未来組

宝塚の舞台、DVD、SKYSTAGEを観た感想と、最近はカメラに凝ってます。

よくある質問

2008年02月27日 | あれこれ
先日、宝塚初体験の子と雪組公演を観に行きました。知的好奇心旺盛な子で、観劇後は質問攻め。何を聞いても珍しくてしかたないらしい。観たことが無いという人から、割と同じような質問を受けるので、ありがちな質問を少しまとめてみました。知っている人には当たり前のことばかりだし、わたしが言わなくてもちょっと調べればわかることばかりです。それと、あくまでもファン歴3年のわたしがこれまでに得た知識と個人的見解ですのでご了承ください。
名前はどうやって決めるのか?
基本的に自分で考える。お世話になった方につけていただくことや、名前の一部をいただくこともあるそう。ファン時代に好きだったスターの字や音を拝借しつつ自分で完成させたり、命名辞典を参考にしたり、割と多いのが「家族で考えた」という回答。ただし、重複があると劇団から認められない。歌舞伎のように襲名したり、力士の四股名のように部屋から与えられたりするものとは違う。(SMAP×SMAPでも出ましたが、この質問は多い。そして歌舞伎や相撲とは違うという話も、聞いた人は一様に驚く)
男役、娘役は誰が決めるのか? 途中で転向する例もあるのか?
入学の時点で憧れ、希望はあると思う。身長は変えられないので制約はあるし、指導もあるだろうけれど、最終的には自分の決断。娘役から男役に変更したという話はあまり聞かないけれど、男役から娘役への変更はときどきある。
組ごとのカラー(特色)はあるのか?
トップのキャラクターで組のカラーも変わってくる。多くの場合、トップとは違うキャラクターのナンバー2を置くので、そのナンバー2がトップになった場合、組のカラーも少し変わってくる。雪組の場合は「美形のプリンス系/フェアリー系」「ワイルド系」を繰り返している気がする。
しかしやはり”傾向””イメージ”はある気がする。独断で各組の特徴を少し。歴史のある組から順番に。
●花組 
芸達者な役者が多く、ダンスの花組みと言われ、とくにショーは見ごたえがある。黒燕尾で踊らせたら一番ビシッと決まって格好いい。男役の色気と格好よさが売りで、ホストっぽいのがごろごろいて、むせかえりそう。退団後に芸能界(や政界!)で活躍しているのは安奈淳、松あきら、真矢みき、愛華みれ等。ところで、花組でかかる作品は、宝塚のイメージを重視しているというか、大作、文芸作、歴史上の人物を題材にしたような、よく言えばスケール感のある、ちょっと退屈な作品が多い気がする。
●月組
大地真央、涼風真世、天海祐希、真琴つばさ、紫吹淳など、卒業後、芸能界で活躍しているスターが多い。「ME ANE MY GIRL」「ウエストサイド・ストーリー」など海外ミュージカルが多い。ラブコメディをやらせたら一番(コメディって難しいんですよね)。トップ(真琴つばさ、紫吹純)が豹柄のジャケットやレザーパンツをはくのはいかにも月組らしい。
●雪組
「美形のプリンス系/フェアリー系(一路真輝/朝海ひかる)」「ワイルド系(麻実れい・・の方が一路真輝より先だけど/轟悠)」を繰り返している。他の組ではあまり日本物はかからないし、着物を着ていても日本舞踊ではなくダンスだけれど、雪組は本格的な日本物が多いし得意。「芝居の雪組」とも言われていて、芝居で個性を発揮できる人が多い。芝居は結構濃い目。歌える人も多い。(本当に単なるひいき目ですが、ルックスのいい子が多い)
