
●2022年3月12日改正
まず、2022年春改正で長い間続けてきたデータイム3分間隔体制を崩すことになる。その背景にはコロナ禍により利用者減がある。渋谷駅の乗降人員を見ると、2019年で22万人だったのが、2020年度で12万と半分近くまで減少、2021年度でも13万までしか回復してない。新橋駅は定期客と定期外客が明らかになっており、2019年度から2020年度への推移を見ると、定期客が130,700から88,442と32%減になっているのに対し、定期外客は116,403から58,260と半減している。ただし、2021年度は定期客が76,966と2020年度より減少したのに対し、定期外客は70,145に増加、2019年度に対しては定期客が41%減、定期外客が34%減となっている。ただし、それに対してデータイムの運転本数を40%減らしたのだから、コロナ前より混雑するようになった。
銀座線がデータイム4分間隔から3分間隔となったのは1955年のこと、このときは3両編成だったが、5年後には6両編成の運転を開始して、五輪翌年の1965年には全列車が6両編成となった。その後、昭和だけでなく平成も3分間隔を維持してきたが、上野東京ライン開業だけでなくコロナ禍による利用客減で、67年に渡って維持してきた3分間隔から本数を減らすことになった。データイム毎時20本の3分間隔だったのを、3月12日に毎時18本の3分20秒間隔に削減、続いて8月27日改正で毎時12本の5分間隔に削減した。
浅草発を見ると、平日朝ラッシュ時は変更はないが、10時台から15時台まで毎時20本から毎時18本に削減、16時台から21時代前半くらいまでは変化がないが、21時台後半から4分間隔だったのを5分間隔へ拡大して、22時台の運転本数は14本から12本に減らす。土休日も10時前から減便となり、その対象時間帯が19時台までと平日より長い。20時台以降の本数は改正前と変わらない。
渋谷発も、平日10時台後半から15時台まで減便、21時台から23時台も毎時1本減らしている。データイム減便の兼ね合いか、9時台後半にも上野行が設定されるようになった。土休日も10時台から削減となり、19時台は19本から15本に減らしている。それ以降は変更はない。
●2022年8月27日改正
データイムだけでなく、ラッシュ時も運転本数を削減する。平日浅草発を見ると7時46分発までは時刻変更くらいになっているが、以降は運転間隔が広がり、8時台28本あったのが24本に、9時台も27分発まで11本あったのが、8本に削減される。上野始発も7時台に11本あったのが9本に削減、4~5分間隔の時間帯が、7時12分発から46分発までだったのが、7時27分から36分に縮小、その前後は7~8分間隔に拡大している。6時台、8時台も1本ずつ減らし、16本あった上野始発は12本になっている。上野東京ライン開業で銀座線への乗り換え客が減った影響だと思ったのだけど、銀座線の乗車人員は2015年度59,689人に対し、2019年度は58,937人と減少幅は意外と少ない。上野発で見ると、7時台は27本から23本に削減、8時台は30本から25本に削減となっており、最短2分だった運転間隔は2分20秒ほどとなる。渋谷発も7時台は23本から20本に、8時台は29本から26本に減らす。朝ラッシュ時後の上野行は10本を維持する。
浅草発10時19分から15時04分、渋谷発10時34分から15時24分までは完全な5分間隔になる。このことで運転本数は改正前に比べて33%減、3月改正以前に比べて40%減となる。5分間隔、毎時12本は他路線と同じだが、銀座線1000系の編成定員は610人、10両で1500人を越える千代田線、東西線の4割、6両で792人の丸ノ内線と比べても、8割以下だ。つまり、データイムの輸送力は他路線に比べてそれだけ落ちることになる。輸送力減で混雑が激しくなるデメリットがある一方、5分間隔化で6分間隔の南北線以外とは運転間隔が揃うことになり、接続時間が一定になるメリットがある。表参道での渋谷行から田園都市線方面への接続を見ると、銀座線が00着で中央林間行が00発となっている。ただ、銀座線が01発になっているから、目の前でドアが閉まるくらいのタイミングの可能性がある。逆に田園都市線・半蔵門線から浅草行への接続は2分となる。接続時間が短かったら、半蔵門線の後部数両の客が、渋谷時点で混雑する銀座線車両後部に集中して、発車が遅れる可能性が高くなる。赤坂見附での丸ノ内線への接続の場合は、渋谷行から新宿方面が2分、新宿方面から浅草行が3分となっているから、目の前でドアが閉まることなく、交互に数分間隔の発着ということになる。
浅草発で、16時台から5分間隔ではなくなるが、16時台で20本から18本へ、17時台で26本から24本へ、18時台で27本から25本へ削減する。上野発は16時台25本が24本へ、17時台27本から24本に、18時台27本から25本に減らされる。16時42分発から19時11分発まで67本あったのが、62本へと7.5%ほど削減、2分15秒だった平均運転間隔は22分25秒ほどとなる。20時台以降の運転本数は変わらない。始発は7本と変わらないが、15時44分発がなくなり、17時07分発が設定される。渋谷発も、16時台24本から21本に、17時台27本から25本に、18時台も27本から25本に削減される。19時台以降の本数は変わらない。
土休日については、浅草発7時台で10本から9本に削減、10時から19時50分までの3分20秒間隔は、8時14分から21時14分まで5分間隔となる。渋谷発も7時台までは本数が変らないが、8時04分発から21時19分発まで5分間隔になり、運転本数は2/3になる。21時台も後半が6分間隔になるため、12本から10本に減少する。22時台以降は変わらない。
●2023年4月29日改正
データイム5分間隔となっていた銀座線だが、8か月後の2023年4月29日改正で増発して4分間隔で運転することになった。これで毎時12本だったのが毎時15本と輸送力は25%増えることになるが、コロナ前の毎時20本よりは25%減ることになる。運転本数が増えた背景には、外国人旅行客が戻ったことがあると思われる。2022年の訪日外客数を見ると、2月には1万7千人を切っていたが、4月には14万人近くに、10月には50万人、12月には137万とコロナ前の半分くらいとなった。また、新橋駅の定期外乗車人員を見ると、2021年度は先述した通り70,145人でコロナ前の66%に減ったが、2022年度は28%増の89,646人とコロナ前の77%まで回復している。この時点ではコロナ前の25%という運転本数は適正だが、2023年度は103,736人と2018年度の85%まで回復して、コロナ前より混みだすようになった。利用客数がコロナ前レベルまで回復すると、データイムの混雑率がコロナ前より3割増になり、ラッシュ時並みに混雑する。データイム4分間隔となったため、渋谷駅では行き止まりの1番線だけで2分で折り返すようになった。一方、浅草は6分折り返しで両線路とも塞がるようになっている。
浅草発を見ると、8時57分発までは改正前と変わらない。9時台は17本から19本に増発するが、8月改正前の21本よりは少ない。10時台から3~5分の間隔となり、10時52分発から15時44分発までは完全な4分間隔となる。16時以降は一部列車に1分の時刻修正が見られるが、本数は改正前と変わらない。渋谷発も9時台まで本数の変更はないが、データイムの運用本数が増えるため、上野行は10本だったのが9本に減る。10時48分発から15時52分発までは完全に4分間隔に、16時台以降は改正前と変わらない。
土休日については、浅草発は6時台までの運転本数は変わらないが、7時19分から49分までは7~8分間隔に拡がる。この間に上野始発2本が入り、後続電車は3~4分の調整を行なう。9時16分発から20時04分までは完全な4分間隔に、21時09分から22時04分までは5分間隔の運転となり、改正前より増発させる。それ以降の本数は改正前と変わらない。
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