20180318
静岡県危機管理部が発行する「自主防災新聞」。2018年3月号が発行され、「広報かけがわ」を毎月音訳している私達は、広報と一緒に配布されたこの「自主防災新聞」も併せて音訳することになった。
この自主防災新聞の今回の主な記事、”特集”は「東海地震に関する情報」に関するこれまでのしくみや対応手順などが無くなり、昨年11月よりは「南海トラフ地震に関する情報」が出されるようになったことを伝えるものでした。地震をめぐる国民・県民への情報提供の形が見直されるという内容です。
これは一般県民にとっても、もちろん視覚、その他多くの障害を持つ人たちにとっても大切な情報です。この情報を私たち音訳者は視覚障がい者にどう伝えるべきなのでしょうか。そんな事を考えました。
内容について詳しく見ても、伝えたいことは、うーん、イマイチよく理解しきれません。こういう場合に”情報”が発せられます、という説明の図ですが、この図をどう音訳するのか。
こちらのPDF(地震防災新聞)でその内容が確認頂けます。
右ページ「自主防災新聞No99」と青地に白抜きで題字がある下の地図です。”情報”が出される例として2つのパターンが地図を使って説明されています。「南海トラフ沿い」と称される海域は西日本全域をカバーする程の広い海域です。
例示されたパターン1は広い南海トラフ沿いの西半分(和歌山より西海域)でM8クラスの地震があった時に、静岡を含む東側海域で連動して地震が発生するかどうかと云うような場合。
パターン2は 想定のM8~9の地震に比べ小さな規模の地震(M7など)が海域内で発生した場合、南海トラフ大規模地震の前兆か と思われる場合。
こういった場合に「南海トラフ地震に関する情報」が発表されるという事例が示されています。県は防災会議を開始し、住民の事前避難・学校企業の休校休業・公共交通機関の運行停止 等を検討する。
そのため、自治体・学校・企業等の事前防災対応が必要であり、住民は慌てず落ち着いて日常の備えを再確認しましょう。
というものです。ご覧のように「東海地震に関する情報」が発表された時、政府が主導して社会活動に制限を加えて、地震に備えるという「大規模地震対策特別措置法」の内容と比較すると、「国は地震予知に責任を持てないので自分の判断で地震に備えなさい」という内容になったと個人的には受け止めています。
地震対応への大きな方針転向を正しく利用者に伝えたいが、この防災新聞の内容だけでは伝えきれないのではないだろうか と悩むところです。
しかし音訳の務めは、当然のことながら主観や憶測をもって内容を説明するのではなく、書かれている内容をそのまま伝える事が期待されています。しかし防災新聞にある図では、これまでの地震情報の出され方と大きく違ってきた事をそのまま伝えたいところです。何とも悩ましい。
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