●星組
大柄でスポーティで男らしいトップと、それほど身長はないけど何でもこなす器用なトップを繰り返しているような気がする。外せないのは昔からトークが芸人みたいに“面白い”ってことでしょうか。鳳蘭、麻路さき、湖月わたる。大柄なトップだと見栄えがするからか、コスチュームものが多い。群舞の見事さは有名で、これはよくよく練習して振りを合わせているからだと思う。アドリブも達者で、今一つ荒い脚本でも生徒の持ち味という力技でねじ伏せる。
●宙組
10年前に誕生した一番新しい宙組は、新しい客層を開拓しようという劇団の意図が見てとれる。主役は基本的にビジュアル重視。作品は、伝統ある宝塚では難しいであろう実験的な作品が多いと思う。3股かけるジプシーのカルメンがホセに撃たれる「激情」や、求婚者が3つの謎を解けなかった時は平気で首をはねる姫君が主人公の「鳳凰伝」など。花總まりという娘役がいたから可能だったと言える。また「ファントム」も宙組で初演だったが、和央ようかは“怪人”として顔の右半分を火傷のように醜く作っていた(花組では顔の傷はビジュアル系ロックバンドのメイクのように、象徴的な表現にとどまっていた)。そして案外無視できないのは、平均身長が一番高いこと。トップは身長がないときつい。
※因みに、以前質問されたことがあるのですが、成績によって組が分かれているわけではありません。
組の移動はあるのか?
入団から退団まで一つの組という人もいるけれど、企業の人事異動と同じで、組替えはときどきある。生徒のさらなる活躍を期待しての場合が多いと思う。
宝塚の作品は座付きの脚本家が生徒を知った上での “宛て書き”が多いけれど、「エリザベート」「ファントム」など海外ミュージカルの場合はそうはいかない。主要な役にキャラクターがあっている生徒がたまたまいない場合には、あっている生徒を組替えであらかじめ移動させておく場合があると思う(単なる憶測ですが)。
トップは何年くらいつとめるのか? トップはみんな退団するのか?
トップは平均2~3年だと思う。最近で一番長い例で和央ようか6年。春野寿美礼も足かけ6年。普通はトップになったら退団だけれど轟悠は雪組トップの後に専科に移動して、今でも現役で舞台に立ち、理事も兼任している。選手兼監督、加えて経営陣といったところか。轟悠がいろいろな組の作品に出る時はその組のトップより上の扱い。
専科は「大学」に対する「大学院」といったところか。専科生は「踊り」「歌」「芝居」など専門分野での技術を生かして各組の作品に出演する。宝塚の定年は60歳らしいが、春日野八千代と轟悠は別格で、生涯現役で、定年はないと聞いている。春日野八千代は90歳を超えている。年に一度の舞踊会に参加して(出なかった年もある)短いけれど達者な踊りを披露している。
2番手がそのままトップになるのか?
昔はそうで、トップ退団と時期トップ内定の発表が同時だったけれど、最近は必ずしもそうではない。トップ育成を想定して違う組から早めに移動させる場合もある。舞台は全員でつくるものだから、落下傘トップはやはり呼吸を合わせるのが難しい。下級生の頃組替えを経験していると、活躍の場が広がると思う。

