味で宝塚らしいと言えるかも。土臭さを感じさせる男っぽい轟悠にぴったりです。
石田昌也は日本の近代史を題材にした作品が好きなようです。
土方歳三を主人公にした「誠の群像」はわたしも好きな作品。
麻路さき、稔幸、紫吹淳、絵麻緒ゆう、湖月わたる、彩輝直など、後々トップに名をつらねることになる豪華な役者陣。渋い、重厚感な芝居のできる役者が揃ってました。稔幸の山南敬助(榎本武揚と二役)、紫吹純の勝海舟はとてもよかった。
三菱財閥の創始者岩崎弥太郎を主人公にした猛き黄金の国は轟悠のド迫力にびびりました。
成瀬こうき、湖月わたる、絵麻緒ゆう、貴城けいなど、役者が揃ってました。(朝海ひかるは現代の青年役)月影瞳も含め、役者が「誠の群像」とだぶってますね。
「維新回天竜馬伝」重厚というより洒脱な演技が必要。女性が演じるのはなかなか難しかったかも。真矢みき、再演では貴城けいが演じ、2人ともよくやったと思います。貴城けいはこの役で大きく演技の幅を広げたし、包容力のある好青年でした。
しかし竜馬に見えたか?と問われれば厳しい。多少物足りなさが残りました。
轟悠の場合、物足りないということにはならないでしょう、きっと。髭のないレット・バトラーみたいなかんじでしょうか?
舞台の配役発表は先の話ですが、白洲正子は陽月華でしょうか? ハイカラな感じがあっていなくもない。大和悠河は 日本人離れした容貌をいかして、主人公と対立するGHQ側の人間でしょう。その他の役者も日本人側、GHQに分けるのでしょう、きっと。
調べたかぎりでは白洲次郎を主人公にした舞台、映画はない。ある映画が彼をモデルにしている、とあったが、主人公ではないし、どうも話の設定は全く異なる。宝塚ならずとも実写版で映画化、またはテレビドラマ化してほしいほどです。
まだまだ先の話ですが、要は、楽しみにしているということです!