Q&Aはまだ続いたのであった……。次回。
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星組新人公演「ベルサイユのばら」

2008年02月25日 | DVD、スカイ・ステージ(星組)
06年星組新人公演「ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編」
   脚本・演出:植田紳爾、演出:谷正純、新人公演担当:鈴木圭
   フェルゼン:柚希礼音
   マリー・アントワネット:陽月華
   オスカル:麻尋しゅん
   アンドレ:夢乃聖夏
   ブイエ将軍:彩海早矢
   ルイ16世:天霧真世
 これまで新人公演を観に行ったことがなく(1回公演では席が取れないし!)、録画番組が放送されていても、あまり注意を払ったことはありませんでした。技術的に未熟な演技をみて感動できるか疑問だったし、それほど積極的に青田刈りをするつもりもなかったからです。
 「ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編」の放送を観たのは、主演が柚希礼音だったから。
 オープニングで池田理代子による劇画のスクリーンが開いて、マリー・アントワネット、フェルゼン、そしてオスカルが登場します。若い子が演じているだけに初々しく、劇画の世界から抜け出してきたようです。「ベルばら」のセットは独特で、王宮、庭園やお屋敷のセットはピンクだったり、赤やブルー、パープルなどに統一されていたりして、ドールハウスのよう。若い子が演じた方が漫画に近くていいかもしれない、このおもちゃみたいな舞台には若い子の方があっているよな~と思いながら見始めたのですが、それが、一幕の後半でウルっときて、二幕の間中ぼろぼろ泣くことになろうとは……。
 柚希礼音が演じるフェルゼンは包容力の必要な役。新人公演としては文句のつけようがない出来だと思います。一幕最後、スウェーデンへの帰国を告げに宮廷に赴くところ、生涯をかけて愛する人の名は、心臓を切り開かれない限り誰にも告げないと言い、胸に秘めた情熱を歌いながら銀橋をわたるところは、力強く、説得力があります。
 マリー・アントワネット陽月華。(本役の白羽ゆりは丸顔でかわいらしいので、その持ち前のかわいらしさが邪魔をして、民衆に裁かれ、ギロチンにかけられる運命の王妃が、最後の日々を独房で送っているように見えませんでした)陽月華の場合はなぜかリアリティを感じてしまいました。力なくスープを一口すすり、ロザリーに礼を言い、自分はずっと幸せだったというところ、王妃を逃がそうと忍び込んできたフェルゼンに向かって、最後の力を振り絞って、フランスの王妃として死なせてくれと頼むところ……わたしは大泣きしてしまいました。
 オスカル役は人気の高い主演男役が演じると決まっています。経験を積んで型がしっかりできている男役が演じると、失礼ながら女性に見えない。アンドレとの“今宵一夜”のシーンだけ、突然過剰に女性らしくなり、そのギャップに居心地の悪さを感じてしまいます。かと言って、お人形さんみたいに可愛らしければいいというものではなく、朝海ひかるの演じたオスカルが、外見の女らしさと内面の凛々しさと甘さを備えていて、一番違和感がないかなと思っています。(もちろん、実際にこんな女傑がいたとしたら、かなりごつかっただろうとは思いますが)
 フェルゼンとマリー・アントワネット編に登場するオスカルは、まだ近衛兵隊長だった若い頃が中心で、アランを剣で負かし、荒くれた衛兵隊隊員たちを心酔させていく過程は登場しないので、多少甘くて子供っぽくてもOKです。
 麻尋しゅんの演じたオスカルは、お顔がかわいいこともありますが、わかりやすく言えば少し前のトレンディドラマに出てきたOL風? 男社会で「女はひっこめ」「女はこれだから困る」と馬鹿にされても自分の企画を通そうと食い下がるヒロインのようです。憎たらしいブイエ将軍に馬鹿にされて、本当にカチンときていそうな感じ。フェルゼンのことやアンドレのことになると、本当に泣きそうな顔をしています。
 女の子オスカル。正統派オスカル像から見たら物足りない、完成度が低いのでしょうが、心の動きが手に取るようにわかり、なぜか感情移入してしまいました。
 1回公演だということもあり、バスティーユのシーンは全力投球。「シトワイアン、行こう~~~!!」――これほどの絶叫は聞いたことがありませんでした。
 そして脇役ではありますが、最初にホロっと来たのは天霧真世が演じるルイ16世。フェルゼンがスウェーデンに帰国することを宮廷に告げに行ったときに「それは困る……王妃が悲しむ」「王妃の力になってやってくれ」と。華やかなマリーの顔を直視できないほど引っ込み思案で朴訥で、錠前いじりしか趣味のない国王。スキャンダルだろうと王妃の喜ぶことならなんでも叶えてあげたい、自分ができることはせめてそれくらいだという考えがいとおしい。(このバージョンでは描かれていませんでしたが、むしろ幽閉されてからの方が家族水入らずの日々を過ごすことができたというのが皮肉です)
 新人公演とは言っても、長の期の生徒であれば十分実力を備えているし、違うキャスティングによって思いがけない魅力が生まれるということですね。上級生になって個性が確立されてくると、どの役を演じてもその人そのものに見えてしまうのですが、まだ下級生だからこそ、役者のキャラより役が前面に出るのかもしれません。
 星組は昔からコスチュームプレイが得意と言われていますし、マリア・テレジアのような位の高い役も、男女問わず老け役も堂々と演じていたのは、星組ならではだったのかもしれません。
 今年はご存じのとおり3組がそれぞれ異なるバージョンの「ベルサイユのばら」で全国ツアーに出ます。雪組は「ジョローデル編」、星組は「ベルナール編」、花組は「アラン編」で、いずれも新しい作品。水夏希の演じる、身分の高いクールな貴公子が個人的には一番楽しみ。それぞれがクロスした関連作だと思うので、これまでになかった味な企画だと思います。まだ先の話ですが、大劇場公演で今度オスカルを演じるのは誰なのかも気になるところです。
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雪組「君を愛してる-Jet'aime」「ミロワール」

2008年02月24日 | 舞台感想(2007~2009年)
 東京公演初日(2月16日)の翌日タクシーに乗ったら、文字で流れるニュース速報で「宝塚雪組東京公演始まる。ゴスペラーズ安岡、北山が提供した楽曲を披露」と流れました。芸能ニュースか?! 嬉しいような、ちょっと複雑。
 さて、2月19日、18:30の後援を観てきました。1階には雛人形。2階にはヴィーナスフォートに展示されていたAQUQ5のパネルがここでも展示されていました。

「君を愛してる-Jet'aime」作・演出:木村信司)
 お話はかわいらしいラブ・ロマンス。舞台はパリ。伯爵家ドシャレット家の当主が逝去。長男ジョルジュ(水夏希)の遺産相続には一つの条件が付けられていました。それは「半年以内に貴族または上流階級の女性と結婚すること。その女性が結婚相手にふさわしいかどうかの判断は家業の重役ドビルパン氏が行う」というもの。また、「困った時は教会に行け」という謎の言葉も。
 政略結婚なんていやだとやけ酒を飲んで酔いつぶれ、凍死寸前だったジョルジュを助けてくれたのはマルキーズ(白羽ゆり)。サーカスの花形スターで空中ブランコの名人。財政難と地主からの立ち退き命令に悩むサーカス団で働くマルキーズとジョルジュでは身分も育った環境も違いすぎるのに、二人は次第に惹かれあっていきます。しかしサーカス団の将来の問題は待ったなし。そこへ元プロデュサーでマルキーズの元カレ、アルガン(彩吹真央)が現れ、マルキーズが自分との結婚を承諾したら団員全員を自分のサーカス団で引き取ってもいいと言い出して……。
 雪組には久々のラブコメディ。水夏希はとにかくかわいい。鼻にかかって甘えたような話し方になるところ、酔っぱらうところ、銀橋でギャルソン姿で腰を振って踊るところなど。間、台詞の抑揚やジェスチャーなど、コメディ慣れしています。そしてマルキーズの窮状を救おうと、ある決意をするところはジンときます。
 白羽ゆりのマルキーズは、あのプリテイなピエロの衣装で勝負があったと言えるのではないでしょうか。かわいいし、華がある。洗面器でジョルジュをぶつところ、マルキーズが近付くとぶたれるのかとジョルジュが身構えるところは笑いが起きていました。マルキーズも周囲の人のことばかり考えて、自分を犠牲にしてでも団員を救おうとするんですよね。
 彩吹真央のアルガンは2番手としておいしい役。冷徹なビジネスマンで、自信過剰でクールでニヒルでキザ。最後にショックを受け、ガクッと肩を落とす後姿がかわいい。個人秘書レイチェル(美穂圭子)とのやりとりも笑えます。
 フィラントを演じる音月桂の歌唱力の確かさはさすがです。設定はジョルジュの親友で、お金持ちの御曹司でお気楽そのもの。明るくて華やかで、周囲をハッピーな気分にする屈託のない笑顔を振りまく人気者。ストーリーに絡んでいるような、いないような、“地”でやれと言われても難しい役作りと思いますが、あの“ルキーニ”の後に、“音月桂”を演じることを任ぜられたといったら言い過ぎでしょうか。
(一緒に行った、宝塚4回目、雪組2回目の子は、お気楽な友達を演じていた子が「歌が上手で、すごく目立ってた」と言います。「ベルサイユのばら」で衛兵隊を演じている彼女を見た時もそう言っていたと言ったら、「あ、同じ子なんだ?!」と驚いていました。先入観なしに観て、目を引くスター性がある証拠ですね。住友VISAのイメージキャラクターになったのも当然ですね)
 アルセスト(凰稀かなめ)もジョルジュの親友。ジョルジュの花嫁候補№1になってしまったセリメーヌを、実は密かに思っているなんてますます言い出せなくなってしまったという、高校生みたいな悩みを抱えています。いくつになっても(いい意味で)あどけない雰囲気の残る凰稀かなめにあっている役です。
 セリメーヌ(大月さゆ)はドビルパン家の一人娘。アルセストの煮え切らない態度に苛立ち、当てつけにジョルジュと結婚すると言い出すお嬢様。全体的に女性の方が強いです。
 ジョルジュの弟で芸術家のクレアント(緒月遠麻)は、周囲がカラフルなのに地味なダークスーツと黒のタートルネック。(衣装を見たときに地味なので、財産を乗っ取ろうとする役どころなのかと思ったという話が笑えます。もっと言えば、ドシャレットという名字を見た時は、水夏希の父親役かと思ったとか。老け役が続きましたからね)身重の妻アンジェリック(晴華みどり)をいたわる姿が自然。芸術家たちが、人を愛することの素晴らしさを、難しく考えずに素直に歌いあげるシーンは、心が温かくなり、アルファー波が出ました。個人的に一番好きなシーンです。そして彼のアトリエに飾られた前衛的芸術作品は、いいですね。まさにアートです。
 マルキーズに憧れ、親衛隊長みたいなリュシール(山科愛)は元気で出しゃばりで、出番も多くて得な役。「タランテラ」の時もそうでしたが、小柄なことで逆に不思議な存在感が生まれています。
 ドビルパン夫妻(一樹千尋、天勢いづる)の大人なラブラブぶりがほほ笑ましい。セリメーヌも加えた一家は、本当にこんなお金持ち一家がいそうな気がします。
 話のキーマンでもあるレオン神父(未来優希)の迫力ある歌声が響きわたっていました。神父様ですから、歌詞の内容が若干説教臭いのは仕方ない。(木村信二の脚本家としての長年のテーマをストレートに表現した歌詞のような気がします)しかし「皇太后ゾフィー」の高音部から、内臓に響きそうな低音まで、聴かせます。(宝塚初観劇の子の第一声は「すごく歌の上手い人がいるね。あの神父さん!」でしたよ)
 ジョルジュとアルガンが会話をするシーンがなく(もともと会話の妙で笑わせる筋書でもないのですが)、トップと2番手が個性を競い、火花を散らす見せ場がないのは残念。
 「サーカス魂」は組にも通じるところがあり、水夏希がトップになって雪組全体が随分スポーティになったという印象があります。下級生の登場シーンも多く、“上流階級”“芸術家”“サーカス団”“レビュー小屋の踊り子たち”などグループ分けしてあるので捉えやすく、舞台上で楽しそうに演じていました。
 上流階級の女性たちは実は男役が演じていたりして、あれは演じていて楽しいでしょう。それに反比例して、中堅の娘役たちの見せ場が減っていたのは残念。
 群衆芝居って実は難しい。やり過ぎるくらいで丁度いいのですが、木村信司は群衆芝居の演出が今一つなので、もう一工夫、生徒ももう一踏ん張りして個性を出して欲しいと思いました。

「ミロワール-鏡のエンドレス・ドリーム」(作・演出:中村暁)
 新春らしく、豪華で明るく楽しく、また中村暁らしいオーソドックスな宝塚レビュー。水夏希は堂々としたトップですよね。体の内から無限の可能性があふれ出てきます。シーンごとに髪形を変える凝り方も楽しい。
 色調からして金、赤、ピンク(かわいい)、水色などクリアで若々しいイメージのショーの中、ANJU振り付けの「メデューサ」の場面はミステリアスで大人っぽく、とても印象に残ります。メデューサの目を見てしまったがために石になってしまう追手たち。その凍りつきっぷりが見事でした。
 AQUAの場面は湖に波紋が広がるようで、照明もミルキーな水色で、とてもきれいでした。
 黒燕尾の踊りがあり、しかも(AQUA5の)5人が銀橋まで来るので、これはお得です。
 初観劇の子も、「ショー」といってもおまけみたいなものだろうと思っていたのに、一つの作品としてこれだけ充実していようとは夢にも思わなかった、豪華で、歌も踊りもみんな上手で驚いたと大満足の様子でした。

 美穂圭子が専科に移動するのは淋しいです。これまでも彼女の歌が加わるとその場面に重厚さ、崇高さが加わって、なんだかいいものを観てるな~という満足感を覚えたものでした。「エリザベート」の初代マダム・ヴォルフですからね~。芝居では、お母さん(「ノンノン・シュガー」)やバールのママ(「霧のミラノ」)のような優しい役も良かったし、今回のレイチェルや「シルバー・ローズ・クロニクル」の科学者のように、きつくて、必死すぎて笑える役でもいい味を出していました。今後もずっと雪組の公演に出てほしいのにとも思う反面、違う組の作品に出たらどんな感じかな~?と想像するのも楽しいです。
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札幌雪まつり 雪像、氷像

2008年02月23日 | 旅行・絵日記
少し時間が経ってしまいましたが、かわいらしい雪像、氷像を。「雪像」と言うと格好いいけれど、基本は「雪だるま」。丸い形の雪像に癒されます。







昼間はスケルトンな氷像ですが、夜になってライトが当たると幻想的。


豹はよくできていて、表面が豹柄です。




イルミネーションは人工的なものなのに、不思議と心が温まり、浮き立ちます。雪像のとろ~りとした質感がソフトクリームのようでおいしそうでした。


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うたかたの恋

2008年02月18日 | DVD、スカイ・ステージ(花組他)
原作/クロード・アネ
脚本・演出/柴田侑宏

19世紀末オーストラリア、実際に起こったハプスブルク家の皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッツェラの心中事件を描いた作品。

オープニング、ドイツ大使館での華やかな舞踏会で踊るルドルフとマリー。
 「マリー、来週の火曜、旅に出よう」
 「はい、あなたとご一緒なら、どこへでも」
……若い恋人達はこんな何気ない会話を交わしながら、死の決意を弾むような気持ちで確認しあっていたのでした、というストーリーテラーによるナレーションがあり、二人が出会った6カ月前に時計の針を戻して物語が始まります。

宝塚の名作。禁断の恋と宿命的な悲劇、華やかさの裏に権謀術数渦巻く宮廷、軍服のオンパレード、メリハリの利いた登場人物等、宝塚ファンにはこたえられません。男役の格好良さ、娘役の可憐さが満載。悲劇的結末だというのがまた日本人好み。衣裳は豪華ですが舞台はシンプルなので全国ツアーにはうってつけ。初めて観る方も、こんな華やかな夢のような世界があったのかと満足なさるのではないでしょうか。

1993年の雪組大劇場版(麻実れいと遥くらら)、同年の星組大劇場版(麻路さきと白城あやか〈大劇場〉)はまだ観ていないのですが、全国ツアーの99年月組(真琴つばさと壇れい)、00年宙組(和央ようかと花總まり)、06年花組(春野寿美礼と桜乃彩音)を観ました。それぞれの良さがありますが、わたしの独断によるお気に入りを書きました。

●ルドルフ
真琴つばさ(月組)は個性的な役作りをするタイプですが、正統派の役ももちろんこなします。マイヤーリンクでマリーと鬼ごっこの後の遊びは「狼男ごっこ」。真琴つばさ主演の「ローンウルフ」を受けた遊びで、ここはアドリブが入って面白い個所。
和央ようか(宙組)の軍服姿の凛々しさ、清々しさはさすがです。鬼ごっこの後は「ジギルとハイドごっこ」でした。原作はこれなのでしょうか?
春野寿美礼(花組)は、あまり冒険のできない古典の中でも、春野寿美礼ならではの味を出していました。歌がうまいということがどれだけ説得力があるか、改めて実感。また、きりっとした軍服姿と、少年のような、今にも泣き出しそうな笑顔のミスマッチが、ルドルフの孤独を浮き彫りにしていました。マリーとは最初から最後までラブラブであてられっぱなしです。
マイヤーリンクでマリーと鬼ごっこで遊ぶシーン。
 「もういいかい?」
 「まだでございますわ」
月・宙公演では普通の台詞でしたが、花組では、日本人なら誰でも知っているも~、い~いか~い?ま~だ~だよ~の節をつけて歌うアイデアがかわいい。もちろん、マリーは男言葉は使えませんから「ま~だ…でございますよ!」「も~う…よろしゅうございますよ!」と字余りになるところがまたかわいい。
鬼ごっこの後は「ファントムごっこ」。また唐突な遊びですが、大劇場公演の後ですからね。逃げ惑うクリスティーヌ、あ、いや、マリーを「懐かしいな~」と言って追いかける春野寿美礼は楽しそう。
そして最後の心中シーン。うら若きマリーの命を奪うことに罪悪感を覚えて躊躇しつつもピストルの引き金を引く場面。そんなとき人間はどんな行動をとるのか? 決められた秒数の中で決められた以上のものを表現しようとする春野寿美礼のルドルフが私は大好きです。

●マリー・ヴェッツェラ
「なんという青春の輝き・・・」
密会先であるルドルフの私室で鉢合わせしたエリザベート皇后が、ひざまずくマリーにかける言葉。この言葉にどれだけリアリティを持たせられるかが勝敗の分かれ目。
壇れい(月組)は間違いなく可憐であどけない。
花總まり(宙組)は、若い時からエリザベートやカルメン、遡ればメルトゥイユ公爵夫人(仮面のロマネスク)といった強い女性をこそリアリティを持って演じられるタイプ。しかしドレスの裾を持ってパタパタと走り、若々しく、初々しく見せていました。
桜乃彩音(花組)の若さと純朴な雰囲気は作りこまなくてもマリーに合っていました。声が若くてかわいらしいのが強みです。

ルドルフのいとこで自由主義者、平民の娘と結婚するジャン・サルヴァドル大公彩吹真央(花組)は語り部としてはさすがに上手いけれど、わたしは湖月わたる(宙組)の男らしさが好きです。恋をしているというルドルフの告白を聞いて大声で笑う時の豪快さ。わけても舞踏会でマリーを侮辱するために近づこうとするステファニー王女を、ワルツに見せかけて行く手を遮り、腕を引っ張って自由を奪う力強さ。彩吹真央だと、腕をとられたステファニーは作法として醜態はさらせないからマリーに近づけないように見えますが、湖月わたるに引っ張られたら、物理的に無理でしょう。

ヨーゼフ皇帝は立ともみ(月)、大嶺麻友(宙)、夏美よう(花)。立ともみはルドルフへの愛情深い父親、夏美ようは厳格な皇帝という感じでした。

エリザベートは夏河ゆら(月)、陵あきの(宙)、梨花ますみ(花)。原作がどうかはわかりませんが、通説とは逆の解釈で母性的なエリザベートを演出するところが柴田侑宏らしい。実際のエリザベートは、娘の結婚式のときに娘よりも美しかったといいますから、若狭と美貌の点では陵あきのが好きです。

政略結婚でベルギーからやってきたステファニーを西條三恵(月)、彩苑ゆき(宙)、舞城のどか(花)。実際、気の強い女性だったらしい。ルドルフをどれほど愛していたかはわかりませんが、単にわがままというのではなく、本当はルドルフに愛されたいという女心がよく出ている西條三恵のステファニーが印象に残りました。

マリーの乳母ジェシカは3作品とも鈴鹿照。いつもかわいらしいおばあちゃんです。

ルドルフの執事ロシェックと使い走りブラッドフィッシュ少年を光樹すばると大和悠河(月)、未沙のえると朝比奈慶(宙)、悠真倫と華形ひかる(花)。ロシェックはよたよたのお爺さん。秘密の抜け道を使ってマリーをルドルフの私室へ案内するのに階段を下りて客席を通るのですが、ラリッシュ夫人の突っ込んだ質問をかわすためにどんなアドリブで客をいじるか、はたまたご当地ネタを盛り込むか、センスの見せ所です。
ブラッドフィッシュは「がってんだい!」「へい、お待ち!」ときっぷのいいところをみせるし、男女の機微に通じた、ませた少年。二人の絡みは劇中で笑えるところ。ロシェックは甲乙つけがたく、ブラッドフィッシュは大和悠河が好きです。

そほのかにも、副官としてルドルフにつき従うモーリス、サルヴァドル大公の妻ミリーはいい人、皇位継承者フェルディナンド大公は気の弱い感じ。歌姫マリンカや、マリーを手引きするラリッシュ夫人は大人部門担当。フリードリヒ公爵、ツェヴェッカ伯爵夫人他、わかりやすい悪人が登場します。

気が付いたらきれいに5組1周しました。全国ツアーに順番は関係ないのかもしれませんが、雪組に戻ってくるのでしょうか? それとも次期トップ用にとっておくのかしら?
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札幌雪まつり 大雪像

2008年02月14日 | 旅行・絵日記
札幌雪まつり最終日の様子です。最高気温1.8度で「過ごしやすい」と言われました。えぇ~?! 
すすきの、さとらんどを含めた会場には大小300の雪像が展示されています。年々スケールアップし、今年は216万人の人出を記録したそうです。

テレビ塔から見下ろした大通公園会場。


観光名所の一つ、札幌時計台。楚々とした佇まいですが、国の重要文化財です。


大通西4丁目会場/よみうり広場 「守りたい地球、子供たちの未来」


大通西7丁目会場/HBCエジプト広場 「エジプトの遺跡」
一般参加のクイズ大会をやっていました。この時のクイズは「北海道洞爺湖サミットの大テーマは”環境”である。○か、×か?!」でした。全員「○」のプラカードを揚げています。さて、正解は?! ……「○」でした。洞爺湖サミットについては浸透しているようです。


大通西8丁目会場/雪のHTB広場 「国宝 犬山城」


同会場/市民の広場 スノーボードジャンプ台でパフォーマンスが繰り広げられていました。飛んでるのがわかりますか?


大通西10丁目会場/STV広場 「あっマンモスだ!~チビナックスの北極探検隊」
一番のお気に入り~。立体的で、マンモスのお顔がかわいいし、何といっても熊がいます。他の大雪像は自衛隊が作っていますが、これは「大雪像制作ボランティア」の作。やるな~!




大通西4丁目会場/よみうり広場 「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
夜になるとライトアップされ、寒さに比例して美しさも増します。


大通西2丁目会場/道新氷の広場 「環境-自然との共生・知床の森と仲間たち」
氷像がライトアップと音楽で幻想的に演出されます。




街路樹もおしゃれをしています。

小さな雪像や氷像は次回。
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ニセコ昆布温泉 鯉川温泉旅館

2008年02月13日 | 旅行・絵日記
足をのばしてニセコアンヌプリスキー場の近くの「ペンション・アマンダン」に一泊。フランス料理が自慢のペンションです。


吹き抜けのリビングでは暖炉が大活躍。


テラスからの眺め。白樺林に囲まれているのがわかります。


近くの昆布温泉郷の鯉川温泉旅館に立ち寄ってきました。このあたりには新しい旅館、ホテル、温泉施設がいくつもありますが、鯉川温泉は開場明治32年。最も古い温泉旅館です。深い雪の中にひっそりとたたずむ老舗旅館。豊かな原生林に囲まれた広い敷地には滝や渓流が流れ、池には鯉が泳ぎ、春には桜並木が見事だそうです。


旅館の建物は改装され、清潔で、廊下は小学校の校舎のようです。




風呂場には歴史を感じます。写真は女性浴場です、と言っても湯気で曇ってまったく見えませんね。敷地内で湧出する源泉を使用し、内湯は全く加水していないそうです。本当にいいお湯で、心身がゆるゆるとほぐれていくのを感じます。因みに男性浴場は昭和初期の湯殿そのままで、パンフを見るとタイル貼りのレトロな雰囲気がたまりません。


露天の「滝見の湯」が最高!! 分厚い雪の層を溶かして、なだらかに滝が流れています。


湯量は豊富。飲むと昆布茶のような味がします。それが「昆布温泉」の名前の由来でしょうか?


露天に屋根はありません。雪や雨の日用に出口に編み笠が用意してありました。


男湯側から見た滝。緑色のお湯が波打っています。
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北海道 支笏湖 氷濤まつり

2008年02月12日 | 旅行・絵日記
札幌雪祭りを見に北海道に行ってきました。まず、支笏湖(しこつこ)の「氷濤まつり」会場に寄りました。
支笏湖は透明度トップクラス、水質日本一の最も冷たい不凍湖。湖に隣接した会場に11月から土台を作り、一カ月間、湖の水をポンプで汲み上げ、散水して氷を厚くしていき、オブジェや建物を作るそうです。氷のブロックを積み上げるのではないんですね。(今年は暖冬で思うように凍らず、関係者は苦労したそうですよ)


氷のトンネルをくぐって会場へ。


巨大な氷壁の高さは3階建てのビルくらいあります。




松の枝を組んで凍らせた回廊。幻想的な氷の世界は、昔読んだSF小説のよう。


氷河のような壁が、陽の光を浴びて空のように青く輝く。この透明な美しさが「支笏湖ブルー」と呼ばれるゆえん。(散水の際、水をろ過して不純物を除いているそうです)


陽のあたる箇所は少し氷が融けて、空の色が透けて見えます。


重ねれば重ねるほど青味を増す氷壁。自然条件と、人間の努力と工夫のハーモニーです。


氷のビルの屋上からみた会場。夜はライトアップしているのでまた違った楽しみがあるそうです。


ビルの内壁。階段はすべるので登るのも降りるのも大変~。


対岸から見た支笏湖。夕陽が山頂の雪をほんのりピンク色に染めていました。


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大空祐飛

2008年02月03日 | ジェンヌ・ファイル
スタイルがよく、着こなしが上手で見栄えがします。(肩幅があって肩パットがいらないところが男役としては自慢らしい)三白眼で逆さまつ毛気味なところは好き好きかもしれません。
タカラジェンヌを描写するのにネガティブなワードは使わないようにしているのですが、大空祐飛の場合、それが彼女のユニークさを否定するものではないと思うので、あえて言いますが、歌もダンスも目立って上手いわけではありません。何をやっても達者な瀬奈じゅんや霧矢大夢と一緒だと、どうしても物足りないし、アピールが足りない気がします。とても人気が高いのはもちろん知っていたのですが、あまり強烈な個性を感じたことはありませんでした。

でも「THE LAST PARTY」(ゼルダ役・紫城るい)を観た時に、大空祐飛っていい役者なんだなと初めて実感し、ファンが多い理由がわかりました。
芝居は劇中劇のスタイルで進みます。スコット・フィッツジェラルドを演じる役者(大空祐飛)が、スコットは最期の瞬間は何を考えていたのだろう?彼の役をどうやって演じようか?と、人生の残り時間を数えながら自問自答するところから始まります。
スコットは宝塚悲劇らしく狙撃された訳でも、謀殺された訳でもありません。アルコールと病魔に犯され、大作を描き上げるという大志を果たせず、恋人にも家族にも見守られず、発作を起こして一人ひっそりと最期の時を迎えます。実在の人物なので、観客のほとんどが常識として知っている筋書き通りの物語。劇中劇というスタイルをとっていることもありますが、この人間臭い役を淡々と演じていました。
娘とじゃれあうシーンや電話で話すシーン、そして最後のシーンでは、激しい人生の浮沈を精一杯泳いだ男の苦悩と愛おしさが伝わってきました。
大和悠河が演じたフィッツジェラルドを観ても大泣きするのかどうか、観ていないのでわかりませんが、大空祐飛の場合は役と役者の個性がぴったり合っていました。

今回の「HOLLYWOOD LOVER」のステファーノ役も、無表情にも近い抑えた演技で諦念にも似た男の懐の深さ、哀愁が伝わり、いぶし銀の魅力を出していました。煙草をくゆらせて遠くを見ているところは頽廃的ですらあります。
華やかなハリウッドの光と影、許されない三角関係が生んだ男女の悲劇というベタな脚本でしたが、濃厚な演技ではないからこそかえってリアリティを感じさせたのかもしれません。歌も、しっかりと聴かせる表現力に富んでいました。

この作品の後に花組に移動。千秋楽では送り出す越乃リュウの方が感極まっていましたが、本人はウエットにならず、多くを語らず、潔く新天地に歩き出す姿は、ステファーノそのもの。“男前”です。

2006年のREVIEWで脚本家が彼女を “人見知りの小学生”と評していました。意味するところはわかるけれど、大空祐飛のどこを見てそういうのか、正直今一つわかりませんでした。今でもわかっているかどうか自信はありませんが、艶やかな色気を競い合う男役陣の中で、ねっとりと髪をなでつけたり、流し眼や悩殺ウィンクをバシバシ飛ばしたりできない、自然体に近いところでしょうか? 

「パーソナルブック」ではストリートキッズっぽいユニークなファッションで登場していましたし、ディナーショー「SPARK Ⅱ」では、ホストはホストでも、別れた女房に月々の慰謝料と子供の養育費を払い、中性脂肪が気になるという生活感あふれる設定で、真面目にやればやるほど笑いを誘っていました。

自分でも“人見知り”と公言している割には、トーク番組では無駄なくそつなく話します。以前、彼女が担当した雑誌「歌劇」の楽屋日記では、筋の通ったテーマに基づいてまとまった情報を提供し、読み物として成立していたので、その文才に驚きました。

花組への組替えという劇団の戦略は、ふたを開けてみないとわかりませんが、全国ツアー「べルサイユのばら-アラン編」では、オスカル役をやらせるのかも?
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